金香瀬山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『生野』を参照していただくようお願いいたします。

2009. 3.30.  月曜日  晴れ  気温寒い
先週は生野観光銀山跡の南尾根を歩いていました。 思った以上に歩きよい尾根だったので、これだったらぐるっと周回して 金香瀬山まで行けそうな感じをつかむ。ついでに682ピークに再訪して 頂上になにか遺構があるか調査もしたい。

そこでスタートゴールを観光銀山の駐車場とする。銀山の施設はたぶん 10時の開場だと思うが到着したのは9時半。当然だが一般の車は私ぐらいなもの。 無料の駐車場だから安心だが、 朝っぱらからごそごそと支度をしていたら怪しい人物に思われそう。 15分ほどで準備を済ませスタート。
駐車場の出口へ向かう石彫の広場から谷へ

駐車場の出口の所がちょうど支尾根の突端になっている。そこから登ろうかと 思っていたのだが、傾斜が急な上に岩がゴロゴロ、倒木もあり、なにやら危険な雰囲気で 関係者に見られたら注意されそうだしあっさりとあきらめる。

石彫の広場の奥に近代のものと思われる坑道跡が見えた。ちょっと見学してみる。 アーチ形の入り口には鉄柵があって中には入れない。覗いてみると天井と横壁には碍子が奥まで 等間隔に続いており、足元には線路もあった。見える限り水平だが奥はどこまで続いているのか? 途中から縦坑でリフトで降りるのだろうか。これも観光用に開発してほしいなあ。

谷の流れをそのまま登るのはたいへんだが、左斜面にソマ道らしき踏み跡がある。 石彫広場に戻ってその登り口を探して歩き始める。
谷に沿って道があるお!たぬき堀りか?

谷に沿って歩きながら左の支尾根に登れそうな所が無いか見てみるが、 岩のゴロゴロとした危なっかしい斜面なのでそのまま谷の行き着く所まで 行ってみよう。

踏み跡の明確な所を選んで進んでいくと・・・。お!ありました。 古い坑口跡がぽっかりと穴を開けています。 覗いてみると水がたまっていて水平に続いているようだ。
中に入ってみたいけど・・・これはでかい穴です

さらに次々と穴が現れる。最後に見たものはそうとうにでかい。 坑口の前がテラスのようになっていて踏み固められた地面が一部見える。 ただ、そのほとんどが土砂で埋まっているの(写真の点線部分)が残念だ。 周囲を丹念に探せばもっと多くの坑口があると思う。 稜線はこの奥なので谷からこの斜面をよじ登ることにする。
稜線は快適だ682ピーク手前の展望地

稜線には10時35分着。激斜面の登りですっかり足を使い切ってしまった感じだ。 汗をぬぐって水分補給をする。 ここからは楽勝で歩けて11時には682ピーク着。
682ピークを探索金香瀬へ向かう

前回はほとんど素通りだったピークだったが、今回は丹念に探索してみる。 ここは単純なピークの形をしてなくて、馬の鞍のような中央に大きなくぼみがあり、 その周囲を歩いてみる。先週はここが愛宕山だと聞いていたのでなんらかの遺構が あるのではないかと期待していたが、まったくそういうものはなかった。
ここが愛宕山ではないという確信を得て今度は金香瀬山へ向かうことにする。 下山後、再度白口で聞き取りしてみると、先週の登り口である谷の入り口にあった 建物の上、つまり544ピーク付近が愛宕山だということだった。

ここから金香瀬山まではずーーーっと(98%)植林帯の暗い尾根が続く。 登りでは汗をかいて上着を脱いでいたが、稜線はほとんどアップダウンが無いので 寒くなって上着を着てる。風は冷たくて足元を見ると雪も残っていた。 金香瀬山も暗く寒い植林のピークと記憶しているので、木漏れ日で暖かい『B』地点でお昼にする。 11時50分。
途中で一箇所だけ展望があった

『B』から金香瀬までの途中には一箇所鞍部があって、そこまで激下りして、そこから激登りで またまた汗をかく。頂上までもう少しというところでわずかながら 北方向に展望があった。この辺からハイカーの古い残置テープが現れる。 頂上は細長いのだが、その突端に出たら、なんと標識が現れた。
あら〜、こんなものが金香瀬山

昔登ったルートとは違う尾根から道が来ているようだ。そしてその細長い頂上部分も 植林が伐採されていて明るくなっている。ただ、周囲の伐採はされていないので 展望は相変わらず無い。三角点は細長いピークの端っこにある。12時50分、 三等三角点、標高709.8m。明るくなっていたので以前の印象とはずいぶんと違う。

下山は新登山道で下ってみる。山頂で見たのと同じ標識が途中にもあるが どの方向へ向かえば良いのかちょっとわかりづらい。とりあえず尾根を下っていき 赤テープに従って右の谷へ下る。その谷は初めてのときに登った谷だったが あらためてその倒木のすごさに驚く。
谷に降り立つ谷の右に水路

谷を下っていき(夏場だとヒルがすごそう)まもなく林道に出会う頃、右手に大きな 坑口跡を見る。正確には坑道ではなく露頭の露天掘り跡だ。上部が崩れて埋まっているので トンネルのように見えている。
露頭の堀切跡反対側に鉱脈が続く

この鉱脈は谷の反対側に続いているようで、そこにも坑口跡があった。 覗いてみるとこちらはブロックで穴がふさがれている。 谷を出るとそこが林道の終点だった。13時40分。ここからは観光銀山のコースとなる。
林道には観光客鉱夫が彫った仏?

ここから谷の両側には古い坑口跡がいくつもあって、それらを写真にすべて写すとたいへんだが 覗いてみるとおもしろい。 中には観光銀山の坑道と繋がっているものもあるらしい。
慶寿の堀切反対側にも露頭が続く

中でも有名なのが慶寿の堀切だ。堀切はガレで埋まっているがそれらは鉱石を掘り出して時のもの だろうか?あるいは廃鉱後に自然に埋まったのだろうか。谷の反対側にも同じような堀切があって 同じ鉱脈が続いているのだった。こういうのを発見できる昔の人の英知はすごいと思う。 林道横手の崖にはたくさんのヒカゲツツジがある。つぼみもふくらんでおりその時期が楽しみだ。
門のところに出てくる

途中から右手に観光銀山への入り口があるが、私はチケットを買っていないのでそのまま林道を下る。 やがて銀山の門の前に出てそのまま駐車場へ。14時。 たくさんの坑口跡を見ることが出来てなかなかおもしろかった。

今回の金香瀬山の地図は こちら(約80k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


ホームにもどる