畦倉池〜上槻瀬金比羅山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『藍本』、『木津』を参照いただくようお願いいたします。

2007. 2. 3.  土曜日  晴れ  気温寒い
この時期、例年なら瀬戸内沿岸の暖かい地域でMTBするのが常でしたが、 今年はエルニーニョのために暖かく雪の心配もないため毎週北摂詣でが楽しめます。 そんなわけで今日も今日とて北摂は上槻瀬へやってきました。 目的地はその近くにある高平ナナマツの森、金比羅山、畦倉池の三箇所で、それらを結ぶルートを 考えてみました。

つくしの里の駐車場を利用しようと思っていましたら、利用者以外の使用はお断りという看板があって 面食らう。しかたなく高平ナナマツの森へ向かうとそこで駐車が可能だったので 準備をする。すでに数台の車が止まっており、イベントがあるのか熟年の男女が奥でなにやらゴソゴソとやっています。 MTBを組み立ててそそくさとスタートする。9時30分。

うっすらと雪の貼り付いた林道を登っていくと最初の分岐がある。 そこには『高平ナナマツの森』のイラスト地図があり、それでルートの確認をする。 今回、私の考えたルートは短すぎるということでM氏の考えたルートを行くことにした。 (別途地図を参照してください) それはこの『高平ナナマツの森』から『A峠』を越えて市之瀬へ下る。 そこから山田川に沿って林道を北上し、点線の三叉路『C』から金比羅山の峠『E』に戻る。
ナナマツの森を行く峠Aへの登りは倒木も若干あり

峠から金比羅山に登り、 金比羅山からこんどは『D峠』へ下り畦倉池へ。再度三叉路から金比羅の峠へ戻り、 そこからは『高平ナナマツの森』へ最後の下りを楽しむという計画でした・・・。 乗れるのは『A峠』から市之瀬の下り、山田川沿いの林道はもちろん、そして 金比羅から『D峠』への尾根道、さらに金比羅峠から『高平ナナマツの森』。 と、期待はふくらみますがはたして・・・・。

それらを楽しむためにはまずこの『A峠』への登りをクリアーしなければなりません。 まあまあの踏み跡があります。倒木はあるもののそれらを除去すれば 下りに関しては高い乗車率になるような道です。 峠の反対側市之瀬への等高線はゆるやかなのでまず乗れることは間違いないでしょう。
峠はこんな感じ・・・(>_<)峠からの下り・・・(^_^)v

A峠には10時05分着。小さな鞍部だったが倒木が折り重なっておりMTBを通過させるのに 苦労する。その倒木をくぐりぬけるとハッキリとした道が下っており、おかげで しばらく乗れそうだ。と、左手に地形図にある池が見えた。 もちろん立ち寄ってみる。
峠の直下にある池下りなのにぜんぜん乗れません

緑の湖面と青空の対比がきれいで気持ちがよい。さーて、気分が良いままここからも乗れ乗れかなあ・・・ っと、期待もむなしく池から下はまったくと言っていいほど乗れません。 傾斜的には最高なのだが、倒木があったり、岩がゴロゴロしていたり、道が崩壊していたり、 さらには先ほどの池から引かれているパイプが道の真ん中にゴロンと転がっていて、 タイヤがそれに触れると即転倒だ。

文句をぶつぶつ言いながらゲートを抜けて市之瀬の集落へ出る。畑から一旦県道に出て そこから目的の林道に入る。ここにも簡単なゲートがあって その左横には神社がある。磐神社だ。小さい境内ながら推定樹齢200年の『かや』が あったり、本殿の裏にあるご神体の大岩もすごい。こら!誰や、ご神体に登る不埒な奴は!!
林道を行く湿地手前の池の堰堤に立つ

ゲートを抜けて走り始める。10時55分。ようやくまともにクランクを回せ始めた感じだ。 林道は未舗装がほとんどで 所々急な箇所もあるが(路面が急な所だけ簡易舗装になっている)、全体的に見るとゆるやか な上りと言って良い。 車が一台走れるほどの道幅だが、途中に小さな崩落があるので奥にハンターなどの 車がいることはない。

11時23分分岐手前の池に着く。堰堤に立って湖面を見ると薄く氷が張っている。 ほてった体もクールダウンだ。 この付近にあるという金比羅峠への道を探さなければなりません。 地形図にある分岐からの点線ルートは現在はまったく無いということらしい。 それを北摂の落ち武者こと新川氏が開拓したという。その入口が この近くにあるはずなのです。

その前にこの池北西の端っこに庚申塚があるというので まずはそれを探すことにする。 堰堤から林道に戻って少し行くと、いかにも見逃してしまいそうな踏み跡が林道の右下に向かってある。 そこに入っていくと・・・・。
C地点にある謎の庚申碑そこからの踏み跡は・・・

ありました!! それは予想以上にすごいものです。 塚ではなく、自然の岩に彫られた『磨崖碑』というものです。 一番上にあるのは胎蔵界大日如来を表す『アーンク』という種子に間違いないようだ。 その左にあるのが『月』という漢字なら右の渦巻きは日輪の代わりか? 誰もがわかるのが種子の下にある『庚申』の文字だ。 その下にある文字やら記号に至ってはまったくわかりません。 年号やら寄進者の文字も見あたらないのでどういう理由で、誰が、なぜ庚申を 祀るようになったのでしょうか。

