はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『谷川』、『篠山』を参照していただくようお願いいたします。 2016. 1. 2. 土曜日 曇り 気温 寒い
ほんとはMTBで行く予定のコースがあったのだが、前日に新川氏が同じ所を行ったところ あまりよろしくないということで急遽歩きでこのコースに変更となった。 ナースバシは12年ぶりとなるので違う登り口で登って、白髪、松尾の そばを通過する周回コースで歩いてみたい。 |
茶の里会館の駐車場を利用する | 茶畑の横手から峠へ |
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紅葉で有名な大国寺の近くに茶の里会館があってその近くに駐車場もある。 誰か人がいれば許可をもらうのだが、さすがに正月2日ということもあって 誰もいない。10時10分スタート。
集落内の細い道を西に向かって登り口に予定した峠へ向かう。民家の脇から茶畑の
横を通過して住吉川を越えると茶畑から植林となる。この味間奥の北に位置する
山塊は総じて『山立山(特定のピーク名ではない)』と呼ばれている。
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害獣避けの扉を抜ける | 上に行くと道は良くなる |
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その『山立山』にはその場所、場所に字があってこの付近は『八ッ掛』と言う字だそうだ。 これから行く峠には名前が無いというので仮に『八ッ掛の峠』と呼ばせてもらう。 扉を抜けてしばらくはガレた道だが上に行くにつれて良くなっていく。 あっというまに峠に着。 | ||
峠には10時35分。そこに立つと道が五本見える。別途地図を見てもらうとその方向が わかると思う。これから向かうのはもちろん『ナースバシ』方向だ。 |
ルンルンな尾根道 | ナースバシに到着 |
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ルンルンな尾根道を気持ちよく歩いて三等三角点のある『ナースバシ』には11時25分着。 12年前は山南町の『山中岩大師』から登ったのだが、そのときとほとんど変わらない印象だ。 唯一、こんな山にはめずらしく山名プレートが立木にぶらさがっていた。 それには『味間山』とある。掲げた主は『山崎独歩会』。名前は会だが独歩とある。 ネットで調べるとあまり頭のよさそうな御仁ではなさそう。 ナースバシとは慶佐次盛一氏の著書にあった山名だが、この銘板には 味間山とあるので別名があるのかと調べたら、なんのことはないここの三角点の点名だった。 点名=山名では無いことをこの御仁はご存じないようだ。 12年前の自分のレポートをここにコピペしてみる。
「さっきその奥にあるナースバシって山に登ったのですけど・・・」と、恐る恐るこの山名を切り出してみる。
すると「あぁ、ながすらしね」と、おじさん達。「ええっ??」最初聞き取れなかったので聞き直しましたが
確かに『ながすらし』と言っています。昔あの山から木材を切り出したらしく、そこを『ながすらし』あるいは
『ながすだし』と言ったそうです。
林業の用語で『すら』とは修羅のことで、木材を伐採現場から搬出する装置(細い木を組み合わせた滑り台の
ようなもの)の事です。『すだし』とはすらによる
出材のことでしょう。これでなにもかもがはっきりしました。でも個人的にはナースの方がええなあ・・・
(まだ言ってる)
丹波には『長都羅志山(ながずらしやま)』、『コケズラシ』という 山があり、同様の由来が
あるのだろう。ネットで『すら』の写真を探してみた。
こちらでご覧ください。
味間のおじいさんが言うには、このナースバシをはじめとする山立山には
いくつもの『すらし』があって、子供の頃(戦後間もない頃?)これを滑り台にして遊んだということだ。
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丹波市と篠山市の市境界も快適 | 小峠が下にある |
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ナースバシからすぐに市境界尾根となる。今回は小峠(別途地図『C』)に降りるのだが そこまでの尾根も快適だった。地元の人の言うには全域がまったけ山なので 尾根道が明確なのだ(そのシーズンには入山しない配慮が必要)。 小峠までの途中には味間へ降りる小道がいくつかあるようだ。 途中のピーク431で昼食を摂り小峠には12時15分。 | ||
