多々良木白岩山〜点名『大谷』

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。

2007.11.17.  土曜日  晴れ  気温ふつう
多々良木ダム湖の南に位置する行者岳は有名で、コースも整備されており、 訪れるハイカーも多い。しかし去年の12月に 歩いた行者岳〜三本松の コースは快適ながらもまだまだ手つかずの静かなコースでした。今回はその真向かいにある多々良木川を挟んだ北尾根を 縦走してみます。ここにも白岩山という名峰があるので、もちろんそこも通過します。

実はその白岩山も 2004年に登っていて、その時に思いついたのが今回のルートです。 車が2台必要なので今週もTQFさんに同行してもらいました。 国道312沿いにある『道の駅 あさご』がゴールなのでそこの1台駐車。円山川の朝霧が上空に漂っている。 竹田城趾の雲海のシーズンなので早起きさえ出来たら楽しめただろうが、もちろんそんな早起きはできません。

多々良木ダム湖の湖岸道路を進む。多々良木の発電施設近くでハンターの一団に遭遇。 ちょっとびびりながら先を進む。青倉神社への道標があるのでそれに従って舗装路を上っていく。 青倉神社への古い参道入り口を過ぎるとちょっとした広場がある。ここが今回のスタート地点。 数十m先は分岐になっていて、左は川上へ下る道、右は青倉神社から黒川ダムへ抜ける道。
ここがスタート地点

TQFさんの車を道沿いに止めて出発準備をする。軽トラックが1台止まっていて、横でたき火が燃えている。 だれもいなくて放置されたたき火は大丈夫かあ?ハンターではなく山仕事のようだ。 入り口は以前確認済みで、そこには石仏がある。見ると『明治26年』『願主 久世田村(近くにある字です)・・・』

このとき気がついてしかるべきだったが、これから行く道は川上から始まる青倉神社への旧参道だった。 それでこの石仏があったわけです。現在はここから見えていた川上からの舗装路が参道になっているので、 この旧参道は山仕事の人かハンターぐらいしか利用していないのか?

石仏からの道に入るとすぐに稜線となって551ピークに取り付ける。 ところが参道はそのピーク北を巻いていていかにも歩き良さそうだ。当然気になるのでそっちへ向かう。 そこは伐採地で北には朝来山が大きく望めます。そして伐採地では先ほどの軽トラの 持ち主がチェーンソーで作業をしていました。 気づかれないようにソローっと通過。

すると『A』地点に瓦葺きの小屋が見えた。すわっ!なにかのお堂か!と近寄ってみると 単なる東屋だった。道は551を巻いて稜線に復帰するのかと思ったら、そのまま川上方向に下っています。 (地形図でもそうなってるのに、気がつけよ!!) ここで初めてこれが参道だと気がつくていたらく。 改めて東屋の中を覗いてみると、落書きだらけだった。見えた内で一番古いのは昭和40年代。 つまり築40年のワンルーム物件。
古い東屋発見551蓬莱ピークから

ここから稜線に復帰するためにはチェーンソーのお兄さんの頭上をもう一度通過するか、 この東屋からダイレクトに551へ登るかだ。とうぜんダイレクトコースを選択する。 すると東屋の裏手に石組みがあった。ここにも石仏か祠があったようだ。

せっかく汗をかかずに稜線に出られるコースだったのに、東屋から551までは とんでもない激斜面だった。万が一足を滑らすとチェーンソーのお兄さんの頭上に 真っ逆さまだ。大汗をかいて551に着。この周辺も地積調査が入っているらしく 『地籍図根三角点』と書かれた金属標が埋め込まれていた。 ちなみにこのピークは標高が551mなので当然ながら山名は蓬莱!! 夏場はアイス、今は豚まんを食べましょう。
なかなかしっとりした道だ送電線鉄塔から白岩を見る

この551は下りも手強い。油断して滑り落ちるとたいへんなことになりそう。 TQFさんは平気で下ってますが、私は典型的なへっぴり腰で涙目になってます。 短い激下りが終わると何事もなかったように肩で風切って歩きます。 国土地理院の地籍調査があったためか倒木も枝の張りだしもなく快適。 507ピーク手前にも赤白ポールの立った『国土調査』と書かれた金属標あり。

