所在地:朝来市生野町高路
図書館で生野町の町史をペラペラと流し読みしていると気になる項目にぶつかる。
それは生野町に『七所庚申』というものがあるという箇所である。
これは初耳ならぬ、初目?だった。眠たい目が急にらんらんとする。
読み進めてみると生野に七体の青面金剛の石仏があるという。
それも生野町の中心部ではなく、最奥に位置する黒川地区の本村、長野、梅ヶ畑、高路、簾野、大外の
各集落にあるという。そういえば本村で見た石仏に青面金剛があった。
それは青面金剛というにはあまりにもかわいい表情で、しかも光背部分に作者の銘がある。
それは『行司』という名前でしたが、その後もこの近辺で行司なる人の石仏をいくつか発見する。
行司なる人の石仏は日頃目にするそれと違ってとても特徴がある。
とても明治の作とは思えないほど現代的で美術的?でもある。
この本村以外にも行司の青面金剛があるのならぜひ見てみたい。
一日かけて探すことがなかなかできないので山行きの帰りにちょっと探してみることにする。
銀山湖を越えて国道429から右に折れると、そこから高路、梅ヶ畑、長野の各集落となる。
しかし、各集落には民家が2〜4軒づつぐらいしかない。いずれは廃村になるのかと思うと寂しい。
その高路の道沿いにある一軒の民家横に古びたお堂があった。
覗いてみるとまさしく青面金剛の石仏が祀られています。
青面金剛には間違いないが、はたして行司の作品だろうか。お堂は扉もなくオープンなのだが、
夕立が間近に迫っているためか中は真っ暗です。近づいて光背部分を見ると・・・。
ありました。たしかに『行司』と彫られています(写真矢印部分)。
本村のそれと見比べてみると、あちらの方が保存が良いので頭頂部にあるドクロの
表情までわかるが、こちらは表面が荒れているように思えた。
しかし、さすがに同じ作者だけあってうり二つです。
持物も同じ、邪鬼を踏みつけているのも同じ、光背の模様も似ています。
ただ、簡略化されているためか、三猿、二鶏、しょけらなどは無いようです。
こうやって町史の確認ができるとは思いも寄りませんでしたが、
実際に発見できてうれしさもひときわです。こうなると
残りの5体がはたしてあるのかどうか、発見できるかどうかが気がかりでもあり、
楽しみでもあります。
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