白髪岳〜松尾山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『篠山』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 9. 2.  日曜日  曇りのち晴れ  気温蒸し暑い
どこに行こうかと前夜から悩んだまま車に乗り込む。 とりあえず北に向かって走っているとたぬきさんから携帯があり、 白髪岳へ向かうらしい。ルートを聞くと篠山から山南へ抜ける小峠から登り、 文保寺へ下るという。文保寺コースはまだ歩いたことがないので 「そっちへ行きま〜す」と急遽参加を申し出る。

文保寺で出会って、やまあそ号で小峠へ向かう。味間の集落内には茶畑が多いが、 道路はその中を通る広いバイパスになっていた。小峠にある石仏前のスペースに 車を止めてそこから出発。8時55分。

ここから白髪岳へ登るのは3年前に 白髪岳〜松尾山〜音羽山 というコース設定で、しかもMTBでの山行をしたことがあります。 今回は登りは同じコースですがなんといってもMTB無しなのが楽ちんです。 小峠からちょっと篠山寄りへ戻った地点に入り口あり。
ちゃんと道があります

入り口と言っても目印があるわけではない。それを入り口だと見極める目を持った人だけにわかる。 山仕事?あるいは秋の松茸狩りの道かもしれないが、いったん入ると 明確で間違いようのない踏み跡が続いています。

ちょっと薄暗い山腹の踏み跡をジグザグに上り詰めると、篠山市と丹波市との 境界に乗っかる。 ここからもめっちゃええ道です。
手堀りの坑道?巡視路付近にもあった!

途中にぽっかりと開いた黒い穴がある。周囲の雰囲気からしても 手堀りの坑道跡だと思う。たぬきさん達もそう見えるという。 何が採れたのだろうか?あるいは試掘だけで何も採れなかったのか。

やがて『火の用心』マークの巡視路と合流する。と!ここにも坑道跡の穴が ぽっかりと開いていた。一つならずも二つもあったとなると、やはりなんらかの 鉱石が採れるような鉱脈があったのだろう。 なんぞ落ちていないかと地面を見ると鉱石は無かったがきれいなお花を発見!!
播磨中央線114鉄塔115鉄塔から白髪方向を見る

114鉄塔からは北方向がよく見えるのだが、あいにくのかすみで くっきり丸見えというわけにはいかなかった。吹き抜ける風が涼しい。 前回はここからヤブを突ききって前進したのですが、今回はすぐ隣にある 115鉄塔から登ることにする。前回の経験からこちらの方がヤブで無いと わかっているからです。その115鉄塔からは目的の二つのピークが見えました。

644ピークから689ピークへ向かう途中にある鞍部付近をよくよく観察すると 2カ所の分岐がある。味間にある老人ホームへ向かって下る道が2本、反対の 四斗谷に向かっても2本の道(うち、1本は644を巻いてる道)。なるほど、今田と篠山を結ぶには最短のルートだ。
689手前。ええ道です縦走路に出ました

689ピークにやってきました。誰かのレポートにここを『とんがり山』を 表しているものがありました。確かに白髪の山頂からここを見ると とんがってはいますし、この後歩く白髪から松尾への縦走路途中にも ここがそれであると思わせるような紛らわしい標識がぶら下がっています (こういうのが迷惑なのですよね)。が、 ここは単なる分岐のピークで、ここから644を経て四斗谷へ尾根をたどると 四斗谷妙見山(とんがり山)へ行くことができます。 とんがり山(四斗谷妙見山)〜白髪岳
昔よりガレている?二等三角点の山頂

縦走路と合流していよいよ白髪への最後の登りです。傾斜もさることながらガレがすごい。 昔よりさらにひどくなっているような気もする。 お昼前なのでいつもなら力も出ないのだが、今日は空身なので足も軽い。 標高721.8m、二等三角点の埋まる白髪岳には10時40分着。

三角点のある場所は標高の最高点では無く展望もよくない。少し移動すると展望のよい岩場がある。 本来なら明石海峡大橋も見えそうなロケーションなのだが遠望は全くない。 西光寺山へ登っている無線隊を呼んでみるが反応がない。まだ登頂の途中かな? お昼ご飯には早すぎるのでおやつを食べて松尾山へ移動することにする。
下山途中にある展望岩より松尾山を見る

登りに使ったガレ道を下らずに、三角点の東からある別ルートで下る。 このルートはしっかりとした道にもかかわらずあまり利用されていないようだ。 ちょっと下った所に展望の岩場がある。ここからは正面に松尾山がでかい。 こちらにはロープを使わないと下れないような箇所もなく 緩やかなまま縦走路に降り立つ。
違和感のある尾根道『F』地点に着いた

