御祓山〜樽見の大桜

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『大屋市場』、『関宮』を参照していただくようお願いいたします。

2016. 4.10.  日曜日  曇り  気温 ふつう

どこに行こうか決めていない日曜日だったがTQFさんから御祓山の『みづめ桜』を見ようという リクエストをもらう。言われて気がついたがちょうど良い時期だ。御祓山へ 登るとなれば、私もそうだがTQFさんも当然のように 樽見の大桜までの縦走を考えているようだった。男二人だけの花見はおもしろくないのでオードリーさんも誘う。
御祓山の登山口は団体さんで賑わっていた延々と石垣が続く

最終目的地である『樽見の大桜』の駐車場に一台の車を止めて、もう一台で御祓山の登山口駐車場へ。 駐車場にはたくさんのハイカーがたむろしていた。みづめ狙いの団体さんのようだ。 団体に巻き込まれる前にスタート。9時45分。

桑畑だったのかあるいは棚田だったのか、精緻な石組みに沿ってある道を進む。 横手に流れているのは坂尻川という小さな川。 道脇にはつぼみのミヤマカタバミ。

登山口と東屋東屋にあるイラスト地図

登山口までは水平道で東屋のある登山口からは登りとなる。 東屋にはイラスト地図があり北ルートと南ルートの二つのルートが画かれている。 初めてこの山に登った 2002年 の時は北ルートで登って南ルートで下山というコース取りでしたが、 いつからか南ルートは通行禁止となって、それは今でもそうらしい。
つつじ回廊を登る その1
つつじ回廊を登る その2

昔は尾根を直登するような箇所が多かったと記憶しているが、今はジグザグに 斜面を行くようになっていて登りが楽になっている。しかもコバノミツバツツジの群落を 横切るようにルート設定されているのでそれらも楽しめる。

徐々に高度を上げていくと展望の楽しめる箇所もある。2002年のレポートにあるように 南には大杉山(正しい山名はスリガ峯)、須留ヶ峰(正しい山名はアオマ山)が見え、 北には天滝も見えるし、その奥には氷ノ山がそびえている。今年は暖冬だったために 氷ノ山の雪はほとんど見えない状況だった。

みづめ桜だ
斜面にスックと立つ

みづめ桜には10時50分。満開とは言えないかもしれないが充分満足のいける咲き具合だ。 みづめ桜はエドヒガンという種で、樹高15m、樹齢は600年と言われている。 私の知る限り毎年咲き誇るというわけにはいかず、隔年で咲いているように思う。
みづめ桜の向こうに天滝と雪の氷ノ山(2011年撮影)

駐車場で出会った団体が登ってきているのが見えて来た。騒がしくなりそうだので先へ急ぐ。 適当に斜面を登って御祓山へのルートに出る。ロープのある急登りをクリアーすると緩やかになる。 山頂への最後の登りにかかる手前で右手の雑木林に注意。
尾根の右手にある雑木の林別途地図『D』にある石碑

そこには御井神社跡だったことを示す石碑がある。現在、御井神社はこの御祓山の南にある宮本に ある。ネットで検索するとまるで申し合わせたかのように『昔は御祓山の山頂に鎮座されていた』 さらには『お走り祭りで神輿を山頂まで担ぎ上げた』と書かれている。

実際に山頂に行ったことのある人ならばそこに神社があったような形跡がない(そもそも そんなに広くない)ことがわかるのだが、これらのネットの情報は出所の同じ文章の丸写しで 実見していない証拠でもある。

この石碑にあるようにここが御井神社の跡で、もとは岩井牛頭天王社(祇園社)と言われていた。 岩井はカカナベ峠の麓にある村だったが廃村になっており今では地図にも記載がない。 そこでは牛頭天王社の伝説が語り継がれていて、参道もそこから始まっている。 そのあたりの顛末はこちら2011年 のレポートをどうぞ。

さらに詳しいレポートはそのときに同行した作畑ガールの 山と川のあいだで が秀逸です。

山頂に到着ここから北に下って行く

山頂には11時半。オードリーさんは我々が御井神社跡でうだうだ言っているあいだに先行登頂。 山頂は特におもしろみも無く、さらには団体が登ってくるのがわかっているので 早々に出立。昼食はもう少し後にしましょう。
たむしばが手元で見られる分岐に到着

御祓山は遠くからある角度で見るとツインピークの山に見える。その二つ目のピークを下ると 作業道と出会う。その先には大屋富士(裡称『宮山』)と樽見の大桜(別途地図の点線)への分岐がある。 そのまま樽見方向に行くべしでしたが昼食を摂るために寄り道して『H』で昼食。
林道終点からも歩き良い尾根が続く耕作地に出た

昼食後、林道の終点から大きく下る斜面を見てオードリーさんは「こんなとこ行けるん?」というが ぜんぜん大丈夫。なんせここをMTBで走っていますからね。 一旦尾根に乗るとほとんどアップダウンもなく12時50分に耕作地林道に降りる。
振り返るとツインピークに見える御祓山
花霞の森案内図が目印休憩東屋の奥にアベマキがある

この耕作地は御祓山の山頂からも見える。 耕作地をしばらく歩くと『花霞の森』の案内図があってそこで曲がる。
国指定の天然記念物だ

そこには樹齢400年になろうとする大アベマキがある。季節的に葉は落ちているが その大きさには目を見張る。幹の大部分にビニールが巻かれているが、これは 現在治療中の姿。

アベマキはブナ科コナラ属の落葉樹でその樹皮はコルクとして利用される。 そのコナラの仲間であるがために近年ナラ枯れの原因となっているカシノナガキクイムシ に冒されてしまった。その治療のための姿らしい。

花霞の森を歩く石積みの桑畑

ここは遊歩道のはずだが、遊歩道というレベルではなくなっている。 もうちょっと整備が必要な感じがする。雑木林から杉林になり桑畑の 石組みが見えて来たらゴールは間近。
到着しました大桜に感動

普通の観光客は下の駐車場から登ってくる必要があるが、我々は逆に上から下ってきて到着。 13時45分。思ったより観光客が多いのでびっくり。
江戸時代の名前は仙桜

この大桜も御祓山と同じくエドヒガンで国指定文化財、天然記念物となっている。 樹齢1000年というからすごい。しかし、見ての通りの満身創痍(鉄骨のやぐらで 支えられている)。一時は枯死寸前だったのを治療で回復させたという。

江戸時代に『仙櫻』と命名され、明治の文献にもその名で記されている。 あと何百年咲き続けるのかぜひとも見届けたい・・・・って?

今回の御祓山の地図は こちら(約470k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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