はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『大背』を参照していただくようお願いいたします。 2012. 9. 2. 日曜日 晴れ後曇り 気温 暑い
今年の7月に歩いた 法起菩薩堂〜森本翁商業道だが、 当然岡山と鳥取の県境尾根(中央分水嶺でもある)を歩くことになる。 ヤブだろうか、踏み跡はあるのだろうかと案じていたが、問題なく歩ける尾根だった。
そこで誰もが思う!!この尾根にある道は那岐山まで続いているのだろうかと。
どう考えても那岐の尾根から、どこまでかはわからないが、ある地点まではヤブのはず。 今回はその調査も兼ねて那岐山から県境尾根を下ってみることにする。 普通のハイカーにとってはあまりおもしろくもないチャレンジだと思うが、 TQFさんに言うと喜んで参加してくれる。
スタート地点は林道大畑谷線と広域基幹林道因美線の交差するポイント。
鳥取から那岐山へ登るほとんどのハイカーがここに駐車していると思う。
8時30分スタート。
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東仙コースとの分岐 | 林道から登山道へ |
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スタートしてすぐに東仙コースと西仙コースとの分岐となる。特になんの打ち合わせもなく 無言のまま二人は西仙コースへ。路面は簡易舗装のダブルトラック。 やがて『那岐山頂上2.7km』の標識から林道を離れて登山道へ。
本格的な登山道に入ってまたもや分岐。尾根コースと渓谷コース。
TQFさんが言うにはシャクナゲのシーズンなら尾根コースが定番らしい。
今日は暑いので水辺の渓谷コースを選択だ。
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かつらの木 | 渓谷コースもそろそろ終点 |
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水辺の道なのでまあまあ涼しかった。何度か渡渉するので雨の日などはちょっと足元が危ないかも。 『避難小屋0.1km』の標識を目印に尾根に登る。渓流コースから離れて尾根に近づくにつれて シャクナゲが多く目につくようになる。 |
避難小屋に着 | くさり場などもある |
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避難小屋には9時20分着。尾根コースともここで合流している。ここで5分ほど小憩。山頂の避難小屋は コンクリート製でなにか寒々しい感じがするが、ここは木造でいかにも暖かそう。 中もきれいであった。頂上方向を見るとまだまだ距離がありそうだ。
くさり場も数カ所あるぐらい急な登りもある。足元にはイワウチワの葉っぱがたくさん。標高が1000mを越える
あたりからミズナラ、ブナが現れる。
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樹林コースを登る | 樹林が終わって笹原に |
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雑木の周辺は手強そうな笹原は広がっており、コースを外れることはない。 ただ、土砂が流されていて路面の荒れ方が大きく、仕方なく脇を歩く。 樹林帯が終わると笹原になり一気に展望が広がり、おもわず足が止まってしまう。 上を見ると休憩小屋が目の前だった。 振り返ると鳥取側が大展望。これから行く県境尾根もよくわかる。 |
那岐三角点から滝山方向を見る |
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登り切ったところにはトイレ休憩小屋があるが現在は使用禁止(崩れかけているので)と看板あり。 しかし、使用しているおばちゃんがいて驚く。使用中に床が抜けたらどうする??
三等三角点(標高1240m、点名『名義山』)には10時06分。さすがになにもさえぎるもののない大展望だ。
南の岡山側には平野が広がり、北の鳥取側には山々が連なっている。
この三角点から東に視線を向けると
最高点(標高1255m)の正規?山頂が見えており、そこには大勢のハイカーも見える。
が、そこへは向かわずここで小憩をして県境尾根への分岐点(滝山方向)へ進む。10時20分。
那岐山へ毎日登山をしている有名な裸のおじさんには出会わなかったのが心残り。
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分岐の東屋ピークを目指す |
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壊れたトイレ小屋横を通過して西へ向かう。こちらもさえぎるものの無いスカイラインルートだ。 今歩いている尾根も太平洋と日本海を分ける中央分水嶺だが、目の前の東屋ピーク(写真ではわかりにくい)から 北へ向かうとさらに分水嶺が続くのだ。 |
東屋から登山道を離れる | 熊笹の藪が続く。これはまだマシ |
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東屋のピークには10時43分着。この先のルートはヤブのはずなので時間は早いが ここで昼食とする。食事中に二人でうだうだ話をしていると滝山方向から単独男性がやってきて 那岐の方へ歩いていった。単独だからピストンなのかなあとTQFさんと話す。その那岐方向を見ると、 先ほどまで晴れていたのに、ガスがかかりつつあった。これはやばい。今日は昼過ぎから不安定になると 予報を聞いていたのだ。
ここから登山道を離れて県境(中央分水嶺)を探しつつ下る。歩き始めてわかったが、
この尾根は昔ながらに地形図とコンパスを用いての歩きは
まず無理だ。ほんと、ハンディGPSはありがたい。
ここのヤブの主役は熊笹だが、こいつはかき分ければ前進できる。が、アセビが現れると笹のようにかき分けては
進めないのが苦しい。
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首だけ出てます | ブナの広場です(あまり写ってないけど) |
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結局、東屋から1072mピークを過ぎた標高1000mあたりまでヤブだったと言っていいだろう。 東屋を出発してちょうど1時間ほどか。しかし、それ以上に疲れた感じがする。 登りならば方向に気を遣わなくていいので、その分だけでも楽だが下りはたいへんだ。 植林の倒木帯を下りきるとブナの広場(別途地図の『G』)が現れて気持ちが癒される。 那岐山の他のルートを知らないのだが、ここから始まるブナの尾根って那岐山の新しいお宝ポイントかも・・・。 |
ブナ横をすり抜けて | 道もしっかりしてきた |
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樹林帯なのでわからなかったがどうやら小雨も降っているようだ。 不安定な天気なので落雷もあるかもしれない。 時間的にはまだ余裕があるが、進めば進むほど駐車ポイントに戻るのがたいへんだ。 それとヤブでけっこう疲れたのでエスケープルートに予定していた817.7mの三角点ピーク手前の分岐から 下ることにする。 |
左下には延伸された林道が見えている | 舗装林道に降り立つ |
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ほんとは商業道出会い、さらにその先まで行きたかったのだが前述のように別途地図『H』から 下山とする。『H』には13時ジャスト。ここまでの尾根にもブナ多し。 このピークからすぐ下に舗装林道因美線が見えている。持参した地形図に描かれている 林道よりは延伸したいるようだ。ひょっとしてと思い、下山後、車で舗装されている所まで走ってみたが 分水嶺を縦断して岡山県側までは至っていないようだった。しかし数年後には越境されている 可能性もある。 そうなると、林道と分水嶺の出合いから那岐山へ登ろうとするハイカーが出てくるのは必然だ。 途中までは極楽のブナ尾根だが、我々が体験したような笹ヤブも待ちかまえている。 はたしてメジャーな登山道になるだろうか?なり得る可能性は大だが・・・。 下山に利用した『H』からの尾根は仕事道に利用されているのか、地籍調査に利用されたのか、 すこぶる快適に下れた。ただし林道に降り立つ直前の踏み跡がわかりにくいので 逆コースでここを利用するときは注意が必要だ。 駐車ポイントには13時30分。川で顔を洗ってさっぱり。 次回はここから再スタートだ。
今回の那岐山の地図は
こちら(約110k)
でごらんください。 |