法道寺山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。

2011. 4.10.  日曜日  晴れ  気温 ふつう

2等三角点のピークハントをしているYSさんから依頼で生野の法道寺山に登ることになった。 生野の山なら作畑ガールとジローさんにもぜひ参加してもらいたい。奥銀谷の子供たちも 来るかもしれないということだったが、実際は大人だけになってちょっと残念。
岩屋不動滝への遊歩道小滝を見ながら歩く

鷲原寺の駐車場を9時半過ぎにスタート。岩屋観音堂と不動滝との分岐にある駐車場には車が1台止まっていた。 たぶん行者岳に登っているのだろう。行者岳は岩屋観音からだとピストンになるので、不動滝から登って、周回する 去年のコース がおすすめです。
木橋にはトタンがかぶせられている石組みの道

いくつかの木橋がある。水気でぬめったりすると滑りやすくてかえって危険なのだが、ここのは表面に トタンが張られていてそういう心配はない。ただ歩くとボコボコと気味の悪い音がする。
不動滝に到着ずいぶんと高い。水量が無いのが残念

不動滝には10時10分着。ここの所の晴れ続きで水量は少なくて岩盤を濡らしている程度。 この先に見たい所があったのだが、この水量だとダメかもしれない。
炭焼き跡の平坦地から左へここが分岐だ。黄色は去年のルート

不動滝からあるソマ道で炭焼き窯跡の平坦地に着く。 その左手10mほどが分岐になっている(正確には三分岐)。黄色は去年に使ったルートで、 尾根にダイレクトに登るが、その激登り斜度はハンパではない。今回は白いルートで 山腹を巻きつつ緩やかに分水嶺に乗るつもりだが・・・。
快適な道です伏流水の滝?

高度はまだ低いが、方向的には法道寺山に向かいつつある。その途中にはおもしろい所がある。 現在歩いているソマ道から見えるのだが、ちょっと下から水がわき出ており、そこからは 10mほどの滝になって流れ落ちているのだった。ただ、水量がまったく無いので 下まで降りて滝を見る気にもなれずそのまま通過する。
道が不明瞭になり、斜面をよじ登るやがて道が現れて無事に稜線に乗れた

以前、単独で来たときに道が不明瞭になった地点で周囲を探索するが、やはりこの辺で道わからなくなってしまう。 地図の『F』地点からは明らかな道が下っているので、ほんとなら、それに続く道があってしかるべきなのだが・・・。 仕方がないのでだいたいの見当をつけて斜面をよじ登ることにする。           

すると突然といった感じで道が復活する。それをたどると思ったとおり、地図の『F』に到着。11時25分。 あの不明瞭なエリアさえなければ良い登山道なのだが・・・。神戸製鋼山岳部の古いレポートにもこのルートを使って 法道寺山から不動滝に下ったというくだりがあるのだ。

頂上手前から行者岳方向が見える

さーて、中央分水嶺に乗りました。今、我々は日本の背骨を歩いています。2等三角点のある標高806.5mの法道寺山には 11時47分。計算どおりにお昼に着きましたのでお昼にしましょう。

ジローさんによると、この山は生野にとって重要?な意味があるという。標高をよく見てください。四捨五入した807という 数字は生野銀山が開坑した807年と同じ。(えらいこじつけですけど・・・)

怪しい儀式リコーダーコンサート

法道寺山はダムに沈んだ上生野(こうじくの)集落にあった法道寺に由来した山名である。 そしてその法道寺は当然ながら法道仙人開基のお寺です。ジローさんと作畑ガールは法道仙人が 天竺から鉢を携えて日本にやってきたという故事にのっとって?リンと妙鉢で怪しげな音を発している。 その儀式が終了して、こんどはリコーダーとアンデスとの競演。ほんとは子供たちもやってくるというので 1曲だけ仕込んでいたのだ。
銀山湖も見える分水嶺を歩く

12時40分再スタート。しばらくは植林の暗い尾根を歩く。徐々に雑木が現れて、銀山湖側にたおやかな 谷の源頭、北の観音川方向にはタムシバの白い花が現れる。
テンション高いジローさん四等三角点からムスビ山が見える

途中、タイミング良く開けた所から竹原野やら奥銀谷の家並みが見えた。とたんにジローさんのテンションは 最高潮となる。自分の歩いている所が日本アルプスにも通じる列島の背骨であるということ。 また足元にはまだ人知れず銀の鉱脈が眠っているかもしれず。さらには法道仙人が鉱脈を探して ここを歩いていたかもしれず・・・。生野人の血がたぎるのか。
指さし道標を見る観音道と彫られている

新設の四等三角点を過ぎていよいよ内山寺から鷲原寺を結ぶ『かんのん道』に合流する。14時10分。 ここからだとすぐにでも下山完了なのだが、やまあそ隊はもうちょっと遊ぶのだ。 まずは内山寺方向にちょっと下って指さし道標を見る。

しげしげと眺めるが、ある種の結論が出た。北方向を指した右手と『くこんのん道』は経年劣化も無く はっきりと読みとれるが、その横には『左』、『右』とぎこちない彫り文字が見える。 初めて見たときはその下に何かの文字があるように(というか、あってしかるべきだという思いこみ)思ったのだが、 どうもそれは初めから無いように見えるのだ。

要は、誰かが右と左という文字を彫って、その下にもなんらかの文字を彫ろうとした、 あるいは彫ったものの技術が稚拙だったので読みとれなくなってしまった・・・。 右と左と言う文字の彫りの深さ、文字の太さなど見ているとそう感じてしまう。

かんのん道を行く目の前のピークがムスビ山だ

ムスビ山はピークとも言えないような小さな突起だ。そこだけ赤い土になにやら鉱物のような石が露出していて 他とはあきらかに違っている。桜の木があって展望も良く最後の休憩地にはぴったしだ。 記念撮影をしていよいよ石仏が点在するクヌギの斜面へ突入。
落ち葉に足が埋もれそう倒れた石仏を直しながら下る

どういうわけかほとんどの石仏が倒れていた。ジローさんがそれらを直していく。 今、歩いている道は内山寺から鷲原寺へ通じる『かんのん道』。これは岩屋観音堂へ向かうという意味で 『かんのん道』と名付けられている。そしてそこにある石仏群は四国八十八カ所の仏たち(と思いこんでいた)。 したがって観音だけではなくそれぞれの霊場に合致した如来像も当然ある。
謎の11番石仏谷は倒木多し!

ところが新町のNさんの調査ではその霊場に当てはまらない石仏もあるという。 たとえばこの11番。四国霊場のものならこれは薬師如来であるべきものだ。 が、これは右手が施無畏印で左手には未開敷蓮華なのでどうみても聖観音だと思う。 あるいはいろんな地域から銀山へ鉱夫として来ていることから別の地域にある札所の仏かもしれない。 (ちなみに中国三十三観音霊場の十一番が聖観音である)

くぬぎの斜面から谷に降りると倒木が多くて歩きにくい。跨いだり乗り越えたりでなんとか観音川に出た。 駐車場には15時25分。何度か歩いたルートだったが単独とは違い、またいろんな発見やらが あって、意義のある山遊びでした。

今回の法道寺山の地図は こちら(約190k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


ホームにもどる