小峠は三叉路の峠だ。山南町へ下る道、さらに上にある大峠へ向かう道、そして 篠山方面へ下る道。コンクリートブロックで組まれた小さな祠は正月バージョンとなっていた。 中にある石仏は新しい。というのも、何年か前に盗難にあったために新調されたのだ。 (そのとんでもない盗人に仏罰があたることの切に望む) |
次なるコースへ | 不思議と良い道がある |
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篠山側へちょっと下り、見当をつけて斜面を登る。ここは昔見つけたルート。 ちょっと見ただけではわからないがわずかな踏み跡がある。それは登るにつれて明確に なってくる。なぜ、こんなところに明確な道があるのかはやがてわかる。 |
銀が摂れた?坑口 | ここにもある |
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誰が見ても鉱山跡だと思われる縦坑があった。白髪岳の麓に銀鉱山があることから ここも銀が摂れたのだろうと素人ながらの想像だったが、味間の老人が言うには やはり銀鉱山だったらしい(ほんとに銀鉱石が摂れたかどうかは不明だが・・・)。 ここも老人たちが子供の頃の遊び場だったようで中にはコウモリが たくさんいたという。 |
115鉄塔からの展望 |
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この坑口のちょっと上から送電線の巡視路となり114鉄塔に到着する。そこから
まっすぐに上に登れば良いのだが今回は水平に移動して115鉄塔にも寄り道してみる。
そこからパノラマ写真を撮る。う〜ん、かすみがひどいなあ・・・。
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すごい!ウバメガシの群落 | 689からちょっと望遠で |
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644ピークは何度か来たことのある分岐ピーク。今回はまっすぐだが、右に曲がると大峠、あるいは 四斗谷妙見山、西寺山へ行ける。そして689手前は西光寺山に負けないウバメガシの大群落がある。 689ピークには13時40分。北向けに伐採されていたのでちょっと望遠で夏栗方向を撮してみる。 (夏栗の頂上は山城跡があり、黒頭の中腹には寺跡がある。三尾も山城跡がある) |
白髪と松尾を結ぶ登山道 | 『E』ポイント |
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689から真南にわずかな距離で白髪岳だが今回はパスして東へ行く。白髪と松尾を結ぶ 尾根道と合流してワン谷へ下るルートも過ぎると『E』ポイントに到着。 味間の人たちが設置した看板が分岐の目印。 最終的には味間へ帰らなければならないが、ここからだと最短で帰ることができる。 ちょっと覗くと道の様子はなかなかよさそう。でももうちょっと歩きたいので二つ目の 下山ルートへ行ってみる。 | ||
何度か来るたびにこの分岐が気になっていた。松尾山の頂上はすぐそこだし、 一般的な下山コースの『肩越えの辻』もその先にある。が、それらをパスして 今回はここを下ってみる。 |
良い感じかも | 118鉄塔 |
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昔はちゃんとしたルートだったのだろうが 利用する人がほとんどいないためか最初はちょっと道悪。徐々に良くなってきて 写真のような尾根になる。やがて118鉄塔に到着。14時20分。 さて、この尾根どこまで行けるのだろうか? |
白矢印で下るのが正解だった | ネットを乗り越えて・・・ |
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鉄塔のすぐ先で右の谷に下って行く巡視路があった。そういえば文保寺から登る途中に 巡視路入り口があったことを思い出す。ということはこれを下れば間違いないわけだが この尾根がどこまで行けるのかが気になる。 どんどん歩いて行けるが文保寺へ下れる道がない。尾根の終点にあるテレビアンテナ 付近から急な斜面を文保寺方向へ下り続ける。たがて寺の建物が見えて来た。 が、ここで問題が・・・。害獣避けのネットが行く手に立ちふさがる。 乗り越えるか、ドアを探せばいいのだが寺の 人にとがめられそうなので人目につかないように里とは逆方向へ移動 (地図のトラックデータを見てもらえば一目瞭然)。 ということで15時下山完了。駐車場には15時半でした。
今回のナースバシ〜松尾山の地図は
こちら(約350k)
でごらんください。 |