奥段が峰山上庭園

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『神子畑』を参照していただくようお願いいたします。

2014. 4.17.  木曜日  晴れ  気温  ふつう

リコーダーでお世話になっている『りんごの木』のくみこさんが山登りをしたいという。 簡単に登れて、山頂でリコーダーも楽しめる奥段が峰山上庭園に行くことにしよう。
砥峰高原を通過

出発が長谷なので砥峰高原から福知渓谷へ抜けて、その分岐にある舗装林道で登山口へ向かうことにする。 林道は災害などでいつ通行不能になるのかわからないリスクもあるが、つい最近砥峰高原の野焼きがあったばかりなので 通行可能になっているでしょう。

その砥峰高原で一休み。秋に来るとすすきの銀色に染まっている高原なのだが、今は野焼き後なので ほぼ真っ黒・・・。この特殊な地形は『周氷河地形』と呼ばれる地形で、さらに砂鉄採取も行われていたために 不自然な起伏のある小奴可地形でもある。

福知渓谷の林道と合流。そこから 千町峠へむかう林道は古いのと、新しいのと二線ある。普通に走っていればそのまま新しい舗装林道で 千町峠にある悠友山荘まで行くことができる。MTBであれば未舗装の古い林道のほうが趣があっておもしろい。

悠友山荘のある千町峠

悠友山荘もずいぶんと古くからここにあって、来るたびに年々進化しているようだ。 ここは段が峰と高星山の登山口でもある。特に段が峰へは 山頂に近くてすぐに登れるし、下界からのアクセスも新しい林道によって便利になった(昔は道がひどかった)。 オーナーとお話したこともあるが、中にはピアノもあってライブをして遊んだりしているという。 庶民にはまねのできない優雅な遊びだ。
我が家のトイレより進化してる?『どうどう橋』より登る

悠友山荘に来たのは、場合によってはここから段が峰へ登ろうかと思っていたための寄り道でしたが 当初の予定通りにUターンして千町へ。ところが途中にある分岐を発見。今日は千町にある牧場跡から 登るつもりだったのだが、この分岐からある舗装林道はくじら岩への近道なのだ。 昔は工事中だったが完成して幾久しいと聞いていたのでこちらへ行く。

ソーラーパネルを使用した立派なトイレ近くに駐車してスタート。工事中、あるいは工事前とは まったく違う風景になっていて戸惑う。ここからだと私には物足りない距離だが、彼女たちには ちょうどよい感じかも。

今日のくじら2009年のくじら

すぐにくじら岩となる。以前とは違い歩けるルートはきっちりと決まっており、ロープも張られていて それに誘導される。したがってくじら岩にも近づくことはできなくなっている。ここの有り様を保護するためには 仕方ないかも。このくじら岩も岩塊流の一つであって、それらの下には冷たい覆水が流れているので夏場などは 涼しい。その冷たい水のおかげで岩に苔が生え、その上に落葉樹が生えるという『岩上更新』が延々と続いてる。

ちょっと気になったのは周辺の木々が刈り取られた場所もありそこには日光が降り注いでるのだ。 岩の乾燥が促進されて(あるいは伏流水の枯渇)苔が枯れてしまわないかと心配だ。

岩上更新2009年の写真

2009年の風景。すごい岩の流れ!!

他の人の山のHPを見ると岩がたくさん転がっているだけで『岩塊流』とレポートしている人もいるようだが、 あくまでも周氷河地形によって形成された岩石流を言う(と思う)。
季節が違うので2009年の画像と2014年の同じ大岩の画像は単純には比べられませんが・・・

案内板の指示に従ってロープで誘導される遊歩道を上る。斜面の上部にあった大岩の横も 通過するようになっていたのがありがたい。この岩の割れ目から水が湧き出ているのがわかる。
稜線に出たの雪も残っている

別途地図のようなポイントから稜線に出る。前述の大岩ぐらいから真上に登ればすぐに 稜線なんだけど・・・。落ち葉ふかふかの稜線を頂上へ向かって歩く。木々には緑の葉っぱは無く、地面には まだ雪が残っている。葉っぱの下の腐葉土を見てくみこさんは持って帰りたいと言う。
途中で食事フトウガ方向が見えてきた

