殿廻山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『夢前』を参照していただくようお願いいたします。

2009.12.20.  日曜日  曇り  気温寒い
山に行くつもりであったが、早く帰宅しなければならなくなった。 いくつかの候補(先週の太田滝へのリベンジもそのひとつ)があったが、 まだWEBでは誰も登っていないと思われるこの山にしてみた (実際はTAJI&HMさんが登っていた)。 ここだけならたよりないので、その東にある無名の三つの峠もターゲットにする。 それでも早く帰宅出来そうだ。

夢前町馬頭と小畑を結ぶこの三つの峠は、しみけんさんといつか行きましょうと 約束していたのですが、急に決めたので単独での山行きになりそうだ。 と、思っていたらOAPさんと連絡がついて同行してくれることになった。 菅生ダムで待ち合わせてまずは夢前町小畑へ向かう。

小畑と馬頭を結ぶ舗装道路がある。その入り口付近に駐車。 9時17分スタート。すごく寒い。 山の斜面に道路があるのだが、昔は谷に道があったと地形図に書かれている。 その谷を覗くと倒木などで道らしきものは見えない。

隧道手前のお堂中にある石仏

そうこうしていると目の前にお堂が現れる。この横手が旧峠道への入り口になっている。 お堂の中には数体の石仏が大きさにあわせて対称型に並べられていた。 石仏の文字なども見たかったが、お堂は思ったより暗くて肉眼では確認できない。 ここから峠へ行く前に隧道へ行ってみる。
頭上注意の小畑隧道上から見てみる

寒いはずだ。隧道の上部にはつららが垂れ下がっている。その下の路面は滴が 凍ってツルツルだ。つららは恐ろしいほど尖っていて、頭上に落ちれば笑いでは済まされない。 扁額にも氷が張り付いているので文字が読みとれないがたぶん『小畑隧道』とあるのだろう。 この真上が峠のはずなのでお堂に戻って峠道を行く。
第一の峠はヤブジャケツイバラをすり抜ける

峠には9時43分着。小さな峠だった。峠の名前がわからないので、とりあえず第一峠とする。 小畑隧道が出来たのは1965年(昭和40年)なので、それ以前はこの峠が 利用されていたのは間違いない。しかし、今はヤブっぽくて昔の様子をうかがうことは 出来ない。さきほどのお堂の石仏はここにあったのだろうか?

予定ではここから北に登って、さらにある二つの峠を探るつもりです。 しかし、ジャケツイバラの難敵が斜面いっぱいにはびこっており行く手を阻んでいる。 どうやって迂回しようかとよく見ると、山芋摂りのために人がすり抜けられるだけの 空間が刈られていた。点名『山の内』には10時ジャスト。標高489.7m、三等三角点。

第二峠第三峠

展望の無い三角点ピークから北へ12分ほどで第二峠となる。 先ほどの峠より立派な切り通しで側面には石積みの跡もある。 残念ながら石仏、道標のたぐいはなかった。428mの標高点へ登り返して 第三峠には10時30分着。ここは小さな切り通しだった。

小畑から馬頭へ行くには第二、第三峠が便利だが、山之内へ行くには第一峠が便利なのがわかる。 峠の規模として見たら三つとも同じようなものだが、利便性から第一峠だけが隧道化したのかもしれない。 第三峠から下っていくと民家の裏手に出た。そのまま道路に出ると、次の目標である殿廻山が真っ正面に見えた。

第三から黄色ルートで降りて、殿廻山へ登る

第三峠から道路に出ると目の前には伐採の裸尾根がある。 そしてその奥には次なる目的地の殿廻山がそびえている。 計画では違う尾根を登るつもりだったが、実際にこの地に立つと、 登山口にはおあつらえむきの感じだ。傾斜は急だがいっきに標高が稼げるしヤブもなさそうだ。 少し登るだけで 真北にはウリウド、東には禿の行者山などが見える。
稜線に出た良い感じだ

わりとあっけなく稜線に出た。稜線もヤブではなく歩き良さそうな感じだ。 この稜線を北へ3kmほど登っていくとウリウド(馬頭)へ至る。 途中にある798mのピークから左に下っていくと鎌倉岳にも行けるのだ。 時間があれば周回というのもおもしろそうだ。その鎌倉岳のどでかい岩壁が見える。その奥には 黒尾山、視線を左に振れば水剣山もある。
頂上手前は風倒木雪が舞う頂上で食事

山頂周辺は風倒木が多くて迂回しながら山頂に立つ。四等三角点、標高682.4mの 殿廻山には11時45分着。12時を過ぎると思っていたので早い到着だった。 風が冷たく、雪が舞っている。展望も無いので風を避けるために三角点のちょっと下で 食事をする。食後、ちょっと周辺を歩いてみる。実はここには中世の遺跡があると聞いていたのだ (兵庫県の遺跡資料によると・・・)。 古代の遺跡で代表的なのは古墳だが、中世というと砦跡なのか?しかし、それらしいものはなかった。
倒木をまたぎながら・・・谷に下ってしまえ〜

下山コースをどこにするか。504mの標高点を通過して小畑の分校跡に降りる支尾根を下ってみよう。 山頂直下にある風倒木帯は無事に通過できたものの、その先にはジャケツイバラの バリケードがあった。さすがにこれにはかなわないので右の谷にエスケープすることに。 基本、植林帯なのでヤブもなく一気に下ることが出来る。 ソマ道からやがて林道に出る。この山域は人の手もほとんど入ってなく荒れ放題という感じだ。
ソマ道から林道へ小畑の集落が見えてきた

小畑の分校跡を通過して駐車ポイントには13時35分。 期待した遺跡は無かったが、気になっていた峠を三つ、それとハイカーの近寄らない? 殿廻山というレアな山に登れたということで納得しよう。

今回の殿廻山の地図は こちら(約100k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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