赤西山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『岩屋堂』、『西河内』を参照していただくようお願いいたします。

2012. 5.20.  日曜日  晴れ  気温  あったか

1週間前に竹呂へ登るのに使った尾根からは、赤西山が真っ正面に見えるポイントがあった。 赤西山(正規の山名かどうかは不明)は兵庫と鳥取の県境にあるきれいな円錐形のピークで標高も1200mオーバーだ。 しかし、簡単に登れる道が無いのと、頂上付近がチシマ笹の激ヤブということもあって無雪期の 登頂レポートはほとんどない。

この日、TQFさんとじっくりとそのピークを眺めてみると山頂より100mほど以下は 植林帯なのでなんとか登れるだろう。問題の笹エリアも遠目で見る限りそれほどヤブでもなさそうだ (茶色なので枯れている?)。 宍粟だけでなく近隣の山でも笹の勢いが無くなっているのでひょっとしたら楽勝かも・・・。

竹呂縦走尾根から見た赤西山

2009年に1106〜波佐利山 へ登るのに、この赤西の谷へ訪れている。大昔にもMTBで何度かここは走っています。 今日はGWも過ぎたためかキャンプ場も無人だった。キャンプ場を過ぎて しばらくすると道ばたに軽トラが止まっている。見ると、川に木橋が架けられており二人のおじさんが作業中だった。
作業中のおじさんに話を聞く

地元の方のようで、先週の八丈川とか、ここ赤西にあった、たたら墓地の話やら林鉄などの 話をする。彼らはここの林鉄が稼働いているのを見ている世代だ。別れ際に 「研修所跡より奥には『先代杉』という大杉があるんや。自分らが整備したから見てみ」と 教えてくれる。ちなみに写真の木橋はあるイベントのために設置されていたのだが、 これから撤去するのだという。
林道途中にある看板看板に偽り無し!!

研修所も過ぎて、どこにそんな杉があるんだろうと車を進めていると、ちゃっかりと看板があった。 車を止めてその看板方向を見ると!

この谷にこれほどの巨木があったとは知らなかった。なんの説明板も無いので 樹齢もわからない。幹の根本に近い箇所が枯れて、グズグズになっているので だいぶ傷んでいるようにも見える。 隣にもそれなりにでかい杉(こちらは元気)もあるが、この先代杉の幹周りにはかなわない。

三叉路にあるスペースに駐車激斜面だ

巨木に元気をもらい、駐車ポイントに着く。準備をして9時38分スタート。 予定どおり、三叉路の角になるところから登り始める。ふつうに考えればこのルートが 一番まともなルートだろう。まさによじ登るという表現どおりに激斜面を行く。
林鉄跡を発見。すごい石垣だ古くて大きな切り株

先行するTQFさんが声をあげる。そこには水平に横切る林鉄跡があった。枕木、軌道などは 撤去されていたが、正真正銘鉄道跡だ。精緻に組まれた石垣が崩れることなく 残っている。昔の人はすごい!と言う他ない。 廃道、廃鉄趣味の人にはたまらないエリアだと思う。

林鉄跡を少しだけ見て、尾根に戻る。傾斜が急なことを除けば植林の尾根なので問題なく登れる。 古く、太い切り株が点在している。足元には見たことも聞いた事も無い古いジュースのビンが転がっている。 それだけで、古くからずいぶんと人の手が入っているのがわかった。 標高1000m付近で休憩をしておやつを食べる。


標高1100を越えたころ樹林帯は終わり笹エリアとなる。念のために長袖のシャツを上から羽織り、 手袋をする。が、そこは枯れた笹原で拍子抜けするほど簡単に進めた。 さらに、枯れた笹なのでちょっとした切り株に登るだけで大展望が楽しめる。 驚くべきは三室山の頂上が間近にあって、もしハイカーが立っていれば肉眼でそれがわかる距離だった。
ブナの山頂だ三室への縦走尾根を見る

山頂には11時15分着。標高1202m、三角点無し。ヤブでなかったので予定よりも早く 到着できた。山頂は東西に長く、雑木で囲まれて展望は悪い。といっても少し下は 枯れた笹原なのでそこからは前述のような展望がある。 ブナが数本あってどこにでも座れるスペースがある。

無線で水剣山のメンバーを呼んでみるが応答無し(聞こえていたそうだが、こちらには 届かず)。食後、三室山への縦走尾根を覗いてみる。これまたうそのように笹が無い。 ただ、三室の山頂直下だけはさすがに勢いのよさそうな笹が見えた。 下山コースは山頂で考えようということだったが、はて、どこから下ろうか。 TQFさんの希望でハサリ山の西にある鞍部で下山することに。12時下山開始。

こちらも笹皆無ブナはあるよ〜

こちら方向もまったく問題なく歩ける。しかもしばらくは展望も楽しめるのだった。 登りより下山コースのほうがはるかに距離はあるが、このペースなら時間もさほどかからずに 下山できそうだ。

よくよく考えると県境で、しかも中央分水嶺の尾根。兵庫側は植林主体、鳥取側は見える限り ブナ、ミズナラの雑木帯。山のレポートなどでブナに抱きついている写真などがあるが、 ここでそれをすると下山に1週間はかかるだろう。

大ボウシとの分岐ピーク

大ボウシとの分岐ピークには12時55分、その下にある下山鞍部には13時。 ここからの下山は前述のように2009年に経験済みなので心配はない。 歩き始めるとそのときにはなかった踏み跡が。どうやら林業作業者のもののようだ。 これを最後までたどれば駐車ポイントまで連れて行ってもらえそうだ。
軌道を抜き出そうとしている

降り始めてすぐに軌道を発見する。2009年の時よりも上流の地点だ。 よくまあこんなところまで軌道を設置したもんだと半分あきれる。 軌道はあるものの、ここは谷そのものなので土盛り?などは流されてしまったのか? それらの痕跡はない。
ここから上部軌道となる犬釘をほじる

別途地図にある『G』からは谷より一段高い上部軌道となっているために、流されることもなく 平坦な軌道跡が残っている。鞍部近くで仕事をしていた人たちはこれをたどっているようだ。 2009年の写真にある切通しで右岸の軌道は終わりとなる。 そのときは気がつかなかったが、ここから左岸へ軌道が移っていた。
上部軌道は左岸に移動愛しの源流碑

ここも明確だが、谷との出会い部分はやはり流されている。しかし、山仕事の人たちが なんとか歩けるように補修している。 しかし、この左岸の上部軌道も『H’』で終わっていた。 谷底からはずいぶんと標高があるので材木はここから インクラで川岸まで下ろしたのだろう。山仕事の人は ジグザグなソマ道を作っていて、我々もそれで降りる。
橋桁を乗り越えて

降りた下流に例の源流碑がある・・・・・・・。
2009年2012年

橋桁だけが残っているポイントを通過するときれいに整地された林道と変身していて驚く(2009年のときはそれなりに 荒れていた)。駐車ポイントには14時40分だった。

今回の赤西山の地図は こちら(約135k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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