竜王山〜牛の子山〜チンジンさん

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『木津』を参照していただくようお願いいたします。

2009. 1. 4.  日曜日  晴れ  気温ふつう
去年の走り納めから一週間もたたないうちに今度は新春の走り初めだ。 よほど乗れないと新春早々M氏が怒るので久々の北摂詣でとなる。 コースは長谷にある竜王山から時計回りに四分の三周回とする。 ほんとうなら三草山を入れると完全周回になるのだが、 三草山は車両進入禁止(オフロードバイク対象)になっているのでパスする。

今回のルートの中程には干支の山となる『牛の子山』もある。 しかも全線乗れ乗れとなると、これはもう初春にふさわしい?おめでたコースである。 長谷川に沿うようにある道路のスペースに駐車して10時15分スタート。 携帯でサプライズメールがあった。矢問さんもほぼ同じルートを反時計回りで 登るという。タイミングがよければ途中で会えるかもしれません。
ここがスタート地点

集落の道を登っていく。アップ無しでいきなりの登りなので心臓バクバクだ。 ちょっと登った頃から視界には棚田が広がってくる。 長谷はなんと言っても棚田が有名だが今はなにも植わっていないのが寂しい。 何十段にもなる棚田だが、これらの水源はいったいどこにあるのだろうか?

実は三草、竜王の山腹には何百という横穴が掘られている。 それらは『ガマ』と呼ばれており、そこから湧き出てくる水を棚田に 流しているという仕組みになっている。 MTBで登りながらそれらしいものはないかと目をこらしていると、 あるわ、あるわ。いくつもの横穴があった。
長谷で有名な棚田ガマの内部を覗く

大人がはいつくばれば何とか入れるぐらいの穴。中を覗いてみると ずいぶんと奥行きがある。添え木も無いのに崩れていないのは地質が堅いのだろうか? そういえば竜王の西斜面には鉱山跡もあったような記憶がある。
才の神峠

峠の手前で矢問さんから無線が入る。同じ所に駐車をして、そこから ダイレクトにチンジンさんに登って早くも頂上だという。 そこから牛の子はすぐの距離だが、我々はまだ才の神峠なので 牛の子で逢える可能性は低いなあ。

才の神峠には10時50分着。 八本もの道が交差していて江戸前期の道標などもある交通の要所だったらしい。 とうぜん石仏もあるのだが、こんな驚きのコメントが書かれた板きれがあった。 『地域住民や道行く人の信仰の石仏です。もちさった石仏(三基)を返せ』 驚きと怒りがこみ上げてくる。 いつの出来事かは知らないがとんでもない輩がいるものだ。

林道裏山線を行く。先日の雪のために 路面はヌタヌタでタイヤは泥が付着して走りも重い。 スピードを出すと泥はねでリュックも身体もドロドロになるのでスロー走行だ。 最初の分岐『B』にはホダ木?がうずたかく積まれていた。その先に 目的の竜王山への登り口がある。が、標識等は無い。
右に登り口暗い植林でしいたけ栽培

ここからは山頂までは押しと担ぎになる。 最初はまっくらな植林帯。左に鹿避けのネットがあり、中ではホダ木が 積まれていて椎茸の栽培が行われているようだ。 右側の植林の中では罠にかかった鹿がいたそうだが(矢問さんが発見)我々は 気が付かずに通過。
左奥は五月山。中央奥には六甲。右のピークは羽束山

それを過ぎると伐採された跡?の展望地。 北摂マスターなら同定もできるのだろうが、我々がわかるのは少しだけ。 それでも見通せるというのは気持ちの良いものだ。 再度暗い植林帯に入り、上り詰めると岩が現れ始め頂上となる。
竜王山の磐座と祠

竜王山頂上には11時25分着。標高570m、三角点無し。 さて、この山だが、我々は古くから竜王山と呼んでいるのだが、 地形図ではいつのまにか滝王山と表示されている。 古い地形図では竜王山だったのになぜ山名が変わったのだろう?ちなみに 慶佐次盛一氏の著書である『北摂の山』上巻にも竜王山となっているし、『龍天嶽、八大龍王出現の 所なり、一名八大山』と由来も書かれている。 山名が変わった理由を国土地理院にお勤めする優秀な職員に訊ねてみたいものだ。 きっと重大な理由のはず・・・案外単純な誤植だったりして。

頂上の横手には磐座と祠がある。ナイフで切ったように垂直に切り立った側面のある磐座で、 その先端も尖っている。磐座そのものがナイフのようだ。その中程が段になっており、祠が安置されている。 中を見ることは出来ないが前述の八大龍王が祀られているのだろう。 この山腹に『ガマ』がたくさんあることからも、この竜王山の名前の面目躍如と いうところか。
雪上走行?宮峠です

山頂付近には数日前に降った雪がまだ残っている。おかげでグリップはしないし、タイヤは いよいよ重たくなる。それでも下り基調なのでご機嫌だ。 いくつかの小ピークを経て宮峠には11時50分着。矢問さんを無線で呼んでみるが応答がない。 CQを出して交信しているのかも。

