東仙(とうせん)

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『郷原』、『岩屋堂』を参照していただくようお願いいたします。

2010. 8. 1.  日曜日  曇り後晴れ  気温むし暑い
この山のことを知ったてからかれこれ20年ぐらいなるだろうか。MTBに出会ってしばらくして購入した山のガイド本に載っていた のだった。当時、 MTBは買ったもののどこを走っていいのかわからない。そこで自転車でも走れそうな緩やかな林道を探した。 見つけたのが鳥取県智頭町にある芦津渓谷にある沖の山林道だった。

三滝ダムに車を止めてそこからMTBでオオダワへ向かうのだった。 そのオオダワから大きくみえるのがこの東仙だったのだ。

土曜日にOAP、TQFのお二人からお誘いをもらったのだが、都合がつかずに今日単独で登ることにした。 東仙の登山口であるオオダワまでは、その当時を懐かしむ意味もあって 智頭町から車を進めることにする。佐用から鳥取道ができたおかげでずいぶんと早く智頭に着くことができた。 そこで町の真ん中にある役場を訪れてみる。日曜日のために図書館だけが開いていて、そこの館長さんとお話をする。 駅前には『智頭町総合案内所』なるものもできていて観光パンフもいただく。

引き返すようにして芦津渓谷への分岐を進む。1kほどで小学校がある。ここには森林鉄道の 動車と貨車が展示されているのです。三菱製のディーゼルエンジンを搭載した立派な動車だった。 大正11年に軌道が敷設された当時は牛が引っ張っていたという。その後は蒸気機関車となり、最終は このディーゼルとなったのだろう。それも昭和42年に廃止になったと消えかかった看板に書いていた。
山菜料理の『みたき園』トンネル手前から遊歩道が始まる

何度か食べに行ったことのある『みたき園』を過ぎ、グネグネと林道を進んでいき、『沖ノ山トンネル』の手前で 一旦停止。左手にある道は前述の軌道跡を遊歩道にしたものだ。ここもMTBで走ったことがある。 トンネルを抜けるとほぼ一車線の舗装林道なので対向車が来るとやっかいだ。

9時過ぎという早い時間にもかかわらず、ほんとに対向車がやってきた。 対向車をかわすとダム湖に着く。この横手にある遊歩道が先ほどのトンネル横に通じているのだ。 昔はなかったきれいなトイレ横からは渓流の遊歩道がある。それを過ぎてさらに林道を行く。

三滝ダム湖東仙宿舎

最初の分岐を左にとる。昔はここから未舗装だったのだが、現在は全舗装となっている。 ここも沖ノ山林道だが、県道72号でもある。ゆるやかな登りは昔通りで、ここをMTBで 走ったかと思うと感慨深い。やがて平坦になると東仙宿舎がある。

初めて見たときはもっとボロ小屋だったが立て替えられているようだった。看板にはこうある。 『この周辺の森林は、芦津財産区有林で、この建物は、これらの森林を管理するために昭和32年10月に 建てられたものですが、かつては東仙や鳴滝山への登山や、吉川越えをする人々の 休憩所としても利用されていました』 実際にここを利用した山屋さんもいたそうで、こういう所を彼らは『ホテル』と呼ぶそうです。

ここから東仙へ延びている林道もMTBで走ったこともあるし、『い』から南に延びる林道も 途中まで走ったことがある。今思えばずいぶんと遊んだ山域だった。 オオダワには10時ジャスト着。 ここから真南にある若杉原生林までも自然歩道があって、ここもまたMTBで 狩谷山 を経て縦走したことがある。

オオダワからちょっと東仙側に入ったところに駐車。登山口は見えている

オオダワから東仙方向に向かって未舗装の林道がある。ここもまたMTBで走ったことがあり、 どこかに登山できるような取り付きが無いものか探索したのはいつの頃だったか・・・。 オオダワよりちょっと入った所にスペースがあったのでそこに駐車。稜線方向を見ると あきらかに登山口とわかるポイントがあった。10時05分スタート。
右植林、左雑木生命のオブジェ
地面はこんな感じブナ通り

昨日登ったTQFさんから聞いたとおり稜線上には刈り込まれた道がある。 実は20年前のガイド本もここを登っていて、最初のうちは踏み跡があると書かれている。 右は植林で若桜町、左は雑木で智頭町。だれがなんのために刈り込んだのか不明である。 国土調査ならそのテープがあちこちにぶら下がっているはずだし、登山道として整備されたのなら なんらかの案内板もあってしかるべし。それらが何もなくただただ頂上へ向かって刈り込まれている。 MTBで下ってみようかとも思ったが、竹の切り株がひどいというので歩きにしたが、地面を見て 歩きが正解だったと知る。
ルンルン♪もうすぐ頂上

東仙の頂上には11時05分、ちょうど1時間掛かったことになる。これが 昔どおりの笹藪だったらどれほど掛かるのか予想すらできません。 三等三角点、標高1388.0m。点名は『藤仙山』となっている。中国山地では四位を誇る標高だが、オオダワから登ったためか さほどの高度感は無い。登り口のオオダワもすぐそこに見えていた。

楽に登ることができた切り開きの道は頂上で終わっていた。登山道として整備されたのであれば、この先にある鳴滝山から 綾木峠まで延びてくれればありがたいのだが・・・。 頂上は半径数mに渡ってササが切り開かれているので圧迫感は無い。 地籍調査なら三角点の横にあるブナは切り倒されているはず。

東仙頂上傷だらけ

三角点の横にあるブナの幹には落書きがひどい。落書きというか、鋭いナイフのようなもので それこそ10を越えるような彫り込みがある。『19○○年○月 だれそれ』と言ったたぐいの 知性のかけらもない無意味な落書きばかりだ。 こんな山に登るからにはそれなりのスキルのあるハイカーだと思うのだが、 おつむの方はアメーバー以下のようで情けないばかりである。 こんな奴らでも「ブナは良いよねえ〜」なんてほざいているのだろうか。
今日の展望はいまいちだった

天気は現状は悪くないようにも見えるが雲の流れ方によっては夕立の可能性もある。 展望も空気が澄んでいればすばらしいのだが、肉眼でも遠望が無い状態なので写真だとさらに良くない。 すぐ正面にある沖の山の頂上はガスに隠れていた。 食事を済ませてオカリナも吹いて下山をする。11時50分。
ゆっくり下山熊はいませんでした

TQFさんから熊はいないと聞かされていたが、念のために鈴は二つほど用意してました。 結果は無用でしたが、熊がいてもおかしくない野性味ある山であることには間違いありません。 ゆっくり下って12時35分駐車ポイント。
駐車ポイントが見えた

今回の東仙の地図は こちら(約140k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


ホームにもどる