縦走路はほとんどアップダウンもない。689ピークを巻き終えると 谷から上がってくるユンボ道と合流する。 山仕事のために作られたのか?謎のユンボ道と平行に旧の尾根道も存在しています。 ユンボ道が無くなって道は登りに転ずる。『E』地点の分岐は見逃して(というか、無くなっている?) 『F』地点に到着。

ここから文保寺へ下ったら地形図通りのルートなのか、あるいは支尾根の先にある 送電線鉄塔まで行くのか・・・。また試してみる必要がありそうです。 地面に横たわった標識では文保寺へのルートは松尾山の先にある肩越えの辻へ矢印がある。 我々は2番目の目的地である松尾山へ行く。
松尾山への登り松尾山山頂

『F』地点のすぐ先に登り口がある。そろそろ本格的におなかが減ってきた。 背の低い笹の中の道を上り詰めると大きな段差の奥に頂上があった。 この段差は山城につきものの曲輪跡だ。 それを登ると真っ平らな松尾山だった。標高687m、三角点無し、12時ジャスト。 白髪で出会ったグループも先行してここで 昼食をしているようだ。

食事を済ませ、西光寺山の無線隊とも無事繋がる。ここは展望は無いが 涼しい風が吹いてくれているのでありがたい。長居をしたいが早く下山したいので 12時40分出発。
石仏のお見送り肩越えの辻

松尾山から肩越えの辻へ向かう。山頂から幾段かある曲輪跡、堀切を通過してやがて先ほどの 松尾山を北に巻く道と合流する。水に土砂が流されてちょっとガレ気味の道になっているが 途中には地蔵菩薩の石仏もあった。何か文字が彫られていないかと前垂れを取ってみる。 文字はなかったが味のある姿をした地蔵だった。 ほどなくベンチのある分岐に到着。ここが肩越えの辻だ。12時55分。

五差路になっている。『い』が文保寺へのルートと書かれている。 『ろ』は送電線120へとある。『は』は音羽山への道。この『は』の入り口にも 石仏がある。そうとう傷んでいるのか文字が読みとれないのが残念。そして『に』は 高仙寺本堂跡、不動滝を経て住山へ下るルート。

普通なら何も考えずに標識に従って『い』で下るのだろが、どうも『ろ』も気になる。 巡視路マークがあるぐらいだから120鉄塔までは絶対良い道があるはず。 そこからお寺へも巡視路が降りていれば万々歳だ。単独なら行ってしまうのだが、 安全を優先して『い』で下り始める。
笹に埋もれた下山道舗装路に出る

一番無難な選択だったはずなのに、道は「あれっ?」と思わせるような 状況となる。背の高い笹が左右から覆い被さってくる。葉っぱが露を含んでいたら びしょぬれだ。 谷までの我慢と思っていたが谷からのルートも荒れていた。 本来なら『F』地点からのルートとこの辺で合流のはずだったがそれらしい所は無かった。

トゲトゲヤブもさることながら無風でドッと汗が出てくるのがつらい。 いくつかある堰堤を越えて徐々にお寺に近づく。 ふと、右に分岐があるのでたぬきさんがそこをのぞくと、なんと舗装路だった。 つまりここが登山口だ。 この近辺、を探ると120鉄塔にも118鉄塔にも登る巡視路入り口があった。 我々が下った正規道?よりもそちらのほうがマシだと想像する。
行者石仏へ寄り道文化財の楼門横手に駐車場

お寺の本堂が見えているのだが、左手に行者石仏の案内板が転がっていた。「すぐ上やから行ってみよ」と 母たぬきさんにせかされて登っていったが、なるほど見る価値のあるものだった。 行者像には優しい顔と怖い顔の2種類があるのだがこれは優しい顔だ。 基台の横手にはちゃんと銘も残っており『講中三拾一人 明和四亥(1767)年七月』 『丹□多紀郡味間奥村 波多野源左衛門』とあった。

文保寺略縁起にはここも法道仙人が関係しているとあった。 現在は松尾山文保寺だが、当時は聖備山長流寺という名前だった。 もしそのままの名前が続いていたら、今回登った山は聖備山ということに なるわけか?

本尊は秘仏で見ることができないようなので、梵鐘を眺めたり、 宝塔を眺めたりしながら寺をうろつく。 最後に見たのが文化財にも指定されている楼門だった。14時05分。 うだうだ見物していたら父たぬきさんも車の用意ができたようなので 小峠へ乗せていったもらう。 白髪と松尾はまだまだ歩けるルートがありそうです。

今回の白髪岳〜松尾山の地図は こちら(約110k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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