宮峠はその東側ちょっと下に八坂神社があることからこの名前になったのだろう。 そういえば次なる目的地である『牛の子山』の山名も奇妙で気になる。 そこでやまあそ流に想像してみる。先ほどの八坂神社の祭神は頭天王(ごずてんのう)である。 そこからほぼ真北(十二支の方位での方向)にあるピークが『牛の子山』だ・・・・。 これ以上は言いませんがなかなかの推理でしょ。(^_^)

宮峠にもいくつかの分岐がある。斜め左上の道を行くのが正解だったが、稜線上を行くべし!と 思いこみ、そちらへ踏み込んでみる。ところが薄い踏み跡でほとんど乗れなかった。 こりゃいかんと思い、左に斜面を降りていき、先ほどのルートに乗る。 やはりこれが正解で乗れ乗れだった。
乗れます稜線を行く

このルート、稜線上にあって非常によく乗れる。途中で左に急な下り分岐があるが、 そちらを行くと西山腹を巻きながら無名峠『E』でこの稜線ルートと交わる。 どちらを行くべきかちょっと迷ったがM氏はさっさと稜線を走っていった。 稜線なので所々でプチ展望もある。右に見えるのは剣尾と横尾だろう。

最後のピークを目の前にしてまたもや悩む。このピークを越えれば無名峠『E』なのだが、 ちょっとヤプっぽい。左に下れば巻き道ルートがあるはずだ。そのまま直進すれば よかったのだが左を行く。まあ、どちらがよかったのかわからないが、無事に 無名峠に着。12時25分。 ここまでで矢問さんに出会わなかったということは牛の子にまだ居るのかな?
無名峠

牛の子山方向にははっきりとした道がある。峠にMTBを置いて行くのかと思ったら M氏は担いで行くと言う。さからうと怖いのでそれに従う。 まっすぐ登るのではなく左に巻きながら、その途中から直登で山頂だ。 (ちなみにこの巻き道を行くと猪名川変電所への峠に降ります) 山頂には矢問さんしかいないと思い、大声で「矢問さ〜ん!矢問さ〜ん!」と吠えながら登る。
矢問さんと牛のポーズで3ショット食事中

四等三角点、標高450.8mの牛の子山には12時30分着。 雑木で展望は無いが広く刈り払われている。当然矢問さんはいたが、それ以外にも 二組のハイカーがいた。ありゃ、大声で叫んだのはひんしゅくものだったなあ・・・。

三人で仲良く集合写真を撮って(上の写真は矢問さん提供)お別れする。 矢問さんは我々とまったく逆にこれから竜王を目指す。 我々はここで昼食だ。丑年にちなんで牛しぐれ弁当だよん。 食事も終わって先ほどの無名峠に戻る。13時15分。
ここが取り付きさあ、極楽だよ〜

東にまっすぐ下っていけば、なんと言うこともないつまらないルートだが、 峠から20mほどの所で左斜面に踏み跡がある。目印としては『76』と書かれた 黄色のプラ杭がある。そこからはよだれが出るようなMTBルートだ。

昔に走ったこともあるが、その後ほとんど訪れる人もないために 倒木やら雑木などで道は埋もれつつあった。それを北摂の落ち武者こと 新川氏が去年末から倒木撤去して道の再生を果たしたのだ。 我々はその走り初めをしているのです。 あ〜、ありがたい。
三草山が見える栗畑通過

最初は稜線上を走るが、途中からある小ピークはパスするように 山腹に道はある。したがってほとんど乗れるということになる。 やがて栗畑に到着する。左を見れば峠のような小さな鞍部があって、 そこを下れば垂水の大日堂へと下ることになる。我々はここから チンジンさんへ登る。

笹藪を迂回して暗い植林帯の最奥が四等三角点、標高335.2mのチンジンさんだ。 山頂を区切るかのように古タイヤが直線上に並べられている。 その数、数百はあるだろう。これって単なる廃タイヤのゴミじゃないの?
チンジンさん頂上道はヌタヌタ

チンジンさんの山名についても考えてみる。たぶん鎮守(ちんじゅ)が変化したか、 鎮守神の守が抜けてちんじんになったかのいずれかだろう。 ちなみに織田さんも同じ考察をされていたので、いつも妄想(丑年だからモ〜ソウ)を言うように思われている やまあそとしては心強い。

山頂から暗い植林の斜面を南に下ると先ほどの続きの道と出合う。 それを引き続き走るのだが、このあたりは新川氏も手を入れていないので 走りにくくなる。道のど真ん中にヌタ場があったり、倒木があったり、しかし乗る!!
再度栗畑を経て・・・

またもや栗畑の中に飛び出る。もう里は目の前だ。 民家の横手をすり抜けるようにして道路に出た。 この辺りの民家はみなさん裏手に栗畑を持っているようです。 駐車ポイントには14時05分。矢問さんはまだ帰ってきていなようです。 今日も中身の濃い遊びが出来ました。今年も一年元気で山遊びがしたいなあ。

今回の竜王山〜牛の子山〜チンジンさんの地図は こちら(約110k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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