三木自然歩道・一本松

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『三木』、『社』を参照いただくようお願いいたします。

2007.12. 9.  日曜日  晴れ  気温ふつう
篠山の松尾山でMTBするべく車を走らせたのだが、登山口に到着するとポツポツと小雨が降っていた。 「あかん、こんなんでは楽しめん。撤退や」と早々にギブアップ宣言をするM氏。ちなみに松尾山登山口へ向かっている 大勢のハイカー達は小雨なんぞなにするものぞとばかりに スタスタと歩いている。塩をふりかけられたナメクジのように軟弱MTBerな我々は雨のないエリアへ移動することに・・・。

こういうこともあろうかと、ちゃんと予備の地形図を用意しています。 それは10年以上前に楽しんでいた三木・小野のコースです。 それは超初心者向けのシングル・ダブルが混在したお手軽コース。 10年の月日を経てどう変わっているでしょうか、いつか再訪してみたいと思っていたので ちょうど良いチャンス。

どこをスタート地点にしてもいいのだが、わかりやすい三木市の金剛寺をスタートゴールにする。 篠山までの往復が時間のロスだったが、ショートコースなので焦りはない。 準備を済ませて10時40分スタート。
金剛寺の霊場から登るこの標識があったら正解

同行のM氏はすっかり記憶がなくなっていますが、水子観音横の『四国八十八所霊場』の門柱を 目印に入っていくのが正しい。本来ならここに自然歩道の標識があってしかるべきなのだが、 しばらく登った地点に設置されている。こんな所にあるからよほど詳しい人しかこれの存在を 知っている人はいない。

あまり古刹という感じのしない金剛寺だが、これでも白雉二年に法道仙人によって 創建された由緒あるお寺です。歴史好きの人なら知っているように、 三木は秀吉によって城を落とされましたが、その際に周辺の寺院同様に焼かれてしまったのです。 巡礼路は乗れずで押しますが、自然歩道の標識を過ぎて平行道になったころから全乗りとなる。
高野山遙拝所金網沿いに自然歩道がある

この巡礼路は大正13年に整備されましたが、 乗れ乗れになった地点付近に謎の門柱がある。中に入ってみると 石の机に石の花立て、きたないベンチもある。ここは高野山の遙拝所だった。 とうぜんなんにも見えません。もし見えたとしても高野山の方向には丹生山が 遮っています。

さーて、いよいよ自然歩道の神髄を行く。左手に金網がある。それが無ければ 山中を走っているのとなんら変わりがない。 現在走っているのは三木市、金網の向こうは小野市、つまり市境界を走っていることになる。 落ち葉の下にはコンクリートの杭が隠れているので注意!! それにつまずき危うく前転するところだった。
金網の向こうは小野の工業団地落ち葉のシングルトラック

金網の向こうは小野市の工業団地だ。日曜日なので人影はない。 やがて金網から離れて落ち葉さくさくの極楽シングルとなる。 周囲に何も見えないとほんと山の中だが、目の前右手にいきなり清掃センターの 巨大な施設が現れる。 ここも日曜日なのでだーれもいない。近い将来 M氏もやがてここに捨てられるのだろうか・・・。
清掃センターから左に折れる土塁の上を走る

その出口にも道標があって、近畿自然歩道は右方向に矢印が向いていた。 が、今回のコースは逆に左方向へ向かうべし。 するとすぐに舗装路は終点となる。そこは土塁になっていて、その上を右方向へ進む。 つまり、先ほどまでと同様に市境界を走ります。

ここは本来なら小野市と三木市とを繋げている舗装路のはずなのに、 わざと土塁でふさいでしまったように見える。 通行できればそれなりに便利だとは思うのだが、 なぜそうしているのかは謎。三木市と小野市は仲が悪いのか?
問題なく走れます出口にあった道標石仏

林道のような未舗装の道と出合って金網のシングルトラックは終わりとなる。その 金網トラックの終点にはなんと石仏があった。見ると道標石仏だ。みずみずしい生花が活けられており、 民家から離れているにもかかわらず手厚く祀られているのがわかる。 弘法大師の彫られている正面下部には『南 久るみ 北 浄土寺』『西 加佐』『東 東條』とあった。

