ヤッホの森〜天下台東尾根

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『網干』を参照いただくようお願いいたします。

2006. 1. 8.  日曜日  晴れ  気温ふつう
「こう寒いとやっぱり瀬戸内沿岸の山かなあ・・・」気持ちは北に行きたいのにどうにも身体が動きません。 それを知ってか知らずか、Mさんは「今日はヤッホの森から天下台山へ行くで〜」とうれしそうに 話しています。どこがヤッホなのかエッホなのかまったくわからないまま半分拉致状態で車中の人になりました。 着いたところは龍野市黍田にある神部小学校。道路を挟んだ真ん前には『ヤッホのこみち』と看板のある 無料駐車場があります。あ〜、ありがたや。9時25分スタート。今日はデジカメも忘れておりませんぞ。

小学校の横手を進んでいくと遊具施設のある『どんぐり広場』となる。 ここがヤッホの森への入口です。 案内板があるので見る。イラスト地図なので詳しいことはわかりませんが、とりあえず 遊歩道のような道で藪は無いらしい。横手には『ヤッホの森遺跡跡案内板』なるものもある。 これを見て驚いた。なんとこの山域には60基もの古墳があってその位置が示されている。
遊歩道を登っていく

遊歩道を登っていくと鞍部に着く。鞍部からも左右と正面に遊歩道はある。天下台へ向かうには右へ登らなくては いけませんが、とりあえず左のピークへ登るという。それは黍田富士と呼ばれているピークです。 姿は富士のようにピラミダルな姿をしていますが、標高はわずか166m。ジグザグに付けられた道を行くと 途中にも古墳がある。
黍田富士の頂上

展望の櫓があってその上に立つと北方面が丸見えになる。デジカメで撮影していると、横手から カ〜ン!カ〜ン!・・・・と甲高い鐘の乱打音が!!もちろんそれはMさんの仕業だが、 櫓の横にある西洋鐘のヒモをちぎれんばかりに引っ張っている。ヒモから手を放しても 慣性の法則で何十回も鳴り続けていて耳が痛いほどうるさい。ほんま子供やなあ。
黍田富士から北方向の展望

頂上から鞍部までダウンヒルです。ジグザグの遊歩道は丸木の階段もあるのでMTBで下るのは 面白くない。その遊歩道を分断するようにまっすぐに下っているショートカットコースが 面白く乗れます。鞍部に戻り、そこから南への登り返しはずーっと階段です。どんどんと登っていくと 先ほどの黍田富士が徐々に低くなって見下ろすようになってきます。

着いた所は標高201mのピーク。真っ正面に『山津屋古墳群 1号墳(6世紀後葉)・・・・』と揖保川町教育委員会の プレートがある。確かにこんもりとした土盛りの古墳です。驚くのはすぐ横手にも土盛り、その横手にも古墳・・・。 と、とんでもない数の古墳が山頂一帯にあります。
古墳だらけ・・・・

山頂は高低差が無くだだっぴろい。それがすべて古墳で埋め尽くされているといっても過言ではない。 それらを縫うようにMTBを走らす。「うひゃ〜、ええ道でよう走れるやん」 予想していなかったのでうれしさ倍増です。でもよく考えたら墓地の中を 走り回って喜んでいる不謹慎者ってことになるのかなあ。
古墳を縫うように山頂を走るお決まりのパフォーマンス

さらに不謹慎なことをしでかします。それまではこんもり小山の連続でしたが、『金剛山古墳群20号墳』は ポッカリと穴が空いていますので中に入って古墳の調査です。う〜ん、ちょっと狭いし寝にくそうやねえ。 違う物件を見たいなあ、Mさん。

道標があって『亀岩展望台へ』と書かれています。そこへ向かって 見晴らしの道と呼ばれる遊歩道を続けて走ります。高度差がほとんど無いので快適です。 左手には気持ちの良さそうな林があってベンチなども 見えています。寝そべったり本を読んだりしたら気持ちよさそう。もちろんオカリナも吹いてみたいなあ。

亀岩展望台に到着しました。何のためか?ここにも鐘がつり下げられています。ここは南方向に広がる瀬戸内海を 見る展望台のようす。遠くかすんでいますが二本のでかい橋脚は明石海峡大橋やね!! う〜ん、トレビア〜ン。

亀岩展望台にて乗れ乗れや〜〜

亀岩とはこの展望エリアの真ん中にある古墳ですが、盛り土が無くなって露出した岩のことでした。 確かに亀のようにも見えますが、雰囲気は奈良県明日香の石舞台のミニ版って感じ。 それでもこれだけのものを作った古代の人達の労力と知力には驚かされますなあ。 おっと、この亀岩も内部に潜り込めます。中で寝てみるとなかなか快適。南向け日当たり良好の1LDK。

