滝谷の石仏

所在地:京都府天田郡夜久野町

小倉富士に登る際、 地元のおばあさんからこの石仏のことを聞きました。 それによると西谷の奥にある、西谷から枝分かれした滝谷という所にあるそうだ。

おばあさんが言うことだからなかなか的を得た表現ではなく、滝谷を捜すのに手間取ってしまった。 しかし、なんとか入り口を発見(一般の人にはまず判らんでしょう)。 入った途端足元が崩れている。細い谷の底から2〜3mほど上にその踏み跡はあるので 踏み外すと谷底に落っこちてしまう。

途中にはよつんばで這わないと行けないような箇所もある。「こんなとこ、あるわけないで〜」 と、大声で独り言を言いながら這い続ける。すると写真のように終点?のような箇所に出た。 (フラッシュを焚いているので明るいが実際はすごく暗い)
それは終点ではなく、終点のように見えるのはどこからか転がってきた大岩が谷を塞ぐようにあるためだった。 その下には真っ黒な空洞がある。周囲には石仏らしきものはなかったのであの中だろうか? 近づいて覗いてみたが暗い谷のこともあり真っ暗でなにも見えなかった。 奥から足元に向かって水は流れてきている。水量が多いときには上を覆っている大岩の 上からも水が落ちてくるのだろう。

デジカメを取り出してフラッシュを焚いてみる。すると奥(といっても2mもない)に なにかあるようだ。数枚撮してみるとそれは紛れもない石仏だった。

これが唯一マシな一枚。地元の人が言うにはこれを『不動の滝』というそうだ。 不動と言うからには不動明王の石仏を想像していたが、どう見ても中の石仏は 地蔵菩薩立像のそれである。

いつからこれがあるのか地元でも判らないというし、去年お詣りしようとしたおばあさんは あまりの道の悪さに引き返したという。したがって現在ではお詣りしている人はほとんど皆無といって いいだろう。昔はかなりの遠方からもお詣りの人がいたという。

この西谷の林道入り口付近には別の石仏もある。道標の石仏だが、それには『右 をゆこ(大油子)みち   左 やなせ(矢名瀬)みち』とあった。

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