加西市OLコース

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『北条』を参照していただくようお願いいたします。

2008. 3. 3.  日曜日  晴れ  気温ふつう
加西市内にはOLのパーマネントコース(オリエンテーリングの常設コース)があるとM氏が言う。 普通なら歩いて回るコースであるが、それをMTBで遊んでみようということになった。 ポストのあるポイントはもちろんすべて通過するが、それ以外にもMTBで走れる所にも 寄り道をするという作戦です。スタート地点は 八千種山〜住吉山 で利用した吸谷の公民館の駐車場をお借りして、ここから変則的に反時計回りに回ることにする。 9時07分。

前日に、M氏からもらったOLMAPに書かれている9つのポストのある地点を、プリントアウトした 最新の地形図に書き写す。なにせ昭和46年に作られたマップなので 現在のものと見比べるといろんな違いが出てくる。曰く、中国自動車道が無かったり、加西の 市民病院やら、市役所が無かったり・・・。そんなわけで、はたして30年以上も前のポストが残っているのだろうか? 根本的な疑問が沸々とわいてくる。

反時計回りにコース取りしているので、まずは5番のポストを探す。 吸谷町から福居町へ抜ける点線の峠道の途中にそれはあるはず。 谷沿いの畦道を気持ち良く走っていくがその取り付きが見あたらない。
この先で右手の崖をよじ登る尾根に道なんて無いし

行ったり来たりして見つけた取り付きは赤土の崖だった。MTBを担いでよじ登った所には わずかな踏み跡あり。シダをかき分けてたどり着いた尾根には踏み跡どころか 倒木ヤブだった。つまり福居−吸谷を結ぶ峠道は利用者もなく壊滅状態だったわけだ。 出だしからこういう状態で完走出来るのだろうか?

身一つならそれなりに進めるがMTBが一緒だと身動きもままならない。 M氏は早くも投げ技を披露する(MTBをヤブに向かって投げつけるという荒技)。 汗だくになってたどり着いた分岐ピークも当たり前のごとくヤブだった。9時55分。
ピークに5番ポスト無し!

とりあえず周囲を探してみる。シダをかき分け、倒木の下をのぞき込むが何にも無い。 さび付いた支柱でもあればその存在が認められるのだが、な〜んにも無い。 最初のポストで時間はかけられないので、あきらめて4番のある長円寺へ向かう。

ところが踏み跡すらない尾根なので、どこがコースなのかまったくわからない。 「ここがそうやで!」M氏が、さも正しいと言わんばかりにさっさとヤブを かき分けて下っていく。「ちょっとおかしいなあ」とぶつぶつ言いながらも 上級オリエンテアーのM氏を信じてついて行く私。

降り立った所は久斗山西岸寺。10時25分。 裏の竹藪から怪しげな男二人の声がするので、このお寺の住職さんが 様子を見に来る。事情を説明すると「隣のお寺にOLのコースがあったなあ・・・」とおっしゃる。 やはり隣の尾根を下りたようだった。お礼を言って立ち去る。 山のすそ野に沿って小径があったのでMTBを走らす。いままでのヤブが嘘のように 気持ち良く走れる。やがて八十八箇所の巡礼路に出て、それを下ると久斗山長円寺に出た。
長円寺に4番ポスト無し!!

本来ならこのこのお寺に下りる予定だったのだが、昔は 八十八箇所巡礼路の最奥から吸谷へ向かう峠道がちゃんとあったらしい。 さっそく周囲を探索する。お参りに来ていた近所のおばちゃんも眼を白黒させていた。 これまた事情を説明すると、お寺の奥さんも呼んでくれて周辺を探してくれる。 ポストの姿を説明するが、ポストというとどうしても郵便のそれを想像するらしく、要領を得ぬまま ここもジエンド!!

「Mさん、ひょっとしてポストはすべて無くなっているんでは?」 恐れていた質問をぶつけられてM氏も「そうかもしれんなあ・・・」と、 か細く言う。
3番はポストどころか池が無い!!

