はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『笠原』を参照していただくようお願いいたします。 2012. 1.15. 日曜日 晴れ 気温 寒い
自宅から古法華へ行く(去年の最終山行き)途中でこの行常(ゆきつね)集落を通過しました。 ふと思い出したのは、ずいぶんと以前の新聞にここに遊歩道があるということが載っていたこと。 その入り口の一つらしい所が道沿いにあった。 帰宅してWEBで検索してみると山屋のIさんのレポートがヒット。 それによると、その遊歩道は『行常しあわせの森つくり』というNPO団体が整備したものだった。 行常にある裏山をぐるっと半周するコースで、その半分ほどは関電の巡視路だ。 これまた思い出したのだが、この巡視路は10年以上前にMTBで走ったことがある。 どんな感じだったかその時の記憶はもうない。
さらに地形図をじっくりと見ると、
この遊歩道から法華山一乗寺への裏参道(近畿自然歩道)へ行けそうな気がする。
それだけだとおもしろくないので尾根をたどって一乗寺まで行けるか?
よし、チャレンジだ。
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駐車しようとした稲荷神社 | 挨拶をしてお話を伺う |
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稲荷神社に車が駐車しようとしていたので、私もここに止めてもいいかと聞いてみる。 結果はOKだったのだが、準備をしていると続々と車がやってくる。 どうやら今日は『行常しあわせの森つくり』の活動日だそうで、ここはその車で 埋め尽くされるために、出られなくなるそうであわてて退出して別の所に駐車する。 8時45分スタート。改めて稲荷神社へ。1基だけ石灯籠があって、それには『元文五庚申(1740)八月』と 銘がある。本殿の板壁には羽子板(ずいぶんと古くて絵柄は読み取れない)が打ち付けられていた。 後で聞くところによると伏見稲荷からの勧請だそうだ。
『行常しあわせの森つくり』ではたき火を囲んで会議中??ならぬ、談笑中であった。
挨拶をしてお話を伺うと、やはり昔はここから一乗寺への参道があったという。
心の中で「よっしゃ!」と叫んで歩き始める
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両側は整備された竹林 | 道に沿ってこういうのがある |
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竹林の真ん中に一本の道がある。その両側には竹を使った燭台があった。 夜に点灯されたらさぞかし雰囲気が良いのだろう。突き当たりの右に折れると『しあわせ広場』。 屋根から壁まですべて竹材でできた物置小屋の先には炭焼きの施設。 ここがしあわせ広場かと思う。 |
炭焼き施設を通過する | 山道となる |
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一見、炭焼き窯とは見えないが飛び出た煙突?の途中に車のマフラーのようなものがぶら下がっていた。 どうやら木酢酸を抽出する装置らしい。それを過ぎると『中の山登山道』の標識があり左折れ。 ここからようやくシングルトラックとなる。おお!これってMTB乗れ乗れでないかい。
10分ほどで『そよかぜ広場』に到着。 中央にはでかいハンモック。子供が見たら喜びそうだが私も喜んで寝っ転がる。 ん?ブランコもあるぞ。さっそく跨ってみるが一本ロープのブランコなので 全方向に揺られておもしろい。 |
中の山見晴台から |
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ここを分岐点として、目的の巡視路へも行けるのはもちろんだが、大谷を経て下山も可能だし、 中の山見晴台という所へも行けるようだ。で、そちらへ行ってみる。 ちょっと木々が邪魔をしているが南方向に開けている。
標高は低いがなかなかの展望だ。またそよかぜ広場に戻って反対方向の巡視路を目指す。
すぐに三叉路の分岐となった。そこからは関電巡視路となる。
左に行けば『景山・鳶ノ子』という表示がある。右へは『進入禁止52鉄塔』となっている。
山腹を巻く巡視路を行くには簡単すぎるので稜線を歩いてみる。三叉路よりちょっと右よりから
尾根に取り付いてみる。
うっすらとした踏み跡が残っていて、多少のヤブっぽい箇所もあるがそこそこ歩ける。 木にはイノシシがすりつけたと思われる泥が白く変色している。つまりイノシシの通路ということか。 方向を確認しながら問題のポイント『F』に降り立つ。
問題の峠に到着。9時55分。右のほうにはうっすらと踏み跡らしきものがある。 これが道ならわずかの距離で裏参道である自然歩道に合流できるはず。 反対の左方向は踏み跡はわからないが、ヤブではないの歩けそう。 これまたうまく行けば先ほどの巡視路に合流できるはず。 この二つのコースは帰路のコースとして利用したい。
往路はこれから218のピークを目指すべく正面の尾根を行けねばならない。
ところが写真でわかるように正面はシダの激ヤブだ。ちょっと右に回り込みながら前進すると
なんとか尾根に乗れた。
