朝妻の石棺仏とキリシタン地蔵

所在地:加西市朝妻町
朝妻町の公民館裏にある墓地に隠れキリシタンの地蔵石仏があるという資料を目にしたので さっそく出かけてみる。そころがその公民館の裏には神社はあるが墓地がない。 おかしいなあとそのへんをうろついてみると、ちょっと南に使われていない古い公民館があった。 どうやらここが正解らしい。

墓地の入り口はすぐにわかった。というのも写真の石棺仏があったからだ。 車を置くところがないので入り口を塞ぐように車を停める。石棺仏は幅が70cm、 高さが110cmほど。阿弥陀如来座像(定印だとおもう)。表情はぽっちゃりと ふくよかで唇も厚い。さらに二重円光の外側にも幾重にも重なるように彫られている。 こういう光背はなんというのでしょうか?
正面から後ろを見ると
墓地は小さくて数ブロックで区切られている。ちょうどおじさんがお参りを終えたところで 私の要望に応じてキリシタン地蔵のあるところまで案内してくれる。 「最近はあちこちで見つかるのでさほどめずらしく無くなったが、昔は東京からも見学に 来てたよ」と、おじさん。

円形の蓮台の上に立った丸彫りの地蔵菩薩だった。左手には宝珠、右手には穴が開いているので 錫杖が差し込まれていたのでしょう。そして後ろにまわってみると・・・。 本とか新聞で見たように十字の模様が浮き出ている。これがキリスト教の十字架を 表しているそうだ。
前から後ろから
すぐ横にも同様の地蔵菩薩がある。これの両手は欠けてしまっているが、さきほどのものと 同様な手になっていると思われる。背中の十字は簡素化されていて、とても十字架には見えないが キリシタンの地蔵に間違いないそうだ。どちらもおちょぼ口の表情がおもしろい。

基台には早くして無くなった三人の子供の戒名が彫られている。年代は元文五庚申(1740)と 寛保の年号が読みとれた。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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