龍蔵寺の東尾根

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『篠山』を参照していただくようお願いいたします。

2013.12. 1.  日曜日  晴れ  気温  ふつう

北摂の落ち武者こと新川氏から乗れる尾根の情報をもらう。場所は篠山の龍蔵寺の東の尾根らしい。 そこを走ろうと考えると 普通に考えればまずは愛宕山まで登るのが普通だ。というのも愛宕からの下りは100%乗車できるからだ。 そこから件の尾根へ入るというのが良いだろう。

しかし、前から気になっている場所がある。それは首無し地蔵のある鞍部(別途地図の『E』)。ここには愛宕山への 登山道のほかに、篠山側に下っている道がある。方向的にみても龍蔵寺だと思うのでそれを確認してみたい。 もう一つはこの愛宕山の中腹にある『忍の滝』というのを見てみたい。両方一度には無理なのでどちらにするかは行ってみて考える。

イラスト地図があったが不正確で参考程度にしかならない

参拝者用駐車場で準備を済ませて8時45分スタート。おあつらえ向きにイラスト地図があった。 ここから母子へ抜けるには四つのルートがある。武庫川の源流から母子大池へ抜ける西の谷ルートは イラスト地図では南ルートとなっている。中腹にある愛宕堂へ行くルートは中央ルートとなっている。 問題の『E』へのルートも描かれていてそれは東ルートとなっていた。

もう一つの忍の滝へのルートは名前はないものの道は描かれていて、しかも東ルートと接続もされている。 ならば忍の滝ルートで行ってみよう。

橋と山門には行かないここを直進

さっそくイラスト地図の間違いがわかる。忍の滝へ行くには橋と山門はくぐらずに、その手前を左へ行く。 信行道場の右手を登っていくのが正解。護摩焚きの東屋と不動明王のブロンズ像が目印となる。 ちなみに東ルートへの作業道も信行道場の玄関前から始まるものと思われるが未確認。

不動明王から奥は道どころか踏み跡すら怪しい。目の前にある堰堤の左側をよじ登る。 するとトラロープがあるのでそれに沿って進んでいく。

とても道とは思えない鉱山跡??

ほとんど利用するハイカーがいないのは明らかと思えるほど道は怪しい。谷は想像以上に険しい表情で その両側は岩肌がそそり立っている。ふと見ると真っ暗な穴蔵があった。見ると奥はふさがっているようだが 水が湧き出ていてどう見ても人工的は穴である。鉱山の試掘跡だろうか? この穴から視線を右奥に向けるともう目的の滝が見えている。
法道仙人が修行したという『忍の滝』

駐車場近くにある龍蔵寺縁起の看板にも大化元年に法道仙人により開基とある。これまで兵庫の山々を 数多く登ってきたが播州を中心としてこの法道仙人の霊跡は至る所にあった。そういう縁から法道仙人には ひとかたならぬ興味がある。 今回もこの忍の滝へたどり着けて満足だ。

その忍の滝だが、見るまではしょぼい滝を想像していた。確かに視界に飛び込んできた時は想像通り水量のない、 落差の小さいしょぼい滝だと思ったのだが、角度を変えて見て驚いた。その上方奥から滝は落ちていて落差にすると 20mは優に超えている。少なくとも3段の段差があるようで、ひょっとしたらここから見えないその 段差部分になにかあるかもと期待させる。

山腹道との合流点

滝見物を終えて、地面に転がっている道標をたよりに愛宕堂と書かれた方向へMTBを担いでいく。 写真にある分岐手前に明らかな削平地があった。これも数多くあったと言われる龍蔵寺の僧坊の一つ だったのかもしれない。

普通のハイキングであればこの忍の滝コースがおすすめです。というのも、滝見物をしてそのまま登ればこの分岐から愛宕堂へは 比較的短距離で到着できそう。私は予定どおりにここから左に折れて『E』を目指す。山腹を巻く迂回路は細くてちょっと乗りにくい。 斜面を落ちたら洒落にならないので押す。

山腹を迂回路を行く『E』へ続く作業道発見

忍の滝の落ち口付近を思われる箇所も通過。そのままほとんど高度を変えずに東へと進む。 尾根にぶつかって周囲を見るが標識などは無く雰囲気的に道は上(南方向)へと行くようなのでMTBを担いで 標高を稼ぐ。『D』の地点で目の前が伐採地となり、その下には作業道が見えた。 あれが『E』へと続いているのだろう。そちらへ降りようかと思ったが、まてよ、市境界の尾根まで担ぎ上げれば 短いながらも下りが楽しめるぞ!
市境界尾根(愛宕山への登山道)を下る

と、へんな欲望に負けて標高差80mの斜面を担ぎ上げることに・・・。これでそうとうバテてしまうが 落ち葉の登山道を気持ちよく下って『E』の峠へ。
問題の三叉路分岐笠地蔵ならぬメット地蔵

問題の三叉路分岐に到着。そこにはきれいな道標が立っていて黄色矢印方向は予想通り『龍蔵寺』となっていた。 後日、新川氏が確認のために下ったらほとんど作業道だったのでつまらなかったそうだ。
『F』の峠篠山市街が一望だ

峠から茶畑の作業道へ出て母子方面へは行かずに茶畑の奥へと行く。地形図には『535』という 標高点で表示されているが、そこは(別途地図の『F』)は峠のような感じだった(石仏、石碑などは無かった)。 新川氏が言うには篠山の殿様がこの道で母子へ来ることがあったという。その道が現在はMTBにとって 乗れ乗れコースとして存在しているのだ。ほんとうに乗れ乗れならよくぞこんな道を見つけた、さすが北摂マスターと あのおじさんを褒めてあげたいがはたして・・・。
さすがに良く乗れるここも景色が良いね

出だしはさすがに新川氏が言うだけあって乗れる尾根だ。写真もほとんど撮らずに気持ちよく下っていく。 やがて地形図にある尾根の分岐にやってきた。鹿除けネットをくぐり抜けて紅葉のきれいな 西の尾根に行く。新川氏はこの尾根が続けて乗れると言っていたのだ。

が、急にトレイルは怪しくなる。『G』ぐらいまではなんとか乗れる箇所もあったが、 それ以降は押しの一手。きっと昔は乗れ乗れだったんだろうと、この時点でも新川氏の 言葉を信じていた。

実際は鹿除けネットをくぐり抜けてから右折れ感覚で北向けにある尾根を下るのが正解らしい。 ここは超乗れ乗れらしい。それを嬉々として私に教えてくれたのだが、 本人は実走したときに西尾根を走っていると勘違いしていたのだからどうしようもない。

龍蔵寺への道路から愛宕山塊を見る

てなわけで、乗れ乗れどころか押しと担ぎで下山。普通にMTBを楽しむなら龍蔵寺から愛宕山まで 担ぎ上げてそこから『E』までダウン。さらに『F』から正規尾根で篠山へ下る。さらに美濃坂峠まで登り返して 天王峠からのロングコースで有終の美を飾る というのが最高だ。

今回の龍蔵寺の東尾根の地図は こちら(約150k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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