三室山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『西河内』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 6.23.  土曜日  晴れ  気温蒸し暑い
梅雨です。この時期は晴れの予報が出ていてもいつ雨が降ってくるのかわかりません。 普通のハイカーは雨が降っていたならそれなりの格好で歩くのでしょうが、 私は雨具を着てまで山に登るという根性がありません。 そこでいろいろと迷ったあげくにこの山にしてみました。

兵庫で第二の標高を誇る山であり、加藤文太郎も『兵庫乗鞍』と称していた山なのですが、 なかなか訪れる機会がありませんでした。通常の登り口である旧野外活動センターからの 記録がパソコンにはなかったので10年ぶりぐらいかもわかりません。

活動センター入口にある三室の滝を見る。朝方なので誰もいません。 昨日の雨のおかげで水量はバッチリ!! 正面から見ると3つの流れがあり、その真ん中の流れはいつ見てもとても不思議です。 一旦川底に落ちた水がそこから跳ね上がってます。 一度川をせき止めて川底がどういうふうになっているのか確かめてみたい。
三室の滝を見る野外活動センター跡

野外活動センターの跡地は『宍粟市 市民の森』となっていてブナの苗木がネットに 守られて植えられている。それだけ見ればなんともよさげな公園のようですが、 野外活動センターの建設も税金で、その撤去も税金で、 この市民の森も税金で造られています。このブナ1本の単価を計算したら とんでもない値段になること請け合いです。

駐車場には先客の車が数台ある。準備を済ませて9時半スタート。 地図を家に忘れてしまったがここは登山道が整備されているので 過去の記憶とともに登っていきましょう。 (実は駐車場の端にある東屋に登山届けの箱と地図が置かれているのを後で知る)

林道を登っていきます。その林道の終点には水利施設があったのですが それも撤去されていた。登山道の入口はその水利施設の跡地右にある。9時55分。 そこには『千種川源流 河内川源流』という標識の他『山頂まで70分』もある。 山頂まで70分とはよほどの健脚が書いたものだろう。横手に『100分かかる』と 付け加えられていた。
林道最上部にある登山口
帰りは 黄色の矢印で
ジャブジャブと歩く沢コース

杉の植林帯の斜面に良い道がありすぐ右は沢。歩き始めてすぐ左手に踏み跡があった。 気になったが記憶では沢沿いを歩いているので、それを無視して進む。 やがて細い丸木を組んだ橋がある。表面はズルズルになっていて、こんなのに 足を乗せると命の保証はない。なので沢をザブザブと渡る。 そんなのが数度ある。『山頂まで60分』という標識があると左に回り込むように尾根に取り付き 沢を離れる。

ここには分岐があった。右手が山頂に向かう登り、左は枝尾根に乗って下っている。 どうやら先ほど見た登山道入口の左にあったコースらしい。 下山はこいつを利用してみようと思う。

変な岩があった。大岩の下部がポッカリと三角形に黒い穴を開けている。 誰もがそう思うのか穴に向かって踏み跡がある。私もそれにならって穴を覗いてみた。 中に何かあればそれこそ山名の由来となる御室なのだろうが、 コウモリが1匹いるだけだった。ひょっとしたら昔には何かあったのかもしれません。
三室にあった御室?ジグザグに登る

御室をちょっと登った地点から登山道は左方向に大きく曲がる。 ところがここにも登山道入口で見た『・・・源流』の標識がある。 つまり登山道から離れて沢を詰めると源流となるらしい。 これも下山時に訪れてみようと思う。

沢の音は徐々に薄れていき、登山道は植林の斜面をジグザグに 登っていく。途中で年配のハイカーが降りてきた。ずいぶんと早い下山です。 植林の切り開きから後山連峰が望める。 そこでMXFさんから無線が入る。実は 朝方、私と同じように千種町を走行中のMXFさんと無線が繋がったのですが、 そのMXFさんは後山に登るということでしたが、ちょうどオゴシキ山の 大馬鹿門に到着したところだった。私の現在位置からして同じぐらいの時間で頂上に立てそうです。
大岩帯を抜けるブナ帯を抜ける

