大山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『伯耆大山』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 7.28.  土曜日  晴れ  気温ガス
OAPさんが大山のユートピア小屋へ行くという。 去年行きたかったのを思い出して同行をお願いする。 するとたぬきさん夫婦、kokoさんも手を挙げて仲間入り。 車は2台になるが無線があるのでだいたいの時間を決めて中国道を走りながらの合流となる。 OAPさんの予想だと梅雨明けの最初の休みなので大山は混雑しているかもしれないと言う。 中国道から米子道へ乗り継いで溝口ICで下車。

高原の道路を北上して行くと桝水高原から大山寺のある 宿泊地帯まではあっという間だ。 一番便利の良い小さな駐車場は満車だった。 そこをパスして大山国際スキー場方向へ少し走るとだだっ広い無料駐車場がある。 そこをありがたく利用させていただき9時出発。 周囲に止めてある県外ナンバーの車はすべてハイカーのたぐいか?
広い駐車場でタダ日本一長い石畳を行く

大山寺への参道を歩く。その大山寺の山門前から左に折れて 今度は大神山神社の鳥居をくぐる。ここから奥宮までは 日本一長い石畳の参道を歩くこととなる。神社とは言いながら石畳の 両側にはいろんな石仏があった。それらを丹念に見ていくとそれだけで一日が つぶれてしまいそう。

滑りやすい石畳の終点には大神山神社奥宮がある。 祭神は大己貴神(大国主命)だという。檜皮葺の立派な奥宮だった。 そもそも大山の古名は大神山と言われて神宿る山だった。やがて 修験道、仏教にも影響を受けてピーク名などにその名残がある。

本殿の横手から登山道がある。一歩踏み込んだらそこは巨木が 立ち並ぶ別世界です。神域なので伐採を免れたために巨木だらけです。 さすが大山やなあ。やまあそが行くチマチマした コースとはスケールが違います。
分岐を左(下宝珠越)
帰路は 黄色の矢印を下る
巨木の中を多くのハイカーが行く

150mほどで分岐があった。正面を行くのかと思ったら左へ曲がる。 標識には『下宝珠越』とある。 こちらもブナ、古杉が多くある。谷道は急な登りになるがそれは長く続かず いきなり林道に飛び出る。
一旦林道に出る(矢印が続きの道)まもなく下宝珠越

舗装された冶山林道で一般車両は通行が出来ない。早くも座り込んで休憩を決めている ハイカーもいるが頂上まで行けるんやろか? そこから続く登山道はさらに傾斜がきつくなり 汗がドボドボと出てくる。「さすが大山やなあ、きついわ」と前を見ると OAPさんとkokoさんはすいすいと登っていく。

よじ登るようにして『下宝珠越』に着。10時07分。右が頂上方向、 左へ向かうと宝珠山だがちょっとヤブっぽい。その宝珠山からも ハイカーがやってくる。あらっと思って地形図を見るとスキー場から 宝珠山経由のルートがあるようだ。
宝珠尾根はブナと霧ガス深し

次々とハイカーがやってくるが、中にはここに座り込んでビールを飲み出す者もいる。 燃料補給のつもりなのか、あるいはギブアップしているのか・・・。

風が強く吹いています。ガスも濃いです。 周囲はブナ。傾斜はそこそこなので気持ちよく歩けます。 小さなアップダウンを経て『中宝珠越』には10時40分。 地形図には元谷から中宝珠越までのコースが書かれていますが、現在は通行不可となっている。 「もうすぐ危険地帯やで〜」とOAPさん。母たぬきさんは少々ビビリ気味。
危険と言うほどではないですが油断は出来ませんロープにつまずきそうになる

ロープがぶらさがっているし、多くのハイカーが踏んでいるので さほど危険と言うほどの所ではない。しかし、先行者に近づきすぎると 小石が落ちてきたりする危険はある。場所によっては足元にあるロープに つまずきそうになり、こちらのほうが危険かも。 左右が切れ落ちているがガスの為に見えないので恐怖心がわかないのは幸いだった。

早くも下山者がいる。道が狭いし片側に切れ落ちていたりするのでそのすれ違いに気を遣う。 その一人が「すぐ先で滑落者が出たで」と物騒なことを言う。 行ってみると、その本人が登山道へよじ登っている最中だった。 大したことが無くてよかったが本人は格好悪いだろう。
ユートピア稜線に出た小屋横で食事

ユートピア稜線には11時45分着。ここはさらに風がきつい。ガスもさらに濃い。 逆方向にある三鈷峰も見えないし、進行方向にある避難小屋すら見えない。 ただ、足元にはたくさんの花が咲いていた。 (ここまでの登山道にもいろいろと咲いていますが割愛) 途中から一瞬見えた三鈷峰の北壁の荒涼感からして、稜線にこれだけ お花があるとは想像すらできません。さすが大山!!

