男滝山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『林野』、『上月』を参照していただくようお願いいたします。

2010. 4. 4.  日曜日  晴れ  気温あったか
山歩きならともかく、MTBでの山行きはいつも苦労させられます。 登りはともかく下りは乗れないと意味が無い。それを地形図の等高線だけで判断して 行き場所を決めなければいけないのですから・・・。 当然、当たり外れもあってそのつど同行のM氏と責任のなすりつけあいをするのですが、 今回ばかりは大当たりのコースでした。

とりあえずこの山以外に3つほどのコースを考えたのですが、当日の朝にM氏と 相談の上ここに決定する。この男滝山は 岡山の作東町と吉永町の境界に位置する三角点ピークだ。 遠いように思えるが上郡からだとすぐの距離。その道中に『女滝』、『男滝』があるので 滝見物もできます。

それを期待して車を走らせていると目の前に『全面通行禁止』の立て札が現れた。 去年の大雨の後遺症を心配していたのだが、どうやらその心配が現実となっていた。 とりあえず車を駐車して9時半スタート。MTBにまたがって進んでいくと すぐに土砂が道をふさいでいた。車の通行は無理だがMTBには問題ない。 そしてそこが『女滝』(落差6.6m)だった。

『女滝』で土砂崩れあり女滝を見る

準備に手間取っていたM氏もおっつけ現れて滝見を済ませて前進を続ける。 次に現れたのが『白滝池』といういわゆる人工湖で昭和16年に完成した農業用のため池と 言ってもいいかもしれない。総工費は65000円とあった。 M氏は興味が無いらしくさっさと進んで行き姿が見えなくなる。
白滝池男滝

あわてて追いかけると男滝で待っていてくれた。 本来ならこの周辺で駐車をするつもりだった。当然だが ここには1台の車も無く人間も我々だけだ。 ここは階段で谷に下りていくと 滝が真っ正面となり、東屋で休憩もできるようになっている。 落差12mでまあまあの水量もあった。 この二つの滝を総称して『白水の滝』とも言うそうだ。 滝からの冷気でクールダウンできて再スタート。

さて、ここからいよいよ未舗装の林道となる。 大きな地図の看板があって、先ほどからの道は中国自然歩道だと記載されている。 当初の計画ではこの林道を詰めると峠になるのでその峠から男滝山への稜線へ 取り付こうというつもりだ。この林道が自然歩道だというので楽に行けるかと ちょっと期待するが・・・。

倒木をくぐり抜ける巡視路の入り口を確認

舗装路同様にこの林道も荒れていた。いたる所で倒木があって、またいだり、 横に避けたり、あるいは下をくぐったりとつまらぬことで体力を消耗するはめになる。 そんなことも予想して、別の進入口も考えていた。それは峠までの途中にある 送電線巡視路の入り口だ。樹間から見えるはずの頭上の送電線を探しながら前進する。 すると送電線がちょうど真上にある所に巡視路の入り口もあった。 ここで小憩。

ここから登っても良かったのだが、この先の倒木もそれほどでもなさそうだし、時間の余裕もあるので 峠まで行こうという積極的な意見で一致する。 その峠には10時50分着。

峠に着きました。左手に石碑。右手に道あり!!

この峠を越えると八塔寺山へ行けるらしい。向こうを覗くと落ち葉サクサクの よさげな道が下っていてよだれが落ちそうになる。峠の左手には 『官業造林記念碑』なる石碑があった。昭和32年から36年施行とある。 そして右手にはおあつらえ向きな道があった。 二人して喜々として登り始めると・・・。
幅広でオフロードバイクの轍あり稜線に出ました
登り初めて驚いた。傾斜は急なのだが、めちゃ幅広の林道のような道がそこにはあった。 そこにはオフロードバイクの轍があった。しかしよくよく観察すると、轍はそうとうに古くて 最近は走っている様子がない。想像すると、男滝からの林道は倒木でふさがれているし、 峠の向こうはたぶんゲートができていてバイクの進入ができないでいるのだろう。 これは山にとってもラッキーだし、我々にとっても好都合というものだ。
稜線から南方向の展望

