普明寺の石仏

所在地:加西市大工町
大工町の普明寺にあります。大工町とは名前の通りで、鎌倉時代に飛騨の匠達がこの地に住み、 播州一円の社寺仏閣の建築を請け負い、一族がすべて大工だったことからこの名前が付いたという。

寺内にある梵鐘の裏手、一段高くなった所に木造の小さな祠があります。 その中にこの石仏はありました。

般若心経の書かれた赤い前垂れが胸から下を隠してしまっています。 それを退けるには距離がありすぎて、手を伸ばしても届きません。 変な行動を他から見られていたら何に疑われるかもわかりませんのでこのまま 涙を飲んであきらめます。

天文九年(1540室町時代)。中央に釈迦如来の立像、周囲に十二仏の梵字を配してある。 と、説明文はあった。年代が古いにもかかわらずずいぶんと保存状態が良い。 薄肉彫りの表情も欠けもなくはっきりとしている。向かって右手部分にも梵字の一部が確認できる。 さらに足元には梵字以外の名前の羅列のようなものもあるようだ。 あぁ、前垂れが憎い・・・・・。

そこからちょっと下ったところにあるのがこの地蔵菩薩。写真ではわからないが ずいぶんと高さがある。基台部分を含めると私の首の所まである高さだった。

向かって右側の光背には『三界萬霊六親眷属』。左側には『寛政六年(1794)寅三月日立之』とある。 こんもりとしたこの丘は古い墓地のようだが、墓石等は見あたらない。たぶん 近年まで土葬されていたと思われる。

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