なおも前進。ちょっとした分岐に出る。右に登って213mピークへ行くのが正規コースだが 正面に行っても正規コースと合流できるのでどちらもOK。 地形図ではその213mピークの先には送電線鉄塔があるはずだがそれらしいものはない。 どうやら撤去されているようです。鉄塔のあった跡地からは北へ下る巡視路が残っているので 気を付けよう。
森を抜け岩場へ出た原と馬場を結ぶ峠に降り立つ

森を抜け岩場に出ると前方が広がる。ついこのあいだ登った雄鷹台山、野瀬奥山、下に見える 池は黒屎(くろくそ?)池かな。なんやかんやで乗れ乗れのまま峠に着いちゃいました。11時30分。 右手の原へ向かう道は広くゆるやかで車でも通過できそう。天下台への縦走路は左の感じなので 行ってみると黒屎池のほとりから縦走路は続いていました。それにしても 寄り道やら写真撮影やらでずいぶんと時間が掛かったなあ。

いつもならこの時間になると昼食です。腹時計はすでに鳴り始めています。さしずめ池のほとりで湖面を見ながら の食事が普通ってところでしょうが、 生憎、池は全面凍っていて寒々しいかぎり。かといって、その辺の空腹を満たしたとしても天下台への登り返し が待ちかまえています。食べた直後に急坂を登ると苦しいのは間違いありません。 「上のよさげな所で食事にしよか〜」ここはMさんに従うことにして我慢。
東尾根の起点(286m)に着
空腹+汗びっしょり・・・
東尾根も快走!!

しんどくはないですが、とにかく暑い!!汗びっしょりでヘルメットのバイザーからしたたり落ちます。 立ち止まって上着を脱げばいいのですが、二人とも貧乏性なのか止まるのが惜しくてただただ前進。 「暑い〜!!」相生市と揖保川町の境界ピークである286mに到着したときは二人とも ドロドロになっていました。12時18分。

ハイキングならここから天下台山へ向かうところですが、我々MTBはここを起点とする東尾根を 下ることに。というのもMTBは下りで気持ちよく乗れることがもっとも重要な課題です。 地形図を見てもこの東尾根は多少のアップダウンはあるものの、なかなか魅惑的な距離と 傾斜です。下り始めるとこれまた乗れ乗れっす!!

展望の良いところで食事を合言葉にここまで我慢してきましたが、どうにも我慢出来なくなってきました。 「もう、降りてから食べてもええやん」とんでもない言葉を吐くMさん。 それだけは嫌だったのでMTBを放り出して「ここで食べるわ」と道の真ん中で食事を開始します。 満腹になってコーヒーも飲み、気分良く下り始めるとすぐに大展望ポイントが・・・(T_T)。
黍田富士があんなところに。先週登った笹山も
先ほどの食事ポイントもそうだったが、所々から天下台山の北尾根が見えます。 ってことは、どこかにトンビ岩があるはず。と目線を左右に探索モードにしてみると ありました!!ありました!!トンビ岩。「え?どこ、どこ?」Mさんに 方向を示しますがぜんぜんわからないと言う。

実はトンビ岩を実際に見るのは初めてです。Mさんが言うには 間近で見るとすごい迫力だとか。しかし、どうみてもトンビには見えないんですけど〜。 「あれって、トンビと言うよりもフランケンシュタインのおでこに見えるんやけど・・・」
トンビ岩や〜岩場に謎の穴が・・・

だいぶん進みました。最後は岩屋谷へ向かっての激下りです。 片手にMTB、片手は枝を掴んで足を滑らさないように慎重に降ります。 これを逆に登ったらさぞかししんどいでしょうなあ。 『相生支線14』鉄塔に着。なおも激下りのようだ。 「乗れへん所を降りててもしゃあないやろ。巡視路を行こか!!」とMさん。
鉄塔へ寄り道ゴ〜〜ル

見ると、確かに巡視路が北方向に続いています。向こうの鉄塔はずいぶんと遠いように見えて 気乗りはしません。しかし勝手に向井さんは進んでいくので後を着いていくしかない。 13鉄塔まではすぐだったがそこまでの巡視路は乗れましぇーん。このまま押しで下山かと思いきや こちらの鉄塔からは面白いように乗れます。やはりMTBは乗れてこそなんぼのもんです。

涙ちょちょ切れのまま石角の墓地へゴール。14時30分。「いや〜っ、面白かったわ」 「逆にコース設定してたらあんまり乗れなかったやろなあ」とMさん。 最近欲求不満の多かったMTBでの山行きでしたが今日は満足。 駐車場まではのんびりと舗装路サイクリングです。15分で駐車場に戻りましたが 歩いて周回してもたいした距離ではないみたいやね。

今回のヤッホの森〜天下台東尾根の地図は こちら(約150k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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