はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『村雲』、『園部』を参照していただくようお願いいたします。 2015. 1.25. 日曜日 曇り時々晴れ 気温 ふつう
久々の分水嶺歩きをしようと思う。場所は篠山市の東端にある三国岳というピークへ。 この三国岳は兵庫県でもっとも東にある分水嶺ピークなのでとても楽しみ。 どこから登ろうかと地形図を眺めるのだが、ショートで周回できそうな大藤の集落からのスタートとする。
もちろん初めて行く集落なのでどこに駐車できるのかまったく不明。集落最奥の三叉路分岐にスペースがあったので
ここに駐車。人がいれば許可をもらうのだが、村の中も人影が皆無だったので
車の窓に『登山をするので止めさせてもらいました』と張り紙をする。
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ここをスタートゴールにしたかったので車を止められたのは好都合というもの。 正面には街道の分岐を示す石仏が祀られている。ちなみに前垂れは10枚ほどもあり、 めくり上げるのも一苦労。さらに赤御影石で出来ているためか表面がざらざらに劣化していて 文字が読み取れない。かすかに『右ハ はら山 左ハ そのべ』と読めそうだ。 ちなみにこの石仏、下山後に出会ったK山さんというおじさんのご先祖が寄進したものです。
ここからは当然右の道を行く。9時35分スタート。道は未舗装なれど砕石が敷き詰められフラット。
右手は小川が流れ放置された耕作地が続く。すると目の前に場違いな豪邸が現れた。
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謎の豪邸 | 山の冷気でシャキッとする |
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常住している雰囲気は無いのでどこかの企業が所有する別荘だろうか?件のK山さんによると 持ち主はカナダ人だそうで売りに出しているそうな。「あんた、買ったら?」と言われたが遠慮しときます。
豪邸を過ぎると普通の林道のようになる。しかし、この道はれっきとした県道で『県道303号市野々西野々線』なのです。
木立のあいだからスポットライトのように差し込んでくる光やら、谷川のせせらぎの音、そして
谷の冷気(霊気)で朝から怠かった身体でしたがシャキッとしてきます。
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原山峠。一つ目の乗っ越し | 山腹を巻いて二つ目の乗っ越しへ |
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峠に近づくともう四輪は無理な道となる。そして峠には10時05分着。周辺を見渡したが 石仏等は無かった。K山さんによるとここは『原山峠』というらしい。私が知っている 原山峠はここからちょっと離れた別の場所なので、K山さんに「原山峠は別の 所ですよ、勘違いでは?」と反論しそうになったが思いとどまる。 というのも、確かにこの峠を越えると原山の集落になるので、大藤からすると原山峠と呼んでも 不思議では無い。他の場所でも同じ名前の峠が二つ存在するというのは例があるので ここも原山峠と昔から呼ばれていたのでしょう。
ここ原山峠はある特徴があります。それは二カ所の乗っ越しがあるのです。
今いるところは一つ目で、ここから山腹を巻いていくと二つ目の乗っ越しとなります。
これと似た峠が青垣町にある
二度びっくり
という名前もユニークな峠です。
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二つ目に到着 | すぐ先から舗装路になる |
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二つ目にも石仏等はなかった。目の前には舗装路がダートの峠からシームレスに 続いていてなんだか不思議な光景だった。道の両脇には猪の罠があったりする。 さて、本来ならこの付近から三国岳へ登るべしなのだが藪っぽかったり、罠があったりで 途中にあった登りやすい箇所へ戻ってそこから登る。 |
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地図の『D』は何かの祭祀場?? | 三国岳頂上 |
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ちょうど二つの乗っ越しの中間ぐらいからが登りやすい。そこから登り初めて県境が大きく 北に曲がるポイントに奇妙な石組み(自然石が積み上げられたような)があった。 写真には無いがその上には木製の標柱の残骸があった。なにかが 書かれていたのか?
そこから少し登った所が山頂だ。三等三角点、標高508.0m。ここも先ほどと同様に
岩が積み上げられた塚のようになっている。山名は三国岳だが山頂付近は篠山市で
三町境界ではない。
正確に園部・京丹波・篠山の三境界となるピークは別途地図の『あ』となるはず。
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分水嶺の尾根を歩く | 地図の『G』地点は無名峠 |
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三国岳の西と東にはゴルフ場があってプレーしている人の声が風にのって聞こえてくる。 無線も空振りだったので山頂を辞して原山峠(地図の『B』)に戻り、いよいよ分水嶺の尾根に取り付く。 ちょっと期待していたがMTBで走れそうな尾根ではなかった。もちろん歩くには何ら問題はない。 四等三角点(点名『よが谷』)のあるピークから下りきった鞍部は 地形図にもあるように東西に道がある。あまり歩かれた様子がないが あきらかに峠だった。周辺には石造物無し。11時50分。
おなかも減ってきたので434ピークで食事をする。展望もない薄暗いピークだったが
もうちょと先に行った方が明るかったようだ。そして最後の峠へ向かう。
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おお!良い峠だ | きれいなUの字の鞍部 |
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園部側も明確 | 篠山側ももちろん良い道 |
目に前にあるのはいかにも峠らしい峠だった。名前は『八田峠』。京丹波の八田というところに出る。 してみると、前述の無名峠『G』はその降り立つ場所からして『笹尾(さお)峠』というのかもしれません。 八田峠は地形図からしても距離は短いがMTBなら気持ちよく下れそうな峠道だ。これだけ良い路面ということは 昔からよく歩かれていた証拠に他ならない。 |
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残念。この先で峠道終了だ。 | 広い林道に出る。ちなみに右に折れると『G』の峠へ行ける |
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広い林道に出た(別途地図『J』)、12時50分。ここは三叉路になっていて、篠山側からみて右へ行くと『G』の 峠へ行ける。篠山から園部へむかう旅人はここで行くべき場所を 選択できるのだ。大藤からみると三方向へ行く選択肢のある交通の要といったところか。 林道をテクテクと歩いていく。自画自賛するようだが、普通の人ならまず見落とすであろう石の台を道ばたに見つける。 石仏が置かれていたものと思う。ここに石仏がないということは、今はきっと里のどこかに安置されているのだろう。 ところがK山さんによると『右 そのべ 左 やまみち』と彫られた道標石仏は盗難にあって いつのまにか無くなってしまったそうな。怒!
今回の三国岳の地図は
こちら(約110k)
でごらんください。 |