道の左手に細長いため池が見えた。肝心の3番ポストはその先にあるもう一つの 小さなため池の堰堤付近だ。と、ところが、そのため池が無い。 どうやら埋め立てられてしまったようだ。(写真の白い斜線部分) M氏はそれでもあきらめきれないらしく、周囲を走り回っている。

2番ポストは市街地の端にある小山だ。地形図には二つの鳥居マークがあって、 一つ目は金刀比羅宮だった。参道には八十八箇所の石仏が並び、最奥の社には 弘法大師、不動明王、役行者の石仏もある。その奥になにやら建物があるので 近寄ってみると、それは焼け落ちたビジネス旅館だった。2年ほど前に不審火で 火災にあったらしくて、見てもまだ生々しい感じがする。

旅館の周囲はヤブになりつつあった。裏の崖をよじ登ると、どこから来ているのか 参道があって、その奥に建造物がある。 それはパゴダのような姿をしている。その球状の屋根部分には普通相輪があるのだが、 そこには『忠魂碑』と彫られた石柱が飛び出ている。なんとも奇異なものです。 そんなこと意に関せずM氏はその周囲を丹念に調べるがなーんにも無い。
忠魂碑の周りで2番を探す
心なしか寂しげなM氏(白矢印)
次は向こうの丘陵だ
焼けた旅館越に見る

気を取り直して(というか、もうあきらめ気分)1番ポストのある丘陵を目指す。 そこは加西市民が休日にくつろぐ巨大滑り台と巨大地球儀のある公園です。ヤブを通過したために 体中がドロドロになっており、町中を走るのがはばかれます。 さらにその公園に家族連れなどがいると変な目で見られそうで これまたいやです。
ゴロッと寝て休憩ほんとうならこの付近(矢印)にある

危惧していた家族連れは東側の滑り台方面に多くたむろしており、こちらの遊歩道には誰もいませんでした。 それを幸いにポストがあるはずの地点でうろつきますが、 ここも空振り。なかなか順調です。
神姫バスの待合所9番の酒見寺

地球儀公園の裏道からダウンヒルして再度町中を走る。次はスタートゴールに 設定されている神姫バスの北条営業所だ。11時35分。 昔はここでOLのマップが売られていて、それを片手に1〜9番までのポストを 探すオリエンテアーで町中があふれかえっていたわけだ。 その残り香を確認して9番ポストのあるはずだった酒見寺へ。

すばらしいお寺ですがポストはありません。8番のある五百羅漢に望みをかけましょう!! って、その五百羅漢ですが、まさか中にはあるはずもなく、周囲をぐるっと一周してみます。 「たぶんここにあったんやろなあ」とM氏は塀の近くを指さす。
変なおじさんが覗いてるよ!!その塀越しに見る五百羅漢

その塀越しに施設の中を見渡してみるがやはりポストは無い。お腹も減ったので そろそろお昼もしたくなった。7番ポストのある八幡神社は、ダイレクトに行くのではなく、 若井町へ抜ける林道の峠付近からダウンヒルを楽しんでたどり着こうという変則コースを 考えた。

町中の平坦地を走ってもおもしろくない。多少登りがあっても下りを楽しめればうれしい。 30年ほど前に自衛隊が造ったという(OLマップにはまだ記載されていなかった) 一車線の舗装林道を登っていき、『シロヤマ24』の電柱から山へ入る。 ちょっと倒木があるが畑 愛宕山で 通過した石仏分岐にたやすくたどり着いた。12時半。
この電柱から矢印へ向かう遊歩道だった証拠!