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かき分けると道がある | 『G』から見える王神峯 |
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乗れたもののひどいヤブだ(その後さらにひどいヤブが待ちかまえているとはつゆ知らず・・・)。 218の手前で日本道路公団の基準点が地面に埋設されていた。 地形図を見ると218の真下には山陽自動車道のトンネルがある。 その調査のための基準点なのだろう。当時はここも楽に歩けたはず。
エスケープできそうな所もないまま、ひたすらヤブを漕ぐ。
とうとう目的の『G』のピークまでやってきた。『F』の峠から45分もかかっている。
木々のあいだからは牛頭天王を祀っている王神峯が見えた。
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イノシシのトンネル | トンネルの上はこんな感じ |
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このピークから北の尾根に乗り換えてまっすぐに進めば一乗寺だが・・・。 とにかくシダのヤブがすごい。ピークの周辺を探すがどこにも踏み跡がない。 なにせ背丈以上のシダなのだ。そこで視線を変えるべくうずくまってみると そこにはイノシシのトンネルがあった。小さな穴なのでくぐり抜けることは不可能。 その上を泳ぐように移動しか方法はない。
『G』のピークを出発したのが10時45分。1時間ほどヤブと格闘して『H』の手前まで来た。
ここは今までのヤブが嘘のように足元が広い。ここに腰を下ろして食事とする。
全身ゴミだらけで口の中もざらざら。目の中もゴロゴロしている。
早々に食事を終えて『H』のピークには12時10分。
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『H』から見える一乗寺 | 拡大するとこんな感じ |
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ここで大興奮に陥る。それは一乗寺が目の前に見えたからだ。本堂と国宝の三重の塔をこんな角度から 見る人はまず希と言っていいだろう。 肉眼でも階段を登っていく参拝者が見えるのだった。 現在いるピークの名前はわからないが『元亨釋書』の記述からして法華山の八朶の一つだと言っていいだろう。 だとすると伝説の法道仙人も歩いたかもしれないし、修験の人もここから一乗寺を眺めたかもしれない。 そう考えるとロマンがふくらむね。
ほんとはここから218.2mの三角点ピークを経て一乗寺に降りるつもりだったが、
もうヤブ歩きに疲れたし、すばらしいアングルで一乗寺も見えたので満足してここから下山。
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山陽自然歩道に降り立つ | 自然歩道を行く |
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自然歩道には12時45分着。結局最後までヤブだった。疲れ果てたので一乗寺へは行かずにここから行常へ戻ることにする。 この自然歩道は何度もMTBで走っているので勝手知ったる道だ。 |
自然歩道の峠 | 『F』へ向かう |
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自然歩道の峠『J』に立つ。ここを下れば山陽自動車道のトンネル入り口の真上に出る。もちろんそこからも 行常に帰ることは可能だが大回りだ。この峠からちょっと引き返して左に折れると『F』に行けるはず。 そこは傾斜の緩い谷で薄い踏み跡を探しながら前進。案外あっけなく『F』に到着。13時15分。 さーて、ここから行常の遊歩道に行けるだろうか? |
『K』へ向かって良い道があった! | 『K』にあった標識 |
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出だしちょっとうろうろしたが、すごく良い道に出会った。そのまま進むと遊歩道に難なく合流。 そこは三叉路で写真のような標識がある。私がやって来た方向には『進入禁止・・・』とある。 すごく良い道なのだが迷いやすいからこういう標識になっているのだろうか? 整備されれば一乗寺への良いルートになると断言できる。
鳶ノ子鉄塔50から下山しようと下りかけたが気が変わって引き返す。最初のそよかぜ広場まで
どんな巡視路か確認したかったのでそちらにルートを変更。MTB的には乗れる所もあれば、
乗れない所もあるという感じ。
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そよかぜ広場へ向かう | 竹林で活動中 |
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そよかぜ広場からも朝と同じルートで下る。ヤブの中を変な歩き方をしたので足がちょっと攣りそうだ。 朝は数人しかいなかったのに今はたくさんの人が竹林の中を忙しそうに動いていた。 場違いの男が通過するにはちょっと気が引けた。(^_^;)
今回の行常〜一乗寺の地図は
こちら(約195k)
でごらんください。 |