我々はその『南 久るみ』方向へ向かう。ゴミの捨てられている汚い道で、その先は 朽ちた廃車のあるロータリーまでそんな感じだ。しかしその先からは 昔のまま残っている山道となる。地形図にある距離よりもずいぶんと 長く感じられるのがうれしい。
ガンガン走れます慈眼寺山城に着

山道の終点は山陽自動車道を見下ろすこんもりとしたピークです。 階段を上ると金属標の四等三角点がある。標高148.2m、11時35分。

ここには三角点以外にもいろんなものがある。 まずは変な形の石がある。菱形でしめ縄が架けられている。表面にはなにも彫られていないが 横にある看板には『水神 八大竜王』とあった。こんな所に水神があるということは 雨乞いの儀式でもしていたのだろうか。

さらにあるのが横4m、縦2mになろうかという、ここから見える三木市の鳥瞰図の 大きな看板。三木市の観光協会が造ったと書かれている。 標高が低いのにもかかわらず、確かにここからの展望はすごい。 実はここは秀吉の家臣である有馬法印則頼の陣を張った砦跡でもある。
ここからだと三木市が一望できる(すぐ下には山陽自動車道)
10年前にこのピークの名前を地元の人に聞いたことがあるのだが、 思い出そうとしてもまったく出てこなかった。でも鳥瞰図に『一本松』とあったので たぶんそういうような山名だったかも。その時の話ではここから初日の出を拝むと言っていたが、 確かに良い日の出ポイントだ。

食事も済ませて12時30分再スタート。後半は『E』地点から始まる 山中墓石スラロームのダブルトラックコースです。 その『E』地点までどう行くか。まずは道標石仏のポイントまで戻ります。 標高差がほとんど無いので復路も快適に走れます。

計画では『い』から『は』を経て、さらに『に』をたどって『E』に行くつもりでした。 ところが道標石仏ポイントから右に折れてすぐ、廃車を積み上げた施設の横手を通過しようとすると 放し飼いのシェパードが吠えながらこちらにむかってきます。 あわてて撤退。

あんな狂犬を放し飼いにしているとは思いも寄りませんでした。 気を取り直して工業団地内からエスケープできるような山道を探しましたが見つからず。 しかたなく普通の舗装路を走って地形図にあるため池まで行く。
亀池の堰堤を行く古い石碑発見

このため池は『かめ池』という名前で、この池を含む小野周辺には『水辺の楽校』という ものが造られつつあるようだ。堰堤には ゲートがあるので車の侵入は出来ません。ゲートの横手から入りそのまま堰堤を走る。 これで一安心と思いきや『に』にあるはずの点線ルートはまったくの廃道状態だった。 しかたなく奥にあるもう一つの池にも行ってみる。

こちらは『鶴池』という名前だった。こちらにも踏み跡すらなかったのでいよいよ 進退窮まる。仕方なく引き返して舗装路で『E』へ向かう。 舗装路を走るのはいやだったので極力シングルトラックを探してみたが 今回は空振りが多かった。しかし、 時間があればその周辺にある巡視路も探検出来たと思う。
ようやく後半コース突入だんだん良くなる

県道から小野東洋ゴルフ場に沿ってあるダブルトラックが第二ステージです。 昔は全線未舗装でしたが現在は舗装が多いです。 とにかく右にあるゴルフ場にさえ入らなければなんのトラブルもないでしょう。 分岐『F』に注意して、標高点134からは山道らしくなってくる。
墓石スラローム快走 その1

とにかく道なりにどんどん直進すれば自然とゴール地点には到着出来ます。 途中にある分岐は地形図に記載されているものもあれば、無いものもあるので 地図の読めない人は安易に踏み込まない方がいいでしょう。 この山道の途中にはいくつかの墓地がある。 つまりこの山域全体は墓地と言ってもいい。年寄りがお参りするには いかにも大変な墓地ですけど。
快走 その2住宅地へ出てゴール

落ち葉を蹴散らしながらやがてゴールへ。そこは山田町の新興住宅地の最奥。14時10分。 山中では夕方のように感じたがまだ14時だ。 そのまま舗装路の最短コースで金剛寺を目指す。 今回のコースは難易度は超初心者向けです。時間があれば枝道探索もおもしろいかも。

今回の三木自然歩道・一本松の地図は こちら(約150k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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