法宝寺の石仏

所在地:朝来郡和田山町

今年の3月、和田山町の室尾山に登ろうとしたとき山中に廃寺跡を見つけました。 それが法宝寺です。家に帰ってから調べてみると廃寺になったのは近年のことで、現在は南麓にある 岡田という集落にあるというので訪ねてみました。

山門には阿吽の仁王像があり、梵鐘がぶら下がっています。くぐり抜けるときに気を付けないと 頭で鐘を突いてしまいそう。山中にある廃寺は昭和九年の出来事だったようです。

法宝寺略縁起
当山は、朝養二郡の境の室尾山に、天平二十年(748)に行基菩薩が開山、弘仁八年(817) に空海上人巡錫のおり本尊の開眼をされたと伝える。・・・中略・・・近世に入って寺運も衰え寺領も減じ、 まして明治の廃仏毀釈には八幡宮とも分離し衰退の度を加えた。
昭和九年(1934)の大雪には庫裡倒壊の大打撃を受け、その再建に際し、俊猛法印と檀徒は幾多の難問を解決し、 昭和十一年(1936)に山麓のこの地(浜屋敷跡)に移転し法灯を現在に伝えている。

むかって左にいらっしゃるのが空海上人こと弘法大師。右は馬頭観音。馬頭観音の六臂のうち 二本は正面で合掌、のこりは光背部分で薄肉彫りになっているのがおわかりでしょうか。 頭上は庇状の屋根になっています。(全体の構造が判る写真がなくってすみません)

弘法大師像と対になっているのは閻魔(だと思う)です。石仏で閻魔像は初めて見ました。 残念なことに傷みがひどくて、つい最近剥落したと思われる破片まであります。 山中にあったものをここに降ろしてきたのでしょうか? 四国八十八カ所を模したものでしたら、閻魔様を本尊とするお寺はどこなんでしょうか? あるいは不動明王????

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