はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『村雲』を参照していただくようお願いいたします。 2010.11.21. 日曜日 晴れ 気温 あったか
M氏とひさびさのMTBとなった。ルートは前から決めていた篠山の尾根縦走だ。 そこは三嶽−小金−八ヶ尾の多紀連山縦走ルートの途中にある544ピークから南に延びる 尾根で、地形図には点線の道が描かれている。 無名の尾根なので表題をどうするかで悩んでしまう。最後にたどりつく三角点ピークが 行者山と呼ばれているので、それを表題にしてしまおう。
そもそもこのルートは北摂の落ち武者こと新川氏が来年のラリーコースにと今年の春から
整備をしている尾根でした。地図上には道が書かれていますが、当然のように大倒木帯の連続で
整備には苦労したということです。最近になって整備が終わったので試走して欲しいと連絡がありました。
上筱見からだと大回りになるので西側の鍔市ダムから登ることにする。
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裸婦に抱きつくM氏 | 仲良く並んでツーショット |
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篠山東中学校の横手に小さな墓地があってそこに駐車。9時45分スタート。 鍔市ダムへ向かってMTBを転がす。自動車では入れないような小道を走っていると おもしろいものを発見。普通の人なら素通りかもしれないが、我々にとっては いいおもちゃだ。さっそく記念撮影。 |
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鍔市ダム | ここの紅葉もきれいでした |
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鍔市ダムには10時23分着。朝一番はそこそこの寒さだったが、10時も過ぎれば 暖かさを通り越して暑くなってきた。ウインドブレーカーを脱ぎ捨てて半袖になる。 ダム湖はベタ凪、空の青さとダム湖周遊路の紅葉とがグッドなコントラストだ。
静かに紅葉と水辺の散策をするには穴場のダム湖で人影もほとんど無い。
ダム湖の最奥には多紀連山縦走コースの入り口の標識があり小倉タワまで1.7kmと書かれていた。
水場があるのか、ポリタンクで水をくんでいる人もいた。10時35分。
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遊歩道を行く | 峠はまもなく |
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遊歩道はさほど荒れて無くまあまあ乗れる。横を流れる水はきれいでいかにも冷たそうだ。 小倉タワまで1.0kmの地点に分岐があり、左手の谷に道がある。標識には 『福泉寺跡2.2km 小金ヶ嶽2.3km』とある。 多紀連山は丹波修験道場として栄えていた。東西に延びる稜線上はもちろん行場で、 そこから南方向に派生する尾根にも多くの寺院があった。その一つが福泉寺で、そこも いつかは訪れてみたい所だ。
以前、この多紀連山の行場の一つで岩門
やら聖窟
を発見できたが
はたしてこれから行くコース(544〜行者山)までにも
なにかあるのだろうか。
福泉寺分岐からは道悪となりMTBに乗ることはむずかしい。 ふと、川向こうを見るとズリの斜面があった。 こんな所にもなんらかの鉱物が採掘されていたのかと驚く。 峠の20mほど手前でいきなり道が消失。MTBを置いて探すと見つかった。 崩れた所に草が生えてわかりにくくなっていたようだ。 きれいな道を上り詰めると小倉タワ。11時20分。 |
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嫌な階段だべ | 左に落ちそうずら |
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タワでおやつを食べて空腹をごまかす。ここから地獄の階段がある。 たいした距離ではないが、これを見ると嫌になるのは確かだ。 登り切ると544のピークで縦走路の標識もある。普通のハイカーならそのまま通過なのだが、 ここがMTB縦走尾根の入り口になる。
稜線の真上を行くのかと思ったら左手に細い踏み跡があった。後でわかるのだが、
この稜線コースはほとんどがピークを右か左に巻いているのだった。
この斜面の巻き道は左にズリ落ちそうで乗るのは怖い。新川氏も初めてここに来たときは雪だったので