植林帯のジグザグ道を過ぎると、今度は大岩がゴロゴロとある所に出た。 ロックガーデンと呼ばれるポイントです。 迂回路もあるが、大岩のあいだを抜ける正規ルートを歩く。 この周辺を丹念に探索したら、先ほどのような御室があるかもしれません。

このあたりからサラサドウダンツツジがある。この山にあるとは思っていなかったので ちょっと驚きだった。鎖場のある大岩(熊岩)を乗り越えると今度はブナ帯になる。 ちょっと短い距離だったがブナも愛でることができました。 一直線に登るだけの登山道かと思いましたが、なかなか変化があって 楽しませてくれます。
パラグライダー発進基地から見る
開けた所に出る。ここがパラグライダー発進基地。開けているだけあって なかなかの展望です。我々ハイカーにとっては展望地ですが、本来の目的である 発進基地の役目は果たしているのか?ここまで重たいパラを担いでくる人がいるのか?
笹を抜けると・・・二組の登山客がおりました

頭上にはたくさんのサラサがある。写真を撮りながらチシマ笹のあいだを抜けるとそこが頂上だった。11時30分。 途中にあるはずの竹呂山への尾根ルート入口は昔は明確だったのだが、今は竹藪に埋もれていた。 山頂は先着のハイカーがいたので端っこのほうに座って食事をする。 無線はというと、 福井の頭巾山のIRC・DQK局、後山のMXF局、姫路の伊勢山のMHF局と繋がる。 そして展望はというと、これまた良好なり。
展望良し!!

展望で気になるのは、なんといっても氷ノ山から続いている分水嶺です。 とりあえず氷ノ山から赤谷の頭までは歩いていますが、そこからこの三室山までは 未知のままです。見る限りは草原のような所もありますが、そこはきっと 背丈以上の笹藪のはず。やはり歩くのは残雪のシーズンがベストだろうか。 スノーシューハイクでここから大通峠まで歩いたが、今その方向を覗いてもヤブ、ヤブ、ヤブ・・・。
頂上にもサラサオカリナする

二組のハイカーも居なくなったので、やおらリュックからオカリナを取り出す。 ここも風はあるのだが背中でブロックしながらならなんとか吹けそうだ。 数曲吹いているとどんどんと自己陶酔の世界に入っていく。 山歩きだけでもストレス発散できますが、オカリナはそれに上乗せできますからねえ。
展望プチ岩

コーヒーもいただいたのでそろそろ下山をします。 ピストンなので下山には何の苦労もありません。鎖場を過ぎたところに ちょっとした露岩の展望地がある。登りでは素通りしたのだが、 下山時に訪れてみた。そこは小さな岩場だったが大通峠から天児屋山、沖の山、東山まで くっきりと見える好展望地だった。

『千種川源流 河内川源流』の標識分岐まで降りてきました。 この標識の裏側には源流碑の設置にかかわった人たちの名前が書かれています。 その中には私の知っている人もいたので、下山時に訪れてみようと思っていました。 ところがおーっとどっこい!! 登れども登れどもなかなか着きません。せっかく下山でクールダウンしていた身体も 汗だくになってます。さすがに途中で嫌気が差してUターン。
沢コースでなく尾根コースで下る

沢コース手前でもうひとつのコース、尾根コースを選択する。 こちらは足を滑らせて水に濡れる心配もないし、道もしっかりしているので 楽ちんである。 最後は登山口のすぐ手前で正規道と合流する。

水利施設跡に戻ってきました。登りに使った林道を歩かずに 施設跡から西方向に向かう。この林道もぐるっと周回して 野外活動センター跡に降りているはずです。 利用者がいないのか路面の悪い所もあったり、薄暗い植林帯を抜ける際は 気持ち悪い感じもあった。
MTBでもよさげな林道市民の森に出ました

最後までダブルトラックが続くかと思ったら 最後は荒れた路面のシングルになり車の通過はとてもじゃないが 無理だ。MTBならスリリングに楽しめるのになあと思いながら 市民の森に出る。 数百m歩くと駐車場です。14時40分着。

兵庫県側からのピストンルートしかないのがなんとも残念です。 望むとしたら、大通峠からのルート、鳥取県の若桜町からのルートなどがあれば バラエティーに富んだ歩きが楽しめそうです。

今回の三室山の地図は こちら(約95k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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