やがて送電線『奥多々良木出石線 五』鉄塔に着。10時35分。 白岩の頂上は目の前ですが、道はちょっとヤブっぽくなる。 (間違って巡視路を行かないように!) 稜線を忠実にたどらず、黄葉のきれいな左斜面をよじ登る。 ニセピークを過ぎ、登り切った所で 良い道と出合う。そこを10mほど左へ移動すれば切り開かれた 白岩山山頂だ。10時55分、三等三角点、標高608.3m。
白岩山に到着展望の岩場に行ってみる

時間も早いけどこの先食事がとれそうな場所があるのかないのか、 それすらわからないのでここで食事とする。その前に白岩の名前の由来になっている 岩場へ寄ってみる。眼下には多々良木のダム湖と行者岳のピークが見えるのだが、 3年前よりは木々が大きくなっていてさほどの感動はなかった。 頂上も同様で3年前の写真ほど良くはない。それでも青倉神社の舗装林道を走る 自動車が良く見えた。

山頂に戻って食事をします。風もほとんどなく、寒さの苦手な私には暖かくてラッキーでした。 朝出会ったハンターたちの猟犬の声がダム湖から聞こえてきますがここまではやってこないでしょう。 11時40分に再スタート。

山頂から『F』地点まではほとんど下りっぱなし。古い道跡が残っているのだが、ヤブに帰りつつあり 歩きにくい。しかし新しいネットが張られたりしていて、何らかの人の手は入っているようだ。 『F』地点には12時10分着。前回はここから下山しましたが、今回はここでようやく半分ぐらい。

すぐ横手の467.3mピークには新設の三角点がある。そこへの道もあるのだが、気になるのは そこの北斜面を巻く道だ。ということで巻き道を行きかかるが倒木が行く手にあったので、 そこから斜面をよじ登って、結局は三角点ピークに行くはめになる。 ここも伐採されて明るいピークだった(展望はない)。点名『見才』、四等三角点の金属標あり。
極楽道となるカメラの電源は?

コンパスで確認したつもりだったが、縦走尾根に乗り損ねてしまう。さきほどの巻き道の続きに出たのでそれを 利用して縦走尾根に復帰する。ここからが超極楽ルートとなる。 公園の遊歩道を歩いているようでMTBが欲しくなる。どうやら松茸山らしくて里人の往来が多いとみた。 道ばたに裏返しにあった看板をひっくりかえすと案の定その注意書きがある。 書かれているような赤外線カメラがあったらぜひ写真に写したかったがどこにもなかった・・・。 シーズンが終了したから撤去したんかな。
『I』地点

『I』地点までは超快適でそのまま312沿いの石田へ下って行く。地形図では その途中から縦走尾根に復帰するように書かれているので そのとおり行ってみようということになった。その復帰道はわかりにくく TQFさんが見つけてその後を追う。
470ピーク手前左下には大きなヌタ場あり

470ピークへは道もなく斜面を汗だくになりながらよじ登る。 そこはマルチと呼ばれる農業用の黒いビニールが張り巡らされており、ここも松茸山のようだった。 コーヒーを飲みたかったがその後も落ち着いて座って景色も楽しめるような場所はなかった。 「いままでもそうやったけど、やはり三角点がええんちゃう?」「おお!それや」と ペースを速める。
点名『大谷』から粟鹿山同様に竹田城趾

点名『大谷』には13時55分。石標の四等三角点、標高387.2m。 予想通り小さく切り開かれており、後ろを振り返ると粟鹿山、青倉山が望める。 下界を眺めると竹田城趾が真っ正面だった。ホットコーヒーを飲んで生き返る思いだ。

次のピークから一気に80mほど下るのだが、方向を誤りやすい斜面なので注意が必要な 最後のプチ難所だ。 このあたりは松もなく人も入っていないようで踏み跡もない。足元にからみつく笹をかき分けて 287から鉄塔を目指す。
鉄塔を見てホッとする南北に走る円山川と国道312

『生野北支線 21』には14時50分。ちょうど良いペースで15時には下山できそうだ。 巡視路を鼻歌交じりで下っていくと道の駅の裏側に降りてきた。 従業員が見ていたら驚くだろう。登り口にあるTQFさんの車を回収に向かう。 走りながら左手に見える山塊を眺めて歩いてきたルートを思い返す。

思い通りの登り口から、思い通りの下山地へ、思い通りに縦走が出来ました。 やはり自分でコース設定の出来る単独行、あるいは少人数がええです。 そうそう、『I』地点から北方向に派生する尾根を行くと山城跡があるという。 そこもまた行ってみたい所だ。TQFさん今日はありがと。

今回の多々良木白岩山〜点名『大谷』の地図(横にながーいよ)は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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