妙見山〜比延峠

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『谷川』を参照していただくようお願いいたします。

2010.12.19.  日曜日  晴れ  気温 ふつう

先週は権現修験道のチャレンジ第一弾でしたが、雨のために白山と妙見山をチョロチョロと 歩いただけで終わってしまいました。今回こそは当初予定の比延峠まで歩くつもりです。 とりあえず前回と同じ登りルートではおもしろくないので、今回は門柳の住吉神社から妙見山を目指します。
門柳住吉神社がスタート少しだけ林道を歩く

住吉神社の鳥居前に車を止めようとしましたが、一段上の広場(ゲートボール場?)にも駐車場があったので そこに止めて8時45分スタート。公式ルートは神社裏からある点線ルートではなく、神社の西の墓地の真ん中を通過する 林道がそれらしい。電撃柵を抜けて直進すると『妙見堂1800m』の標識で右折れとなる。
TQFさんの示すのは白山シダ地獄だ〜

谷の細い道をしばらく歩いて尾根に取り付く。少し高度を上げた地点で先週の白山が見えるポイントがあった。 西を見ると雲海がある。急いで頂上へ行くとまだ残っているかもしれません。急ぎましょう。 一カ所、すごくきれいな石畳のところが10mほどあった。妙見堂への参道の名残だろうか? などと思っているとシダ地獄となる・・・。シダ地獄の距離はけっこう長くて朝露でスパッツ上から腰付近までびしょびしょになる。

シダ地獄が終わってまもなく『つえたて』になろうかという所で『かぎかけ岩』に到着。 『かぎかけ』、『かんかけ』、『神懸け』、『鍵懸』・・・いろいろと名前はあるが、山仕事の人たちが 安全と恵みを呼び込むために 三つ又の枝を投げて木にひっかけたのが始まりと言う。(子供の頃神社の鳥居に石を投げて乗せたのと似た感じ?) 現在でも山の中で縄にぶらさがった何十ものかんかけの枝を見ることがある。

かぎかけ岩つえたてに杖を立てる

これは岩だから小石を乗せていたのかもしれない。『かぎかけ岩』を越えるとすぐに『つえたて』分岐だ。 9持48分。 そのまま先週同様に妙見堂へ向かう。
妙見堂再訪

中を覗いてみたがなんにも見えないのでそのまま山腹の道を突き進んで『まばお』を目指す。 昔、このルートもMTBで走ったのだが記憶はすっかり無くなっていて、今回も初めて歩くような 新鮮な気持ちで歩けた。
まばおから見た雲海。正面の大きな山は三角点山

『まばお』には10時ジャスト。雲海はまだ残っていた。先週の白山からだと さらにすごい展望が期待できるのだが、ここもそれなりにすごかった。 標高は低いが丹波特有の霧が生んだ奇跡の光景といえる。行者たちもきっと同じものを 見ながら歩いたのだろう。

いよいよ『テンロク』への縦走開始だ。黒田庄と山南町との境界尾根を歩くので基本的にヤブは無い。 まずは気になっていた地図の『F』にある点線の道が横切っている鞍部に到着。10時25分。 しかし、黒田庄側にうっすらと踏み跡があるものの、地形図にあるような明確な道は無い。

四等三角点、点名『平石』この右手に下る道があった

鞍部から登り返した小ピークには尾根を遮るような岩があった。なんらかの祭事の場所ではないかと 周囲を見るが単なる岩場だった。次のピークは 標高487.2m、四等三角点の金属標のある点名『平石』だ。 実は妙見からテンロクまでの間に金剛童子という場所があるらしく、それに該当するような所を 探しながら歩いていたのだ。

金剛童子とは違うが地図の『H』の鞍部(タジワラ峠)で黒田庄側に下る明確な道を発見。見える限りしっかりとした 道だったのでどこに下りているのか興味あり。 ここからゆるやかに登りが続き、途中にはちょっとしたいばらの ポイントもあるが気が付けば三角点のある山頂に到着。

標高620.1m、三等三角点。11時15分。 点名はどういう訳か、先ほどあった四等三角点とまったく同じ『平石』だ。 そして山名だが多田繁次氏によると『天徳山』、慶佐治盛一氏は『テンロク』と言っていたように記憶している。 これはどちらも山南町側の呼び名で、黒田庄側では門柳山と聞いたことがある。 実はつい最近サントリーと黒田庄が『天然水の森 ひょうご西脇門柳山』として協定を結んでいるのでした。 これも山名の傍証となりうるでしょうか。

テンロク山頂様変わりした大樅峠

まばおからここまで展望はほとんど無いに等しかった。何か見所があればメジャーなルートになると思う。 とりあえず先は長いので大樅峠へ急ぐ。峠への分岐はマーキングがあるので楽勝だったが 下りの斜面が荒れていて滑り落ちるように下るのだった。峠は大規模に伐採され、新設の林道もできていた。 昔の面影はまったく無い。 11時40分。
峠から黒田庄を見る

