雲頂山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『大名草』を参照していただくようお願いいたします。

2015. 9.20.  日曜日  晴れ時々ガス  気温 ふつう

世の中にはおもしろいことを考える人がいるものだ。富士山が見える最遠のポイントはどこか?というのが一時 話題になったことがある。一昔前なら「わからん!」の一言でかたづけられるのだがパソコンとソフトの発展で そういう難題もわかるようになり、実際にその地点から富士山を撮影することでパソコンの計算が正しかったことが 証明されたりする。

で、最近話題になっているのは、かの『あべのハルカス』(現時点で日本一高いビル)はどの辺まで見えるのだろうかという こと。我々兵庫での最遠地?は今回登る雲頂山だという。本来この山は秋の紅葉時期に登りたかったのだが 他人に先を越されるのはシャクなので私とTQFさんの二人で一番乗りを目指すのだった。

青垣峠のちょい手前から登る

スタート地点は青垣峠(古名は鳥峠という)。峠は工事中なのでちょい手前から登ることに。 峠にあった六地蔵も安全な場所に移設されている。9時20分。

シルバーウィークの真ん中で天気予報は快晴のはずなのにけっこう曇っている。 いきなり黄信号が点っている(ほんとは山頂の展望の無い様子を知っているので赤信号)。 あべのハルカスが見えても見えなくても良い。心の眼、心眼で見るのだと 自分に言い聞かす。

すいすいと登れるこの真下がほんとの峠

工事中の峠の真上から下を覗いてみるとここからでも問題無く登れそう。 とりあえずここから山頂へ向かう。 登っている尾根は丹波市と朝来市との境界尾根で周辺で見える範囲ほとんどが植林だ。
ヒルもいてます四等三角点『大外奥』

予想はしていたが標高の低い登りはじめではヒルがいた。用心のために足元には 丹念に虫除けを噴射する。金属標の埋まる点名『大外奥』には10時15分。 ここまでは急登り(距離は短い)が数カ所あったが、ここからは緩やかな登りが続くので 楽ちんだ。
鉄塔に着きましたハルカス方向を見る・・・

雲頂山には何度か登っているのでそこには展望が無いことは承知していた。唯一、展望が あるとすればそれは送電線鉄塔のある所だ。ネットの情報ではありがたいことに その鉄塔付近からあべのハルカスが見えるはずだということだった。 その鉄塔、大河内線bT0には10時35分着。

昔はここから粟鹿山もくっきりと見えていたのだが周囲の木々が成長して 見えなくなっていた。そして肝心のハルカス方向(自分たちの登ってきた尾根の方向になる)は 当然何も見えない。

ブルーの線の延長にハルカスがある

犯罪者になる覚悟があるならこの送電線鉄塔に登るという手もある。そうすれば確実に? ハルカス方向の展望は確保できるが、感電死というリスクも忘れてはいけない。(^_^;)
馬の背を行く。ガスが出始める頂上はガスだった

鉄塔からしばらくは馬の背という尾根。ここもハルカス展望ポイントらしいが 展望は全くない。しばらく行くと三叉路分岐となる。そこから市境界を離れて左へ。 ガスが濃くなってきたころに雲頂山山頂に着。11時05分。標高876.4m。

三等三角点で国土地理院の点名は『雲須山』となっているがこれはあくまでも三角点の名前であって 山名ではない。なぜ雲頂山が雲須山という点名になったのか、その由来は過去に何度か 書いているのでそちらを参照してください。我々は寒い山頂で食事とする。

赤の線の延長にハルカスがある

頂上の西斜面は伐採後新たに植林されたのか害獣避けのネットが張られていた。食後そちらへ 少し歩いてみると(写真の丸矢印箇所)ガスの隙間から大阪湾方面が望めた。さらに進むと 黒川ダム湖も見える。あわててTQFさんを呼んで再度来るともうガスで何にも見えない。 晴れて空気が澄んでいるとここからも見えそうな感じだ。
ネットに沿って下る黒川ダム湖が見える

ガスが晴れるの気長に待てないのでさっさと下山開始。11時45分。 ネットに沿ってぐんぐんと下る。鞍部が近づくと黒川ダム湖もきれいに見え始めた。 ダム湖の奥に見えている尾根は粟鹿山から続く中央分水嶺の尾根で過去に何度か歩いたこともある。 さらに奥には建屋のスリガ峯、アオマ山がうっすらとある。今日は見えていないが須賀の山(氷ノ山)も 見えるはずだ。
鞍部に到着しばらくは山腹の作業道を歩く

下るにつれて雑木が増えてくるもその多くは伐採されようとしている。 鞍部には12時ジャスト。ここからダム湖周遊舗装路に降りることができそうだ。 逆に考えるとそこから(地図の『E』)から山頂へ向かうのが一番簡単なルートと言える。

鞍部からそのまま稜線を登り返そうと思っていたらすぐ横を作業道があったので それを歩いてみる。きれいな道でまるで遊歩道のようだ。

作業道から稜線へ移動展望尾根が続く

最終下山ポイントを大明寺に設定していたのだがこのまま作業道を進んでいくと 『F』の尾根を下ることになるので『D』から斜面をよじ登ることに。 この斜面はきれいに伐採されていてやがて植林がされるのかと思われた。 残されている雑木はすべて幹部分の表皮がはがされていて自ら枯れて倒れるようにされているのが 痛々しい。稜線に戻るとそこは大展望の尾根だった。
この先で左に折れる黒川ダムの堰堤が見えた

展望の尾根では登っていた雲頂山、ハルカスが見えるはずだった赤白鉄塔、ダム湖周辺の山々などが 望めてけっこう楽しめた。 『F』尾根分岐で左に折れて下って行くと一カ所黒川ダムの堰堤の見えるポイントあり。 本来は『G』の尾根で下山の予定だったが気がつくと通り過ぎてしまい鞍部に着く。 その鞍部は下りにくそうだったしヒルもいそうなので横手の細い尾根に取り付く。
この尾根は正解だった大明寺の墓地に出る

両側を谷に挟まれた細い尾根だったが、人の入った跡があるので道はしっかりしている。 平坦地に降りて小川を渡ると大明寺の歴代住職を祀った墓地に出る。 そおまま山門から黒川温泉の横を通って駐車場に到着。13時10分。

結局ハルカスは見えなかったが、ひょっとしたら見えるんじゃないかなあという 期待とか楽しみとかはある。ルートを変えればもうちょっと歩き良いかもしれないし、 紅葉の時期も楽しめる、下山後は温泉もあるとてもいいロケーションなのになぜか登山者はいない。

雲頂山からは直線で86kmほどある。 ハルカスが見えたとしてもビルの屋上部分だけだろうか。 さて、誰かチャレンジしておくれ。

今回の雲頂山の地図は こちら(約280k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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