ヒーヒー言いながら登り切るとそこには大展望があった。 正面、つまり南方向がまる見えるのだ。この稜線に沿った 斜面を伐採しているためだ。それが410ピークまで続いている。 谷にある林道も一部が見えていて、重機がなにやら作業をしている音が聞こえてくる。 肝心の稜線はジープロードのようでM氏は奇声をあげて走り始める。
南側が伐採されている開放感あふれる尾根道

アップダウンがきつい!!しかも下りと登りの斜面にはオフロードバイクの 馬鹿どもがつけた轍が深い溝になっていて、そこにタイヤがはまり込むと 危険きわまりない。オフロードバイクは急登りでは思いっきりアクセルを吹かせるために タイヤが地面を掘り返してしまい山を傷つけてしまうのだ。
気持ちよい下りオフロードバイクの傷跡
日だまりでお昼男滝山山頂

ジェットコースターのように何度もきついアップダウンがある。まるで 人工的に作られたようで短い距離にもかかわらずヘロヘロになってしまう。 一カ所だけ巻き道でエスケープ。そろそろおなかも減ってきたので 適当な道ばたでひなたぼっこしながら食べる。南東方向に案外展望も良いのだがどこが何の山だか さっぱり・・・。

食後ちょこっと走るだけで男滝山の山頂着。13時ジャスト。標高446.5m。三等三角点。 展望は無い。しかし、ちょっとした驚きに遭遇する。 それは八塔寺山を超えた英田サーキットの爆音がここまで届いていることだった。 「ここでこれだけ聞こえるなら近所の人はうるさいやろなあ」と言うと、「山を越えてよう聞こえてるけど、近所はそうでもないんや」とM氏。 ほんまかいな・・・。

シングルトラック突入乗れる稜線です

この男滝山から吉永町と作東町の境界をそのまま進めば男滝に降りるはず。 男滝ではこの取り付きは確認できなかったが、いまある道の様子からしてたぶん下山は可能であろう。 しかし、地形図ではさらに北上できるように点線ルートが描かれている。 その入り口はあっさりと発見できたので進入してみると・・・。

先ほどまでのジープロード様の幅広道と違ってここからは真性シングルトラックだった。 これぞMTBのためにあるような道だ。しかも登り返すべき2カ所のピークが 巻き道でクリアーできた。そこからも歓声があがるようなすばらしい道が続く。

標柱『136』の先にある分岐ひゃっほー!

MTBにとってはなんともすばらしい稜線シングルトラックだ。もしここを歩くとしたら、展望も無いし周囲の変化も無いしで ハイカー的にはおもしろみのない道だ。 標柱『136』で右に方向が変わる。うっそうとした手入れのされていない植林帯だが どういうわけか倒木もほとんど無く気持ちよく走れる。わかりにくい分岐を右にとると そろそろ終点という雰囲気がして来る。
作業道に出た林道を走る

谷にある作業道に降りた。13時45分。目の前には伐採された支尾根がある。 それまでは極楽ルートだったが、作業道に 出会う付近は道悪で乗れない。従って後ろを振り返ってみても道には見えないし、 マーキングは皆無だし、逆コースでここから登るだなんてまず判らないだろう。

作業道から林道となり下るスピードもアップする。やがて舗装路と合流する。 駐車ポイントよりわずかに下流の所だ。13時55分。 なんともすばらしいコースだった。前半は峠までの未舗装林道の登り (倒木が無ければ峠まで乗れる)。中盤はジープロード風のアップダウンはきついが 展望の稜線。うってかわって後半は樹林の中を疾走できる真性シングルトラックだった。

今回の男滝山の地図は こちら(約120k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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