田谷垣の青面金剛

所在地:夜久野町田谷垣
夜久野町田谷垣の公民館横にある木造のお堂にあります。 この裏手の道を上がると廃屋横から富岡山へ登れる林道もある。 お堂の中、向かって右端にある。他には地蔵菩薩、五輪塔の破片等が祀られている。

60日(60年)ごとに巡ってくる庚申(かのえさる)の日に、人間の体の中に住むという 三尸の虫がその人間の行った悪事を天の神に告げるといういわれから、その夜は寝ずに (寝ているあいだに三尸の虫は身体から抜け出るそうだ)すごすのが庚申のならわしと なっている。

陀羅尼集経にある「青面金剛咒法」はこの三尸の虫を退治するということから 青面金剛が祀られるようになったという。

前回の青面金剛を思い出してもらいたいが、あの恐ろしい表情に比べたら 同じ青面金剛とは思えないぐらいマンガチックな表情である。どちらかというと 凛々しい顔立ちになっている。六本の手の 持物はまったく同じものである。前回もあったが左手に掴んでいる半裸の女性は ショケラと呼ばれるものである。

足元に前垂れがかけられていたのでそれをめくってみると邪鬼を踏んではいなかった。 三猿は描かれていたが、注意深く見ると『聞か猿』の耳を押さえる両手が交差している のが特徴的である。また赤い彩色がうっすらと残っている。作られた年代、施主は不明。

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