5分ほどでユートピア避難小屋に着。中に入りたいが超満員のはずなので 小屋の外で食事をする。風が強くて寒いのでウインドブレーカーを羽織る。 コンロも風のためにお湯が沸かせません。 周囲は真っ白なガスでそのガスが眉毛に結露する。そういう水滴が悪さをするのか 無線もさっぱりだった。
くがいそういよふうろしもつけそう
みやまははこだいせんおだまきだいせんこごめぐさ
寒い食事が終わってリュックをデポしたままお花捜しを開始する。 カメラを片手に剣ヶ峰方向に登っていく。当然だが初めて目にする花ばかりだ。 ゆっくりと撮影できるだけの時間もあるのだが、生来の落ち着きの無さのために あたふたとシャッターを押す。これでは良い写真が撮れるはずもない。 『だいせんおだまき』に関しては何度も来ているOAPさんが知っているポイントで 見れたので、単独ならば探し出せなかったでしょう。

時々上からハイカーが降りてくる。剣ヶ峰から弥山方向は崩落のために 通行禁止のはずなので、単に我々より上にいた人が戻ってきたのか あるいは禁止のルートを縦走してこちらに来たのかはわからない。 このガスと強風なのでそこを通過するのは超危険なはず。
花を求めてうろうろさーて、下山だあ

小屋に戻って荷物をまとめ下山開始。13時50分。 三鈷峰にも寄ろうかと相談したがこのガスなので 素直に下ることにする。ガスはさらに濃くなり今にも雨になりそうだった。 そんな時間と状況にもかかわらずまだ登ってくる人もいる。

下山は『砂滑り』から降りるという。途中に小さな看板がぶら下がっていた所が その分岐だ。 そこでOAPさんからみんなに土嚢袋とヒモが配られる。 なにに使うのかというと、それに片足づつを突っ込んでヒモで固定し、そのまま歩こうというものだった。 そうすると細かい砂やら砂利が靴に入らない。
砂滑りを下る。下が見えない
OAPさんの残像が・・・
振り返ってもガス

真っ白な砂利の斜面に黒い筋がある。それは先行者がつけたものだ。 ガスで下の状態が見えないがその筋をたどれば大丈夫。 OAPさんは慣れた足取りで駈け下り、ガスに溶け込むように見えなくなる。 それにならって我々も滑り降りる。

一歩踏み込むと、ズズッーっと滑って五歩程度の歩幅を稼げる。前転することさえ 注意すれば面白いように前進出来ますが周囲の土砂もかなりの量が滑り落ちていく。 大山には『一木一石運動』というのがあって、崩壊する山頂を守ろうという スローガンです。夏道登山道は木道などで保護されていますが、この『砂滑り』に 関しては放置されてるみたいです。

土嚢袋は大活躍。底は破れてボロボロになっていましたが靴も汚れずで小石の侵入もなし。 ただ、口の中はジャリジャリしているし、カメラのレンズもうっすらと砂がかぶっている。 堰堤から振り返るとまだガスは晴れていなかったが、我々の下ってきた 『砂滑り』の谷に筋がついているのですぐわかった。 あんな急斜面下ったんか!!
最初の堰堤から振り返る
あんな急な斜面を下ったん!?
この下に冶山林道終点がある

最終の堰堤から右方向に進むと冶山林道終点である。そこから林道を歩いてもよいが、 元谷に沿って遊歩道があるというのでそれを下る。 ここもブナなどの自然林の中を縫うように道がある。 足早に下ると朝方に出会った分岐に着。 大きなリュックを担いでこれから登ろうとする強者もいた。 大神山神社には15時半着。

足取り軽く石畳を下り、おみやげ店でソフトクリームを食べ、服も着替えて車中の人となる。 OAPさんによるとまだまだ面白いコースがあるそうだ。 それと大山て思ったより近くて行きやすいねえ。

今回の大山の地図は こちら(約120k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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