歩いていても何度か滑落しそうになったという。
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まあまあ乗れる | ハンドルがぶれると落ちます |
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暗い植林の斜面巻き道が終わるとようやく普通の稜線となりなんとか乗ることができる。 この辺の倒木は横にどけられているか、のこぎりで切られている。あきらかに落ち武者新川氏の仕事のようだ。 途中怪しい分岐があった。ちょっとヤブっぽいが東へ向かえば新田山から清滝山へ向かう方向だ。 いずれまた訪れるコースになるだろう。今日は横目に見ながら通過。
近年ほとんど人の歩くことのなかったであろうこの稜線をMTBで走るのはなんとも痛快だ。 大きなピークを時計回りに巻き終えた付近で古びた標識を発見。 進行方向とは逆になるが鍔市ダムへ降りられるコースらしい。 新川氏によるとダムからの登り口はぜったいにわからないということだった。
お昼も過ぎておなかが減った。どこか食事ポイントはないかと走らせていると、 ちょっとしたザレ場があった。真下にはダム湖があるのだが、木々が邪魔して見えない。 代わりに多紀連山が青空をバックに映えていた。12時20分から13時まで休憩。 |
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ガンガン乗れる | ここは左らしい |
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古い鍔市ダムの標識からはめちゃ乗れるのだ。気持ちよくガンガン乗って行く。 修験の遺跡探索はそっちのけだ〜。 家に帰って調べてみると471付近には古墳があるらしい。 そうとは知らずに471を通り過ぎると左右に同じような道幅の分岐があった。 新川氏の助言に従って左を行くと地図にある『H』の鞍部に着。13時20分。
実は新川氏からお宝情報をもらっていたのだ。この鞍部から逆戻りするような道があるので、数分行くと 三つの顔を持った石仏があったという。「あれってなんの石仏やろ?」と電話で言うので たぶん馬頭観音だろうと答えておいた。それを確認したかったのだが、どう探しても道がわからずで M氏と捜索をあきらめる。
446を越えた二つ目の鞍部には13時40分。左右には明確な道が下っていた。 ここからは徐々に登り基調になって最後のピークである行者山を目指す。 まっすぐに山頂へ向かうのかと思ったら、ピーク手前から山腹を南に巻いていた。 そして、行者山から南に延びる尾根と交差する。この南尾根が下山コースなので ここにMTBをデポして山頂へ。
三等三角点のある山頂には13時55分。木々の向こうには八ヶ尾山と峠山が見えた。 三角点の一段下には崩れかけた祠がある。中には大峰参詣のお札が何枚か置かれていた。 考えれば大峰修験がここ丹波修験の寺々を焼き討ちして壊滅させた張本人なのだが、 それを祀っているのはなんとも皮肉な感じがする。 さて、いよいよここから先は下りオンリーだ。 |
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行者山の南尾根を下る | ずーっと乗れます |
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ヒャッホー | 楽しいねえ |
一カ所道の崩れた所があるが、それ以外はすべて乗れると言っていいだろう。 このコースは織田さんのレポートにあったのを新川氏に教えてあげたのだが、 実際下ってみるとその乗車率の高さとコースのおもしろさに歓声があがる。 M氏は小倉タワからわざわざここまで来なくても、隣にある衣笠山から行者山へ来て、 この下りだけで充分だと言うぐらいだ。 |
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金網を越えて終わり | 民家脇を下る |
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下りはなんとも速い。写真を撮りながら15分。その気になれば10分はかからないかも。 金網のドアを出て左を行くと民家脇へ下って舗装路に出る (正面の道を進むと熊按神社へ行けるはず。そこは駐車も可能かも)。 駐車ポイントの墓地には14時25分。 久々のMTBはなんとも愉快だった。 馬頭観音の石仏は別の機会に周辺の遺跡見学と併せて訪れるつもりだ。
今回の春日江 行者山の地図は
こちら(約230k)
でごらんください。 |