阿舎利山〜日ノ原山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『音水湖』を参照していただくようお願いいたします。

2008. 9.28.  日曜日  曇り  気温ふつう
昔は三久安山の尾根から音水湖が見えたのだが、杉が育った今はかすかに湖面が見えるのみ。 山品山も期待して登ったがだめだった。日ノ原山の下山路途中から見えるのは、OAPさんのレポートで 知っていたが、そこ以外でなんとか見てみたい。で、今回のルートを考えてみた。 音水湖から一直線で阿舎利山の山頂へ登っている支尾根がある。 途中に切り開きがあれば必ずや見えるはず。 同行はOAPさんとTQFさん。二人ともアルコール燃料で動くので馬力がある。

音水湖の野外活動センターの入り口にある駐車場に車を止める。 いつもはここの林道を利用して三久安山に登るのだが、今日はこのポイントからいきなり斜面に取り付く。 9時05分。
野外活動センターからスタート支尾根に乗れば楽勝

斜面からずり落ちないように、西に回り込んでいく。 予想通りに支尾根には踏み跡があった。 急登りだが踏み跡があれば楽勝と言える。この付近からの音水湖方向は植林で見えない。
アキレス腱が切れそう三角点ピークに着

40分ほど登っただろうか、西方向からの支尾根と合流する。 その方向を見ればあきらかに道があった。 実はこの西の支尾根ルート(ダム湖横にある隧道から登る)も考えていたのだが あまりに傾斜が急なのでパスしたのだった。後で考えたら登り口にある送電線鉄塔から 音水湖が見えたかもしれない。

目に前に切り開かれたピークが現れた。標高811.7mで四等三角点のあるピークだ。 周囲の木々は伐採されている。地理院から依頼されての測量なのか、施工者のマークが 切り株に書かれている。必要最小限の伐採なのでここでもダム湖はほとんど見えなかった。 彼らはきっと隧道からの支尾根で登ってきたのだろう。

ここの点名は『三久安』と言います。 よく点名をそのまま山名として使用している人を見かけるが、 点名は役人が勝手につけた目印のようなもので、山名とは言えないと 私は思っている。 山名と点名を混同している人たちは北にある標高1123mの三久安山と この点名『三久安』とはどう区別するのだろうか?
植生界で歩きよい雑木が増えてきた

三角点ピークを過ぎると短い距離だが植生界のゆるやかな尾根となる。 左側の植林帯は砂鉄を採取した跡のようだった。 さて、ここからは山頂まで登り一辺倒で気合いが必要だ。
若いブナが多い熊が蜂の巣を掘っていた

標高900m付近から周囲は雑木だらけとなる。 若いブナが多くて緑の葉っぱにも力がみなぎっているようだ。 阿舎利山はいろんなルートで登ったが、三久安林道終点からのルートとこの支尾根が一番ブナが多い!! 長い登りがつらいがそれに見合うだけのブナだ。

OAPさんが足元の穴を見て「熊の仕業やな」と言う。 何のことかと覗いてみれば、それは地中にある蜂の巣が 掘り起こされているのだった。 地中から見えている巣はスズメバチを同じく うろこの模様で、OAPさんが言うにはクロスズメバチだった。ハチが周囲を飛び回っている様子からして 朝方に襲われたのだろう。
阿舎利山山頂源流の碑

阿舎利(点名『引原山』)の山頂には10時45分着。う〜ん、早く着きすぎてお昼ご飯を 食べる雰囲気ではない。そこで次に予定している日ノ原山で食事をすることにして 阿舎利を早々に退散。せっかくだから阿舎利川の源流碑に寄り道する。
これもアシュウ杉どんどん下る

下山に利用した尾根は前回も利用しているので迷うことなく下っていける。 傾斜も緩やかだし踏み跡もしっかりしているのでMTBでの下降も可能だ。 ただし全域植林なので周りを見渡してもおもしろみはない。 予定通りのルートで谷に降り立つ。
谷に沿って歩くE地点から尾根に乗る

宍粟の山だけあって沢の水は透明できれいだ。その沢に沿ってソマ道が健在している。 そのまま下りきれば林道に出会うが、途中の分岐(E地点)から沢を越えて斜面をよじ登る。 日ノ原山へのショートカットコースです。
頂上手前でダム湖が見えた

あとわずかで頂上というところで念願の音水湖が見えた。 日ノ原山の通常のルートならば下山途中の鉄塔から見えるのだが、 バリエーションルートのおかげで頂上近くで見ることが出来ました。
送信所のある山頂お昼にしましょ(俯瞰図)

日の原山(これも点名で地元での呼び名は不明)、標高788.7mには12時20分着。 山頂には四等三角点以外に引原ダムに関連した無線施設が二棟ある。 その周囲は背の高い木々で覆われているので展望はまったくない。 とりあえず予定通りに空腹を満たして一息つく。
長〜い、階段鉄塔着

13時ジャスト下山開始。1200段にもおよぶ長い丸太階段が待ちかまえているという。 誰かが1200段も数えたのかというと、所々で丸太に黒く数字が書かれているのだった。 その最初の踏みだしの丸太に1200と書かれている。 「とすると、8段ほど下った所が鎌倉幕府やな」なんのことかって?わかる人にはわかる!
そこからの展望

何段目か見忘れた(平安時代ぐらいかなあ?)、送電線の鉄塔に着。 ここからは29号線の道路やら、音水湖、さらには阿舎利、三久安山などが見渡せる。 爽快な気分だが長い階段で膝はガクガクだ。 降り立った所には『日ノ原山登山口』と立派な標識があって広い空き地になっている。 (現在、なにかの資材置き場になっていて、29号線からの入り口はユンボでふさがれているが、人間は通れる)
古い隧道へレッツゴー

29号線をしばらく歩くことになる。一箇所短いトンネルがあるが、その左手奥には 古い隧道がある。道路からも見えにくい所だがおもしろそうなのでそちらを行く。 出た所には民家もあるがほとんどが廃屋状態のようだった。ここには前述の阿舎利への 登り口(送電線鉄塔への巡視路入り口がそうだと思う)があるのでそれも確認。
湖畔の遊歩道を行く

ポツポツと雨が降ってきた。下山のタイミングもばっちりだったようだ。 誰も利用した形跡のない湖畔の遊歩道を歩いて駐車場へ戻る。14時15分。

阿舎利だけ登るとしたら、若ブナを愛でることのできる 2006年のコースで 山頂まで行き、下りは今日の登りに使ったコースを利用するとこちらのブナも楽しめます。 点名『三久安』を過ぎて後、隧道コースに乗り換えて 隧道横に降り立つのがベストかもしれません。

今回の阿舎利山〜日ノ原山の地図は こちら(約125k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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