途中にある木陰で早いお昼にする。この周辺も昔は踏み跡も不明瞭だったのに、いまや 公園の中のような道になっていた。突然という感じで左方向に展望が開け、フトウガの平たい 稜線が現れる。

その先にある広いピークが今回のゴール。標高は1080+m。昔、段が峰からここを見たとき 笹にまみれたピークだったので到底行くことはむずかしいと思っていたが、登ってみると さほど笹もひどくなく、段が峰より広いピークで感動したものだ。今は鹿の食害なのか 温暖化のためなのか笹はまったくと言って良いほど無い。

ここがゴール。むこうは段が峰

さらに先にある1088mのピークが宍粟50山に制定されている『杉山』だ。前から思っていたのだが ここの標高はちょっと疑問がある。それと、この山名が気に入らない。杉山の由来を聞いたら ここが好きだった人の名前、杉山さんから取ったとか・・・。そんなまぬけな命名をしても良いん?(^^;)

段が峰の西にあるから『西段が峰』、さらに我々がいるところが『奥段が峰』。こちらのほうが より理路整然としていてわかりよいと思うのは我田引水か。そういえばフトウガの東にある達磨ヶ峰も 昔は東段が峰と呼んでいたとか。段が峰(正式にはダルガミネと読むが、ダルガミネと言って理解できるハイカーは希だ。 猫も杓子もダンガミネと言う) がダルマに変化して言ったと聞いたことがある。

本家の段が峰さえも沢屋さんからは倉谷の頭と呼ばれていたのだから、人によって、時代によって、呼び名は刻々と 変化していくというのが現状なのかも。

演奏をやってみる

こんなつまらない話はやめて、リコーダーの演奏をしましょう。 歩荷でリコーダーなどの資材一式を担ぎ上げてきています。荷ほどきをして楽器を組み立てて いざ音を出してみると・・・。 風が強くて大きなバスリコーダーはその影響でまったく音が出ない。しかたなくソプラニーノでやってみる。 動画も撮ってみたが後で確認するとすごい風切り音だった。(T_T)
笠杉山腹の崩れた林道を見る

まあそこそこ楽しんだので大タワ経由で下山しましょう。途中に見える笠杉山腹の林道もひどい 状態だった。路面がまったく崩れ落ちている箇所(写真の○印)もある。 16年前にこの林道を使って登山したことがあるがそのときも相当危険だった。 写真でもわかるように一度崩れ出すと修復できないほどの傷になっているのがわかる
大タワに到着林道に降りる

大タワ(田路では千町峠と言う)でお地蔵様にご挨拶。このお地蔵様には大きな傷が二カ所ある。 一つは光背部分の向かって右、縦に大きなヒビがある。冬期、そこに水が入ると凍結してさらに ヒビは広がり、やがて砕けてしまうでしょう。

もう一つは光背に彫られた文字のこと。『志主・・・』というところを『志庄・・・』と誤読され、 あろうことか『宍粟50名山』というれっきとした本に載せられているのだ。 選定作業、さらに出版にむけて多くの人の目に触れているはずなのに・・もうちょっと賢い人は おらんかったのかなあ。

さらに文句を言うと(この際ですから言わせてください (^^;))『播磨の峠ものがたり』という本の この項は『宍粟50名山』にあった文言を間違ったまま、そのままそっくりコピペしている。 (どちらの本も神戸新聞総合出版センター)

コピペするなら出典元を記するべきだし、ましてやそれが間違っていたらWEBならまだしも(私も よく間違いを指摘され、その都度修正していますけどね(^^;))、活字の場合は 修正がむずかしい。事情を知らない人はその活字を信用してしまうでしょう。

この重装備は無駄だった?

とまあ、そんな小さなことはどうでも良いこと。今回も山で遊べたことを良しとしましょう。

今回の奥段が峰山上庭園の地図は こちら(約80k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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