空腹だが、ここから登り返したピークで食事をしようと言うことに。テンロクからの下り斜面は荒れていたが、 こちらの登りは道もあって案外楽だった。ピーク手前に大呂峠への分岐があり、道標も設置されていた。 分岐から少し南に登ると標高600+mのピークがある。
ササワラ大呂峠へ。正面は高山

展望は無いがここから東へ進むと杉原山から 三角点山への縦走も可能だ。黒田庄から見ると大樅峠の最低鞍部をはさんで、テンロクと同じような標高のこの ピークが双子のように並んでいる姿が美しいのだった。ちなみに黒田庄で聞いた名前は『ササワラ』という 名前だった。

12時35分食事を終えて再スタート。大呂峠への分岐から東方向へ西脇市と山南町の境界を歩く。 右手にある鹿よけネットに沿って進むのだが、けっこうヤブっている。それでも西脇のFさんが刈り込んでくれているので なんとか通過できる。ネットの向こうに見えるのは高山だがずいぶんと距離があり、名前の通り高く見える。 ここで篠山市街を走行中のIRC(母たぬき)さんと無線が繋がる。

大呂峠峠の風景

大呂峠には13時05分。以前にも書いたが大呂とは『才口(賽口、在口など)』と本来漢字だったものが いつしかカタカナに見立てられ『オロ』となり、それが再度漢字化されて『大呂(大路、小呂)』などと 変化していったと想像される。古人(いにしえびと)たちの言葉遊びなのかもしれないし、あるいは文字を変化させて 呪(しゅ)の力を持たせようとしたのかも・・・。。

そしていつもと変わらず迎えてくれるのは『南向き地蔵』と標識にある石仏だ。南向けに置かれているのは それが谷川(山南町側)が施主ということで、石仏の背後に自らの村があるように配置して、いわゆる塞の神としての役目があったのかと思われる。 このことからも大呂(村の入り口)と名付けられた理由がわかったような気がする。

高山への激登り高山山頂着

とんがりさんと次回歩く予定の西光山寺への稜線

妙見への登りと、ササワラへの登り、そしていよいよ高山への登りが始まる。 わかってはいたがこれが今回一番つらかった。TQFさんはさっさと登って山頂で待っていてくれるのだった。 四等三角点、標高659.9mには13時50分。ペースとしては悪くない。ここでコーヒーと甘いもので エネルギーを補充。さあ、猿薮へがんばるぞ。
ケヤキ峠と猿薮との分岐猿薮手前の鞍部

けやき峠と猿薮との分岐は標識もあってわかりやすかった。 高山からの下りも、登りとは格段に楽で「あれ?こんなにゆるやかやったっけ?」と 思うほどだった。ゆるく穏やかな鞍部からまたもや猿薮への急登りになる。 標高が低い分、高山の登りよりは短時間で楽に登れる。さっき食べたおまんじゅうのおかげもあるかも。 標高591m、三角点無しの山頂には14時30分。
猿薮にいた猿?白髪方面を見る

この季節のこの時間になると太陽はもう沈みかけている。高山方向を見ると 黒いシルエットだけしかわからない。反対方向を見ると順光のおかげで白髪岳がくっきりと 見える。さらに篠山の市街地も見えていた。いい感じだ。
猿薮からの下りは命がけだ最後の鞍部には左右に道あり

いままであった赤い木片の標識もここから先は無い。つまりほとんどのハイカーはここからUターンで 引き返しているにほかならない。我々は比延峠まで行くべく激下りの斜面を駆け下るのだった。 なんとか怪我もなく下りきった鞍部には左右に明確な道がある。昔、ここから右に下ったことがあり、 この先にある平石山は未踏でしたが、今回初めて登るので楽しみだ。
天狗岩その1天狗岩その2

緩い斜面を登っているといきなり二つの大岩が行く手を遮る。TQFさんがよじ登ってみたが、 向こうに下りることはできないと言う。大岩の右手を巻くと先に進めそうだ。ちなみに大柿さんの レポートにはここは『天狗岩』とあった。(住吉では同上岩と言う)なるほど、いかにも行場にふさわしいポイントだ。 天狗岩を巻きながら右手を見ると覗きの行場に使えそうな岩場もあった。
平石山比延峠へ下る

もうちょっと時間があれば天狗岩周辺で遊んでみたかったが先を急ぐ。ゆるゆると登って 四等三角点(Uコードチップあり)、標高542.5mの平石山には15時15分。ここまでにあった三角点の二つは点名が 平石で、ここは平石山という山名で混乱しそうだ。そしてここの点名は『消防山』で、こちらのほうが おもしろい。
比延峠ののり面に立つ

あとはのんびりとクルージング気味に比延峠に向かって下りていく。ちょっとヤブっぽいが 道のあった痕跡もある。比延峠ののり面上には15時35分。今は眼下に道路ができているが 昔はこののり面が道だったかも。『権現修験道を歩く』第二弾は大成功でした。 同行のTQFさんに感謝。さて、第三弾はいつになるやら・・・。

今回の妙見山〜比延峠の地図は こちら(約130k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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