東仙〜鳴滝山〜綾木峠

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『岩屋堂』、『郷原』を参照していただくようお願いいたします。

2014.10.19.  日曜日  曇り時々晴れ  気温  ふつう

若桜の山ボーイさんから表題のコースが歩けるようになったと教えてもらった。 数年前までは到底歩けるとは思えないようなヤブ山塊だったのだが、 オオダワから東仙まで登山道が出来たと聞き、それに便乗して初登頂したのは 2010年 のこと。

東仙までは楽に登れることになったが、それ以降の鳴滝山まではまだ激ヤブだった。 それにチャレンジしたのが2011年 だった。 その鳴滝までの激ヤブもなくなったということなので、今回はさらに距離を伸ばして 綾木峠まで歩いてみようということに。必然的に車が二台必要なので情報主の山ボーイさんも お誘いしてTQFさんと三人で行くことに。

東仙の登り口最初の上りがけっこうきつい

ゴールである綾木峠の入り口付近に車を止めて、もう一台の車でオオタワへ向かう。 この距離がずいぶんとある。オオタワには車を止めるスペースは無いが東仙側に未舗装の林道が あり、そこに入ったすぐのところが登山口兼駐車ポイントだ。 登山口がわかりにくいので知らない人はそのまま奥へ奥へと行ってしまうという。

9時40分スタート。今日は乾いているが登山口周辺は時には湿地帯と化するので要注意。 尾根に出てとりあえず一発目の激登りが始まる。

笹もまばら笹原の中の一本道

激坂をクリアーするとブナが現れる。ホッと一息ついて後ろを振り返ると 鳥取・兵庫県境の山々が見える。それにしても今日の晴天はすごいに尽きる。 はるか遠くの山々までくっきりと見えている。
振り返って見る県境の山と宍粟の山

東仙の頂上には10時45分着。昔の東仙を知る人には驚きの変化だと言えるだろう。周辺は切り開かれて 極々普通の山となっている。オオダワからの距離と標高差を考えるとお手軽な山とも言える。
山頂に着きました大山がくっきりと

ここの展望も秀逸だ。特に今日は空気が澄んでいるので大山までくっきりと見えた。北に視線を移すと鳥取の市街地、 千代川の河口、鳥取城のあった久松山、摩尼山なども・・・。 で、ここでのんびりと展望を楽しんではいられない。ここがゴールではない。
東仙からの激下り下りきってやれやれ

まずは鳴滝山までがんばらなければならない。前回はとんでもないヤブで疲れ果てたが、今回は 新たに出来た稜線上の切り開きが利用できる。山頂到着から10分ほどで縦走再開。 歩き始めてすぐに鳴滝方向から単独ハイカーがやってきて驚く。 聞くと沖の山林道の途中にある東仙宿舎からスタートして鳴滝へ登ったらしい。

我々はいよいよ問題の激下り斜面へ。写真のように笹藪は無くなっているが その切り倒されて枯れた茎がコロのようになって滑る滑る・・・。 転けると笹の切り株で大けがをしそうで怖い。 前回1時間ほどかかった鞍部までの下りが今回は20分ほどだった。

1204を過ぎた所
この最低鞍部を左に下ると東仙宿舎からのコースだ

最低鞍部には11時30分。先ほどの単独ハイカーは東仙宿舎からこの辺に 登ってきているはず。TQFさんは鳴滝にはお昼に到着したいらしい。 どうりでペースが速い。
ここを過ぎると尾根は細くなる正面が鳴滝山だ
鳴滝山頂上

鳴滝山には12時10分。さっそくお昼にする。ここは東仙のような展望は無いが、 ヤブが無く座れるだけでもありがたい。 朝方は寒かったがここではもう暑いぐらいで下山までスタミナが持つかどうか。 12時40分再スタート。
林道がある鳥取市街が近くなった

「前回はたしかこの辺から下ったよねえ・・・」というポイントを過ぎる。これからの コースは私にとっては未知のコースとなるわけだ。すると、その刹那左下に林道のあるのが 見えた。この山域に詳しい山ボーイさんも初めて見るという。

