はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『扇ノ山』を参照いただくようお願いいたします。 2009. 9.27. 日曜日 晴れ 気温暑い
これまた久しぶりに 扇ノ山にMTB登山をすることになった。しかし、それは新しいルートでもなく、さりとてロングコースでもなく、 畑ヶ平から登るという頂上まで一番短いルートだ。実は今日のメインディッシュは この近くにあるという『沢川森林鉄道』を見ることで、扇ノ山はそのついでという訳です。 さっさと登ってさっさと下る必要からこのコースを選んだのでした。
いつも利用する海上の集落分岐を過ぎて岸田川をさかのぼっていく。
集落とは呼べないような数戸しかない菅原を過ぎ、肥前畑の分岐を過ぎるともう民家はない。
ジグザグの舗装路を延々と上っていく。ええかげん疲れた頃に『猿壷の滝』の標識を見る。
「帰りに寄ろか?」とM氏。そんな時間があるやろか?
標高が1000mを越えるこんな所に大規模な農場がある。 たぶん全部が大根畑だと思う(以前、許可をもらって入ったときはそうだった)。 登山口の手前にある道脇スペースに駐車して10時20分スタート。
深い雪のせいだろうか、鉄製の看板はひしゃげているし、木製のそれも数年前と比べてもずいぶんと 傷んでいた。我々以外の車も1台しかなかったし、ここの登山道はほとんど歩かれていないのではないだろうか。 それでも必要最小限の刈り払いだけはされているようで深い笹の間を縫うように走る。
高度を上げるとブナも現れ始めた。基本的に登り基調なのでほとんど乗れないが 目の保養にはなる。所々には枯れたブナの大木が横倒しになって道を塞いでいたりする。 その枯れたブナに取り付く男性を発見。聞くと幹をくり貫いて中にいる昆虫を調べているそうだ。 「世の中変わった人もいるもんやなあ」と一番変わった人が言う。
この辺りから木製の階段が現れ始めて、押しから担ぎとなる。
それも半端なく急なのでドッと疲れが出る。
「たしか、前回のイメージがこの階段やったんや〜」と思い出すM氏。
ふらふらになった頃に稜線と合流。11時15分。
すぐにおなじみの展望台に着く。ここで鳥取の市内が見えたためしがない。 今日もひどいカスミで見えなかった。 頂上の入り口とも言うべき所には幹がぐにゃっと曲がってU字型の門になっている。 M氏はここをMTBで通過するときにハンドルに顔をぶつけて前歯を折ったことがある。 『青春の門』ならぬ『前歯喪失門』だ。
今回は無事に歯も折れることなく山頂に着く。1310m、二等三角点。11時25分。 予定通りにお昼前に到着だ。 人気の山なのでシルバーウイークだったら混雑していのだろうが今日は誰もいない。 避難小屋の2階(土足厳禁)でお昼にしましょう。 |
2階から下を見てみる。この後ハイカーが二組やってきた |
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無線をつけると大杉山のOAPさんと繋がる。かすかにだが、篠山市内にいるたぬきさんの声も聞こえた。 そうこうしているちに2組のハイカーがやってきた。ちょっとお話したりしたが、騒がしいMTB野郎はさっさと退散としましょう。 ていうか、早く下山して林鉄跡を探さねばなりません。12時15分下山開始。
それにしてもMTBを乗り始めて早20年近くになろうとしているのに、
年月だけは無駄にたってしまって、私もM氏もいまだにまったくテクニックは無い。
車輪の転がるのにまかせて下っているというのが現状だ。
なのに、体力知力だけは確実に衰えつつあるのだ。しかし、MTBはおもしろいので
やめられまへん。
稜線分岐からしばらくは急な階段が続くので乗るのはむずかしい。 しかし、その階段が終わってからはハイスピードで乗れ乗れになる。 再度、昆虫男性の横をすり抜けて(まだ、幹をくり貫いていた)ガンガン走る。 そして12時53分登山口に到着。 そして次は『沢川森林鉄道』へ向かう。車に自転車を積み込んで行くのかと思っていたのに、 M氏はそのままMTBで行くと言う。この登山口から東因幡林道までの道は たしかに自動車では辛い。路面もひどいが両側から草や枝が伸びていて車体は傷だらけに なりそうだ。昔はよかった記憶があるのだが、現時点では車高の低い普通車では無理な道になっていた。
東因幡林道のゲートは開いており、氷ノ山方向に何台もの車が通過した轍がある。
ここから3.6kmの地点に軌道跡への入り口があるのだ。さっそくMTBで走り始めるが
めちゃめちゃ路面が良い。最近整備されたのだろか?すると目の前に高く積まれた木材があった。
そうか、木材搬出のために整備されたのか。
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積み出し直前の木材 | ここが入り口だが・・・ |
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林道はグネグネと山腹を巻きながらあるので、自分たちがどこにいるのかわかりにくい。 こういうときこそGPSが必要に思う。それでもあーでもない、こーでもないと言いながら 林鉄跡への入り口を発見する。13時30分。地形図上では間違いないのだがいざ入ってみると そこはまったくのヤブで踏み跡すらない。まだ時間はあるように思えるが帰宅のことも考えると もう1時間欲しいところだ。ヤブを突き進めば間違いなく軌道跡があるはずだが、 もう体力も気力も底をつきかけている(走りながらしゃべるので口がカラカラ)。 「よっしゃ、次回はここだけを行くことにして、今日は帰ろ」あっさりと決まる。
途中で出会った軽トラックのおじさんによると氷ノ山のつくよねまでこの林道は開通しており、 自分たちもそこへ帰るのだと言う。これで次回は楽勝でここまで来ることができそうだ。 そうなれば残った時間は滝見物となる。ちんたらとMTBで駐車ポイントまで帰りMTBを 積み込んで、帰路の途中にある滝の駐車場に立ち寄る。 猿壷の滝は道路から5分もあれば到着する。
滝には言葉では言い表せられない奇妙な先客が居て大いに驚く。 清浄な滝に似つかわしくない二人の男性だった。どういう人たちだったかは このHPではとても書けない。そして彼らが邪魔でなかなか滝の写真も撮れない。 ようやく居なくなって彼らの話題でひとしきりもりあがる。 加古川に着いた頃にはすっかりと夜になっていた。 今回の扇ノ山の地図は こちら(約90k) でごらんください。 |