東山〜鳴滝山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『氷ノ山』を参照していただくようお願いいたします。

2011. 7.31.  日曜日  晴れ  気温 あづ〜い

東山(とうせんと呼ぶ、正式には東仙)は激ヤブとして知られ、 中国地方で1〜2を争う手強い山だと言われており、どうやって登ろうかと思案している間にいつのまにか笹を刈り込んだ道が 出来たという。 そこでちょうど一年前の 2010年の8月 に初登頂したのだがいかにもあっけなかった。どうせ登るなら激ヤブの時にチャレンジしてみたかった。 と思っても後の祭りとはこのこと。

宝引山の翌週をどこにしようかと考えているとTQFさんから提案されたのが今回の縦走。 東山から鳴滝山まではまず激ヤブに違いなく、願ってもない?コースだ。 そうなるとOAPさんにも参加してもらわなくてはならない。 登山口と下山ポイントがアプローチ的に離れているので2台の車で智頭町を目指す。

登山口から作業林道方向を見る

なんやかんやで鳴滝山の下山ポイントに車を置いたのは9時20分。ここから智頭と若桜の境界となる『おおたわ』へ 向かう。道の途中に何度も目にする看板がある。『森林セラピーロード 芦津渓谷駐車場へ○○km』 初めて目にするのでなんのことかと思っていたら、芦津ダム周辺の遊歩道をこう命名して人を集めようということらしい。 災難だったのは、今日がそのお披露目というわけで我々一般のハイカーの車は進入禁止という。 すったもんだのあげく、おおたわに着いて登り始めたのは10時35分。
登山口から急登りが続く最初のピークに着

登山口からいきなりの急登りとなる。気温はそこそこ低いのだが登りのおかげで汗びっしょり。 前回にはなかった国土調査の杭とテープが目に付く。そのために前回とは違うルートになっている 箇所もあった。OAPさん曰く、この国調が山頂から鳴滝方向に続いているようならラッキーな ことになるかも・・・と。
しっかりとした切り開きを行く頂上手前に後ろを振り返る

最初のピークを過ぎると高低差はあまり大きくない。切り開きは明確でポキポキと 枯れた竹を踏みながら進む。ほんとうなら展望もあるのだが、ガスが漂っているので 展望はほとんどない。去年無かった若桜の糸白見からの登山道と合流するともうそこは 頂上だ。11時20分。三等三角点、標高1388.0m。
木に優しい標識だと思いきや標識の上からばっさりと!!

山頂は大きく様変わりしていた。三角点の横にあったブナには『東山』標識がその幹に 巻かれている。それは針金では無くてスプリングなので幹にはとっても優しいのだった。 が!なんということか、そのブナは標識から上がばっさりと切り取られているのだ。

国調が計測作業の邪魔になるからと切ったのなら、切りやすい高さ(たとえばヘソぐらいの高さ)で切るはずだが、 これは2mを越える位置で切られている。どうやってチェーンソーを操作したのかわからないような位置である。 つまり、わざとこの位置で切り倒して、このブナを標柱にしてしまおうと意図的に行われた悪意に満ちた行為だ。

そのくせ幹にはスプリングで標識を取り付けたりしていて、自然をそっとしておきたいと思うハイカーの 気持ちを逆なでしている。と、怒りで頭が熱くなってきたが、実際木陰がまったく無いので 気温はそこそこでも直射日光で暑く、自然に頭は熱くなるのだった!

山頂から道は無い?ちょっと進んで後ろを振り返る

11時50分、いよいよ鳴滝山へ縦走を開始。東山登山口でぐうぜん出会ったご夫婦がいたのだが、 この時ようやく山頂へ到着。我々がヤブに突入するのを別になんの違和感も無く見ていた。 私は長袖のシャツを着て厳重装備。

OAPさんが言っていたような国調の切り開きはまったく無い。ちょっと進んで後ろを振り返ると 東山の山頂が・・・。「このアングルで山頂を見るのはめったに無いよなあ」なんてのんびりしたこと 言っているが、引き返すなら今が最後のチャンス。

激やぶ突入!!前に進めても横には行けません

地図の『C』エリアが今回一番の激ヤブ地帯だった。急下りのヤブは体験したものしか わからない危険がある。1m左に寄ったとして、前進しながら1m右に戻ろうとしても笹藪がそうはさせて くれないのだ。しかたなく後戻りしながら方向を修正する。何度も転んでようやく先頭を行くTQFさんの姿が見えた。
あの植林帯に入りたい!!予想通り植林の中は快適

激ヤブの向こうに植林帯が見えた。さすがにTQFさんはそれがわかっていて植林帯へ逃げ込む。 予想通りその中はヤブではなかった。ほっと一安心する三人。 最低鞍部の『D』には13時07分。ここもヤブだがさきほどのヤブに比べたら楽勝モードだ。 オオタワへの林道の途中に『東仙宿舎』と呼ばれる古い山小屋があるのだが、昔はそこから『あ』、 『D』を経て東山とか鳴滝山へ登ったハイカーもいたと思われる。
最低鞍部からちょっと登った地点。ブナの広場
尾根道が快適なら最高のルートだ秋も良いかも

最低鞍部からもちょっとしたヤブは続くものの周囲はブナ林だ。ブナ広場を過ぎると 尾根は細くなる。右下を見ると若桜の糸白見林道が見える。MTBに乗り始めた頃この林道を 終点まで走ったことがあるのを思い出す。さらに氷ノ山スキー場のゲレンデやらつくよねの 谷も見えたりする。

やがて行く手に鳴滝のピークが見えてきた。ピークが見えると「よし、行けるぞ」という 現実味が増してくる。 各自ハンディGPSを持っているのであと○○mと具体的な数字もわかるので 失い駆けた気力を奮い立たせる。

鳴滝山に到着

ヤブから飛び出すように鳴滝山の頂上に到着する。14時48分。三等三角点、標高1287.3m。 一時はどうなるかと思ったがなんとか縦走が出来た。三人とも全身ドロドロだが 達成感で気持ちは高ぶっている?

東山とは 標高差100mほどしかないのでヤブさえ無ければほんとは楽勝なコースだ。 そんなことを言っていると、ほんとに登山道が出来てしまうのが昨今の登山事情? 数年後には子供でも歩けるようになっているかも。

明確な切り開きがある笹が無くなった所から左へ

頂上は切り開かれていて展望は無いがゆっくりできるスペースはある。ここからの下山道は OAPさん、TQFさんが去年歩いているので安心だ。どこから続いているのかわからないが しっかりとした登山道が存在している。笹が左右にあって真ん中が切り開かれている。 それが植林帯になって途切れる所から左に曲がるのだそうだ。(ちなみに登山道はさらに稜線上に続いている)
谷に降りるどんどん谷を下る

ほんとは地形図上にある点線ルートを辿りたかったそうだが、それは今は存在していないような感じ。 下っている支尾根は最後のあたりが急激な下りになるので、右にちょっと流されるように下って谷に降りる。 15時15分。 あとはひたすら下っていくのみ。途中には炭焼き窯跡などもあるので、かっては点線ルートは存在したのかも。
駐車ポイントに着

駐車ポイントには15時35分。登るのが遅かったのもあったし、 もう1時間余計に掛かるようならあせりも出てくるだろうが、まあまあこんなもんだろう。 さらに冒険をしたい人には綾木峠まで歩いてみるのもおもしろいかも。

今回の東山〜鳴滝山の地図は こちら(約190k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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