昔の峠道分岐だが、今は誰も通らないし静かなもんだ。 座ろうと道の片隅を見ると、こんな木片が出てきた。このあいだ歩いた畑の愛宕山までのルートが 昔は遊歩道だったという証拠を発見!!
下ってさらに下って八幡神社着

ダウンヒルを楽しんでたどり着いた八幡神社には当然だがポストは無かった。 これでポストが無いという完全制覇まであと一つだ。6番のポストが絶対 あるはずのない富田小学校に行くぞ!!耕作地の畦を走るが、周囲では消防団も出て 野焼きの真っ最中だった。そのくすぶっている所に盛んに息を吹きかけているM氏・・・。
野焼きのお手伝い小学校に佇む不審者

小学校の正門から敷地内を覗くがいかにも不審者だ。地図では裏門付近なのでそちらへ移動するも、 やはりポストは無かった。「何かの理由でポストは完全撤去になったんやろな」と 開き直るM氏。

最後は八千種山から住吉山までの稜線をMTBで走って今日を締めくくる。 どこから登ろうかと思案していたのだが、一番楽チンそうな加西SA付近から登ることにした。 ところが!加西市・姫路市の境界尾根は激ヤブだった・・・。
加西SAから登ったが・・・ヤブは無くなったが足がつりそう!!

言葉にできないようなつらい登りが続く。M氏は悪態をつく余裕もなく一人登っていく。 私も足が攣りそうで気が気ではない。とつぜん道に出た。 どうやら登るべき支尾根の選択を間違ったようだった。 (別途地図に書いたように二つのルートあるようだ) 明確な切り開きを登って稜線出合いに着。14時05分。

さて、ここから住吉山までの縦走なのだが、その前に『親カエル岩』を探してみる。 『親カエル岩』とはなにか?ちょっと復習してみよう。1月27日に歩いた 八千種山〜住吉山 で発見したのが吸谷集落の奥にある『カエル岩』だった。 このカエル岩は1年に数ミリづつ里に下りていき、やがて『修布の井戸』にたどり着くと 吸谷は水に沈んでしまうという言い伝えがある。

ところが区長さんの話では私が見たのは子供のカエルで、山中には親ガエルがいるらしい。 それがこの付近ということなのだった。M氏と歩いて周囲を探すがそれらしい岩は無かった。 これまたOLのポスト同様に空振りなのか??
さらば、M氏は住吉山へ

ここで時間を見るとなんと14時25分。いかん!15時までに家に帰る予定だった!! 急遽予定を変更して、M氏だけ住吉山まで縦走し、私はここから峠を経て吸谷へ戻ることにして、 車で住吉山を下山したM氏を迎えに行くという計画です。足も攣りそうだったので これが最善だったかも。
親ガエル発見峠から吸谷へ

M氏と別れて峠へ下っていると、あらま!親カエルを発見してしまいました。 位置といい、区長さんの言っていた親カエルに間違いありません。 見る人によっては「この岩の何がカエルや?!」をおっしゃる方もいるでしょうが、 私のような純朴で感受性の高い人間にはカエルに見えるのです。

気をよくして峠までダウンする。峠には14時40分。ここから 里までは倒木帯もあるのだが、朝方のヤブに比べれば屁のようなもんだ。 それをクリアーすると、今度は子供カエルに会えた。
小ガエル再訪修布(すふ)の井戸

親カエルもこの子カエルも何千年もこの地にいたのだろうが、MTBを見たのは 初めてだろう。驚いてひっくりカエル・・・・なーんて。

さて、こうなったら「修布の井戸」も探さなくてはいけません。 一軒の民家を訊ねたら、その井戸のあるお宅を教えてくれました。 玄関の前にあったので黙って覗いてもよかったのですが、やはり許可を得てからと思い、 ご主人にお話をすると「この井戸はどんな干ばつにも枯れたことがないんや。ふたを開けて 見てみたら」とおっしゃる。見ると今も澄んだ水が湧いていた。 これが風土記にある井戸なのかと感動する。

おっと、M氏を迎えに行かねばなりません。公民館の車に戻り、急いで発進して 県道に出ようとしたら前方から見覚えのあるMTBが走ってきました。 あら〜、もう帰って来たようです。さすがM氏!!住吉山からもうご帰還。 「乗れ、乗れやったで〜」とご満悦のM氏。終わり良ければすべて良し!!

今回の加西市OLコースの地図は こちら(約300k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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