この碑の奥にうっすらと踏み跡がある。地形図の分岐とは違うが たぶんそれと合流するはずのものだったのでしょう。試しに少し入ってみるが さらに奥に行くには抵抗があるような藪です。しかもこの平地は昔(40年ほど前)は 田圃だったのですが、現在は藪でしかも大湿地帯になっています。

再度、林道に戻り湿地帯に入れるような入口があるはずと丹念に探しますが まったく見つかりません。時間だけがどんどんと経っていきます。 本来なら金比羅の峠から金比羅山に登り、そこで昼食を済ませて北尾根を MTBで走破し、畦倉池へ降り立つ予定でした。 どうにも仕方なくなり、予定変更で畦倉池へ向かうことにする。
畦倉池に立つ酒井に降りる峠

ここの池もきれいな湖面です。でも雪がうっすらと地面にあるので座れないし、 風も冷たい。風を避けるような木陰もありません。 すぐ先は酒井へ降りる峠なのでその辺なら風もないでしょうし、 どんな所か気になるので行ってみます。 金比羅山から下りてくるはずの尾根を見ると明確な道もありました。 う〜ん、残念や。12時15分。

携帯も圏外、無線も無理なのでそそくさと昼食を終え、今後のことを考えてみます。 ここから酒井へ降りるか、あるいはここから金比羅山へ登り返すか・・・。 そのどちらも気に入りません。もういちど湿地帯へ戻って新川氏の造ったという ルートを探すことにします。

どれくらい探したでしょうか。もう一度原点に戻ってみようということで分岐の池の堰堤 にやって来ましたら・・・。な、なんとありました。堰堤の奥にクッキリとシングルトラックが あるではありませんか。堰堤からは見えにくく道がないものと思いこんでいたのが間違いのもと。
堰堤の奥に道があった金比羅の峠までもうちょっと

はじめはMTBで走れるほどの路面だが湖畔を離れて右に回り込んだ先で行き止まりの ような倒木の藪になる。するとそこにはテープによるマーキングと矢印で 左の湿地帯へ行くように導かれます。そこはたんぼの跡で段々になった 畦が残っている。変なところを歩くとズブッと足が泥の中にめり込むので注意。 あとはマーキングに従って進めばよい。

地形図に家屋のマークがあるが、ルート周辺にはそれらしいものはなかった。 ただ、地図にないため池の石垣とかが人の手が入っていた証拠だ。 およそ100年前には数軒の人家もあったらしい。新川ルートは 峠の方向とは違う方へ行くが、それは歩きよい箇所を選んでの遠回りと理解して、 マーキングを信頼しましょう。やがて方向を変えていき、上り始めたら すぐに峠になる。13時50分着。
金比羅の峠山頂直下のお堂

きれいな鞍部です。正面は『高平ナナマツの森』へ下る道。 左が金比羅山頂上への道。どちらもとてもきれいです。 特に金比羅山頂へ向かう参道は小枝一本落ちていませんし、 傾斜もそこそこなのでこりゃ〜下りが楽しみだ!!

頂上直下にはテラス状になった平地があり、そこには金比羅のお堂がある。 金比羅とは海の神様だと認識しているが、どうしてそれが山中にあるのだろうか? これはまったく私の想像だが、ここのお堂は頂上ではなく直下に東向けに建てられている。 真向かいには大船山がある。この大船山は太古には海に浮かぶ島であったといい、船が 繋がれていたことからこの山名になったという。

もちろん神話というか、おとぎ話というか、そういうたぐいの言い伝えであるが、 その真実は瀬戸内で航行する船からこの尖った山頂がランドマークになっていて、大船という山名を 冠したのだろうと想像する。そしてその大船山を正面に見るここで金比羅を祀るのは 至極自然の成り行きだったのかもしれません。

お堂の真上の山頂にはなにもありません。そしてお堂のあるテラス端からはD峠へ向かって小径があります。 ちょっと歩いてみるがなかなか具合の良さそうなトラックです。 ほんとはこれを下って畦倉池へ行くつもりでした。この時間からでも行けないことはありませんが 次回の楽しみに取っておき、今回は素直に金比羅の峠から『高平ナナマツの森』へ下りましょう。
金比羅参道を下る峠からの下り
スピードアップさらにアップ!!

金比羅のお堂から峠まではノンストップです。後輪をロックしてドリフトさせると 面白いようにターンして曲がれます。そして峠からの下りは ちょっと路面の荒れた所もあり注意が必要。枯れ葉の下に岩やら窪みが潜んでいます。 それさえ気を付ければここも超乗れ乗れ!!
高平ナナマツの森に入りました

高平ナナマツの森の道標分岐に出会う。目の前にある池は昭和池かな。 当然だが路面はさらに良くなる。ハイカーがいるようなら速度を落とさなければなりませんが 人っ子一人いないのでここも快走。 14時45分に駐車ポイント着。 西日に照らされた大船山がでかい。 朝方見た人達は炭焼きをやっていた。

帰宅後、電話で新川氏に今日の報告をすると、分岐のため池のちょっと南、林道沿いに 六地蔵の石仏があったやろ?というではありませんか!!あ〜っ、見逃したんか!!

追記:北摂の落ち武者こと新川氏が金比羅の北尾根を試してくれましたが、倒木やらで 乗れ乗れにはほど遠いとのことでした。歩くには大丈夫だということです。

今回の畦倉池〜上槻瀬金比羅山の地図は こちら(約120k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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