鏡山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『菟原』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 3.25.  日曜日  曇り後晴れ  気温ふつう
福知山市三和にある鏡山は 去年の5月に たぬきさん夫婦、かねちゃんと共に登っています。 登り口も当日に探り当て、下山路もこの辺に下りるやろうという 想定で適当に車を置いておくという、まさに行き当たりばったりの計画でした。 当然のこと登山道もない山でしたが実際は見どころもあり、雑木林の中に道も現れて、 予想以上に楽しい山行きが出来ました。

「別ルートでまた登りましょう」の約束をして別れましたが、今日はその日となりました。 昨日からの雨が心配でしたが集合の時間までには上がりそうです。 前回と同じくかねちゃんが到着する前に登り口と下山口をたぬきさんと探索します。 下山路は加用の公民館裏から大身へ抜ける峠道がよかろうと現地へ行くと、公民館奥の 民家の裏からその峠道はありました。ちょうどその民家のご主人がいたので聞いてみると 「一輪車でも大丈夫なええ道や」と言う。それは危険やし無理やろ!! 子供が乗る一輪車を想像していたが、おじさんが言うのは手押しの一輪車の事だと判明。(^_^)v

登り口は下川合からと考え、前回別コースでたどり着いた『馬刺し峠』への峠道を探す。その前に『宇麻谷神社』へ立ち寄ってみる。 漢字こそ違え同じ『うま』の読みになっているのは、この神社が馬刺し峠に由来した神社 からだと聞いています。本殿を覗いてみると押し絵で出来た絵馬も飾られていました。 峠の由来などが書かれたものはありませんでしたが、何やら奇妙なものもありました。
謎のカエル

透かし彫りの欄間?を観ると水際に立つおばあさんがなにやら木の枝を持っていて その下にはカエルがいます。烏帽子をかぶった男性ならば花札に出てくる小野道風を 連想するが、この絵柄はなにを表しているのだろうか?さらに謎を増すようにその欄間の前には 焼き物のカエルもあった。

峠道の入口も確認でき、近くにあった墓地には数台が駐車できることも判明。 そろそろ時間なのでかねちゃんとの待ち合わせ場所にしている三和町役場に やってくると、ほどなくかねちゃんもやってくる。さっそく下川合の駐車ポイントに行く。 道路は濡れているものの天気は回復に向かっています。

下草で濡れるだろうということで雨具のズボンをはくが、肝心の 登山靴を忘れてしまっており、履いてきたスニーカーままのスタートとなる。10時10分。 峠への道はちょっとした林道のような感じで始まる。 流れを右に見ながら登っていくが、ふとその対岸を見ると 向こうの方が正規の峠道のようだ!!と思うまもなくこちらのニセ峠道は 終点になってしまったので対岸へ渡る。
林道から対岸の峠道へスイッチ何があったんかな?

岩をくりぬいた(あるいは自然に出来た)祠を発見する。 石垣やら、石を積んだ階段もあるので、なにかが祀られていたのは間違いない。 なんかの痕跡がないものかと、そこまで登ってみるが何もありませんでした。 石仏でもあったのかなあ・・・。
棚田跡が続きます

奇妙な段差が道沿いに現れます。どうやら古い棚田跡のようだ。 戦後、昭和30〜40年ぐらいに放置された棚田ならまだその姿を保っているので すぐにそれだとわかるのですが、ここのはもっと古くてほとんど自然に帰りつつあった。 峠も近い高度なのにこんな所に耕作地があるなんて驚きです。 「きっと隠し田だったんやろね」とたぬきさん。
馬刺し峠に着鏡岩だ〜!!

古い棚田跡があるために、峠道と棚田の作業道とが交錯している箇所もある。 地形図を読んで右の谷へ行く。傾斜も急になり、はたして馬が登れたのか疑問も浮かんでくる。 そうこうしていると峠が見えてきた。明確な鞍部ではなく割と広い雑木の尾根の一部分だ。 11時。

下草もなく明るい峠です。そこには前回発見した 岩を組んだ祠と地蔵菩薩の石仏がある。1年ぶりの再会だったが その間に何人の人がここを訪れたのか石仏に聞いてみたい。 その石仏の前には手向けたものが根付いたのかお茶の木が1対生えています。

峠の北にある下川合からは1本の峠道だが、峠から南方向には2本の峠道がある。 1本は前回登りに使った梅原からの道。もう1本は菟原へ下る道だ。 その菟原への道を10mも行かない内にその鏡岩がある。 写真のような巨岩でその表面は平で鏡の名前が付いたのだろう。 鏡山の名前もこれが元になっている。