稜線と平行になる箇所でその林道を歩いてみる。できてまだ新しいようだ。 実はこの先にも稜線と平行する林道があるらしい。それはけっこう古いので それの延長がこれかもしれない。ただ、どこから登ってきているのかは不明。

姥ヶ城跡の尾根が真っ正面だ

若桜の弁天山、三倉富士へ通じる尾根の分岐を過ぎたころ、ついこのあいだ 山ボーイさんたちと歩いた姥ヶ城跡 の稜線が見えた。なかなか見所の多い稜線だあ。
1023を過ぎた所。山ボーイさんお気に入りの場所だ
若い木も多い

さきほどの林道の続きだろうか?古い林道を横切るようにして(林道は1023ピーク 方向へ行っているようだった)さらに進む。「この辺がすばらしいんです」と山ボーイさん。 そのとおりにブナの巨木が現れる。若木も多いのでこのあたりが植林されないことを祈る。

展望ピークと標識のあるピークは巻いてパス。 四等三角点『西ヶ谷』1051.3を過ぎた次のピークが休憩ピークと言うらしい。 ヤブもなくMTBでも走れそうな快適な稜線だ。ふと足下を見ると石英の大きな塊が ごろごろしている。そして・・・・。

尾根が無くなった!!

突然、目の前が広がりそこにあるはずの稜線が消え去っていた。 鉱山跡があるのは知っていたが、智頭側の斜面が切り取られているのだろうと 想像していたのだが、まさかこのようになっているとは知らなかった。
下に降りるとこんなかんじ一台だけ残っていた重機

鉱物が専門の亀岡の『たんくら』さんによると、この『金足鉱山』は大戦中に 花崗岩から派生した石英脈中のタングステンを 試掘した山で,戦後になってからはタングステンの母岩である石英を 目的に白珪石として露天掘りしたものということです。 ちなみにここからは金は採れないということです。ああ、残念!

たんくらさんからのメールにはこんな一文も・・・。

・・・地元の古老は金属が出たか 出ないかにかかわらず、穴を掘っていたという事実をすべて金に結びつけるようで、 眉唾な「金山」が各地にたくさんあります。・・・と。 「ここは昔、金が出たんやで」と、私もよく聞いたりしましたが そのほとんどがガセというかいわゆる都市伝説のようなたぐいだったようです。 言う方も、聞く方も鉱物の知識が無いとね。

さて、採掘した石英を下ろすための道があったはずなので周辺を探してみるが それに見合うような道はなかった。ということは石英は 索道で下ろされた可能性が大きい。

削岩機もあった生活の跡も

どうやって下山するか?適当な所から強引に降りる。あるいは稜線に戻って綾木峠から 下山する。浮かぶ案はこんなものだが、採掘場からちょっと横手に作業員が休憩したと思われる ところがあった。もちろん建物などはなかったが一升瓶やら食器などが地面にあった。 そこから谷を下ろうとしたが、西向きに細い踏み跡を発見。これぞ作業員の通っていた道に 違いないと進むものの途中で消滅。
正解だと思ったがこの道が先で消滅する結局、綾木峠から下山

しかたなく山腹を巻いて綾木峠まで来た。結局はここから下るのが一番安全だ。TQFさんは この下にある沢沿いの超荒れた箇所がいやだと言う。
谷に降りるとめちゃ荒れている鉱山施設跡には寄り道せず

峠から谷までは木の階段などで道はしっかりしている。が、谷に降りるとこれでも 中国自然歩道かと思うほど荒れている。道なのか沢なのかわからない。 ようやく自然歩道の案内板のある舗装路に出る。ここを左に寄り道すれば 先ほどの鉱山に関するものがあるらしいが、もうその元気もなくそのまま車の所へ。 15時40分。

ここからさらにオオダワへ車の回収に行かねばならない。それを考えるとぎりぎりの 時間だったかも。でも、今日一日すばらしい青空の下で良い山行きができました。

今回の東仙〜鳴滝山〜綾木峠の地図は こちら(約170k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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