はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『須田』を参照していただくようお願いいたします。 2013.10.13. 日曜日 曇り時々晴れ 気温 ふつう
自宅からは結構遠方にある山だが、どういうわけか訪れる回数が多い山の一つだ。 しかし、正規の登山道で一度も登ったことはなく、いずれもバリルートで登っています。 2005年の布袋野から駒返峠経由の 周回ルート。 2011年 は前回と同じく駒返峠から法沢山に登ったのだが、そこから延々と 高竜寺ヶ岳までの大縦走。 と、我ながらおもしろいコースだったと自負するのだが、今回も気になる所があったので そこから登ってみる。まずは但東町と出石町を結ぶ『いずたんトンネル』へ向かう。 その登り口に予定している谷には銀山跡があるという。それを見学して法沢へ登るという計画です。
入り口の谷はすぐにわかったが周辺に車を止められる所がない。ちょっと戻ると空き地があるのでそこに駐車。
9時20分スタート。この道路、わりと交通量があるようで、こんな所でリュックを担いだ男はドライバーから見ると
ちょっと怪しいようだ。時期もちょうど松茸シーズンで来る日を間違ったかも・・・。
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谷には明確な踏み跡がある | そして棚田跡が続く |
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谷には小さな流れがあり、その左岸側に明確な踏み跡がある。この谷のどこかに 銀山跡があると聞いていたのだが、詳しい場所はわからないのでこの踏み跡に頼ることにする。 踏み跡がそこまで導いてくれれば楽勝だったのだが途中から消失してしまう。 別途地図にある寄り道した軌跡は、 それかなあと思えるような怪しげな斜面をよじ登った軌跡です。結果、なにもなかった。後でわかったが どうやら搬出用の道の跡のようだった。 |
ズリ発見 | 坑口を見る |
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棚田のそれとはあきらかに違う石垣を越えた左手に大規模なズリがあった。これが奥矢根銀山だ。9時50分。 古くは朝日銀山と呼ばれていたという。奥矢根の老人の親の世代が採掘していたというから昭和以前の 話だと思う。当時はきっちりとした道があり、それにコロを敷き詰めて鉱石を積んだ台車を押していたそうだ。
このズリを丹念に見れば二次鉱物とか水晶とかがあるそうだが、時間がないので横手の斜面をよじ登る。
上は真っ平らで
最近のものと思われるヘルメットや電材、電球が落ちていた。なにかの調査とかがあったのかな?
坑口はその奥にある。
どうやら縦坑のようだが土砂で封鎖されており中を見ることはできなかった。
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写真ではわからないが傾斜はきつい | 延伸されている作業道 |
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当初の予定では谷の最奥ぐらいから稜線へ取り付くつもりだったが、また谷へ降りるのはめんどうなので そのまま町境界の尾根へ行くことにする。傾斜は急で汗びっしょりになりつつ境界尾根へは10時20分。 地図をみると頂上まで結構距離がありそうだが、大きなアップダウンもないのでペースは良い。 歩いているといろんな方向から祭りの囃子が聞こえてくる。今日は兵庫のどこも秋のお祭りだ。 境界尾根が北向けから東へ曲がる頃、法沢山のピラミダルな姿と共に山腹を切り刻む林道も見えてくる。 |
ピラミダルな法沢山 | 最後の登りだ |
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最後の激登りをクリアーして法沢山には11時20分。標高643.5m、三等三角点。 三度目の今日も山頂は無人だった。下界ではそうでもなかったのにここは風が強くて寒い。 ウインドブレーカーを羽織り、そそくさと食事を済ませて記念撮影。
しばらくボーッとして12時05分下山開始。どこから下山するのかというと、 往路に使用した町界尾根を辿ると『いずたんトンネル』のほぼ真上に明確な鞍部がある。 きっと昔はそこが峠だったに違いない。そこから但東町へ降りるつもりだ。 下山路は往路とほとんど同じなのでペースも速い。 |
熊の糞?三カ所で見た | ヤブも無く順調 |
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ほぼ1時間ほどで鞍部に到着。降りたってわかったが荒れた感じがして、長らく往来が途絶えているのがわかる。 出石側を見ると降りる道はなさそうに見えたが試しに少し降りてみると明確な道が残っていた。 今は石仏もない鞍部で、とても峠とは思えないが古くは峠として機能して人々の往来があったと思える。
ここから但東町側へ下る。 それと後でわかったのだが、この町界尾根を南へ辿ると出石町八坂にある権現山へも比較的 短い距離で行ける。その尾根の途中には私の探しているものもあるかもしれない。 それは但東から出石へ抜ける峠の存在。
この鞍部はあきらかに但東から出石奥小野へ抜ける峠だが、奥矢根での聞き取りでは期待するような
返事はもらえなかった。あまりに長い期間使用されなかったために人々の記憶から消えてしまったのかも。
代わりに奥矢根から出石袴狭への峠があったという。
それが権現への稜線途中にあるかもしれないという期待だ。
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出石側には道が残っている | 但東側は倒木地獄 |
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出石町側とは違い但東町側はいきなりの倒木帯で始まる。しかも道は消失して踏み跡もない。 斜面をへつったり、谷の底を歩いたりしながらなんとか県道にたどり着く。 結果から言うと出石側に下って『いずたんトンネル』で駐車ポイントへ帰るのがよかった。 |
県道に到着 | もうすぐ餅捲きです |
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駐車ポイントには13時50分。早々に帰宅しないといけない用事があったので、奥矢根にある 天神さん(但馬天満宮)のお祭りもゆっくりと見られなかったのが残念だ。
今回の法沢山の地図は
こちら(約120k)
でごらんください。 |