石仏の裏から登り始める。前回と違い落葉した木々の間から下界が見える。 急登りをクリアー、藪っぽい尾根もクリアー、そうそう露岩のあるこの尾根も歩いたっけ。 1年前の記憶が戻りつつある。やがて最高ピークである鏡山に着く。11時55分。
鏡山頂上

狭くて窮屈なヤブの頂上だと記憶していたが、芽吹き前のためかちょっと広く感じた。 北へ派生している枝尾根も確認できて、覗いてみると楽に歩けそうだった。 昼食の時間でお腹が減ってきたがこの先の権現平で食べようということで 先を急ぐ。
波がうねっているような尾根権現平に到着

「ここが雑木林だった昔はよかったやろなあ」 今は見える限り植林帯で暗いが、 波打つようなアップダウンのある奇妙な地形は、もしそうだったら 歩いていてもおもしろいだろうなあと思わせる。 そしてそれは不思議な空間、権現平に導いてくれる。

大身のおじいさんがここに権現の社跡があるはずと言う。今回はそれを 探すのも目的の一つでした。三人で手分けして周囲を探してみる。 どれぐらいの樹齢かわからないが杉の巨木が数本あり、いかにもなにかがあったような 雰囲気はある。(加用の下山口のおじさんも何か建物があったのではと言っていた)

猪のヌタ場はあったが社跡はとうとう見つからないままにそこでお昼にする。 止まっているとやはり風が冷たい。食後のコーヒーをいただいて 下山開始です。

地図のE地点から道が現れて、それは大身にある神社まで雑木の中をずっと明確に 続いています。前回はそれで気持ちよく下ったのですが今回もそれを利用する。 その前にE地点を探索してみる。大身に下る道があるのなら加用に下る道もあるのでは?と 思ったからです。予想はどんぴしゃで、植林の中のトラックを発見。 加用のどの辺に下っているのか気になるなあ。
450の南斜面のあふれる雑木!!

周辺の雑木林を眺めながら下っていく。かねちゃん、よそ見をしながら歩いて転けないようにね。 前回はしっとりとした印象が強かったが、今回はカラッとした感じだった。 やがてテレビの共同受信施設のある所になるはずだったが、そこで林が無くなっていて 赤土の林道が横切っていました。
テレビアンテナ地点に着林道から古道取り付きに着く

たった1年のことのなのに劇的変化です。なんのための林道工事かはわかりません。 おかげで?ここから五条山の西にある電波塔ピークがはっきりと見えています。 アンテナ施設の横を下れば前回下山した神社となるが 今回はこの赤土林道をたどって途中から加用への峠道を 見つけなければならない。

その取り付きはすぐに見つかりました。そこまでは伐採の手が入っていましたが そこから奥は昔のままの峠道が残っているようです。ここまでくれば安心。空を見ると 晴れ上がっているので小憩ついでに雨具も脱ぐ。 身軽になって古道に入る。入ったところに水の湧き出ている所があって塩ビパイプで取水されていた。 昔は峠を行く人が飲んだだろう。
快適な峠道作業小屋があった

歩きよい古道です。これなら一輪車も押して行けそう。足元はふきのとうだらけだ!! いつもならあるはずの倒木が不思議なことに1本もない。さらには左右のヤブが刈り払われている 所もある。なんでやろうと前を見るとなんと作業小屋があった。誰かいるのかと覗いてみる。 ドアすらないが薪ストーブもある。寝泊まりは無理だが休憩に使用したような形跡があった。

外にはU字型トタンの滑り台がある。上で切り倒した比較的小さな木々をこれで 滑り落としているのだろう。上に登ってこれで滑り降りたい衝動にかられるが たぬきさんに止められる。ここからだとかねちゃんが登ったという雲石嶽(566.9)から五条山までが くっきりと望める。
一輪車OKな道ゴールは間近

一輪車も行けるかもしれないが当然ながらMTBもOKな峠道だ。 山腹を巻く道からやがて谷へ下る道となる。まっすぐに下っているので MTBならオーバースピードで怖いぐらいのトラックです。 この谷も棚田の跡が多くある。
加用に着きました

朝方出会ったおじさんの自宅が見えてゴールとなる。15時15分。 雨の上がった直後なのでショートコースにしたつもりだったが けっこうな時間になってしまいました。歩きがのんびりだし、寄り道が 多いんです。おじさんちの先にある公民館にやまあそ号を止めてあったのでそれで帰路に着く。 今回も楽しめましたね。

今回の鏡山の地図は こちら(約170k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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