三久安山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『音水湖』を参照していただくようお願いいたします。

2006. 4.30.  日曜日  晴れ  気温蒸し暑い

この時期になるとなぜか三久安山に登りたくなります。 一昨年の今頃 に登ったコースは我ながら良いコース設定だったと自負するところですが、いかんせん、取り付きを ミスしてしまいました。素直に隧道の真上にある枝尾根から登ればよかったのに、炭焼き窯に向かう 谷道を選んだばかりに必要以上のアルバイトを強いられてしまったのです。 今回はその反省を込めて隧道ルート♪で登ります。

うまくすれば下山道と途中の林道でお花が見れるかもしれません。一人で見るのはもったいないので 参加者を募るとIRCさん、DQKさん(たぬき夫婦)、TQFさん、ゆりこちゃん(K親子)、OAPさん、 MXFさんといつもの無線メンバーが集まる。

千年水の水汲み場を越えて溝谷集落と小原集落との分岐に来ました。ここには道標の石碑があります。 『右 たじま 左 ひきハら ミち』とある。右は藤無山西の峠と若杉峠を越えて大屋へ至る。 反対の左は溝谷の集落から三久安山への林道がある。 しかし、林道ではなく、谷をたどっていくと蓮華滝から引原へ越える峠道があります。

引原にダム湖が出来たとき、この溝谷のある人が貸しボートを始められたので、この峠を越えて 引原へ通ったと言われていました。もう数十年前の話なのではたして峠道は残っているでしょうか? 去年、その峠まで行こうと思ったのですが、 蓮華滝手前で道が崩落しており引き返したことがあります。 現在はどうなっているのかその後行っていないのでわかりません。
溝谷と小原の分岐にある道標林道途中にある石仏

溝谷の集落を過ぎて地道の林道となる。私以外絶対に見逃していると思うのがこの道標の石仏。 小橋の手前にあるが、両側から倒木が倒れ込んでいるのが見え、もしやと思ったがあやうく直撃を免れていた。 石仏には大きなヒビもあるし、すでに首の所で横真一文字に割れているので直撃を受ければひとたまりもない。

大正十年九月という年号の下にあるのは 地蔵菩薩の立像で、眉毛が妙にハッキリとしておりユニークな表情をしている。左手の持物は宝珠?右手は 林道の奥方向を指さしている。さらに指の先には『れん希゛左ん江(蓮華山へ) 八丁』地蔵の 足元には『発起人 溝谷 小椋ぬい 秋武たま』 他にも小さな文字がいくつかあるが判読不明。

蓮華滝の入口を過ぎると林道の一部が川になっていて流れを越えなければなりません。たぬき号だけが 普通車なのでちょっと底スリ状態に・・・。予定通りに隧道の手前スペースに各車を駐車する。 下山は通常の梯子ルートで降りる予定なので、そこに車が置けるようなら楽勝です。 MXF号とやまあそ号で隧道からさらに奥へ行ってみるとやはりというか当然というか崩落場所があって そこで車は行き止まりです。そこに1台置いて隧道へ戻ります。
隧道手前に駐車枝尾根は植林

隧道の手前(写真の矢印)から登り始める。10時15分。案外あっさりと枝尾根に乗れた。周囲は杉の植林帯だが 踏み跡は明瞭で、やはり谷よりこちらの方が楽勝ムードを漂わせている。地面には古びた ビーチサンダルが落ちている。サンダルでも登れるって証拠やね。

薄暗い植林帯でしたがソマ道も残っています。昨日の扇ノ山に続いて今日も 登っているゆりこちゃんにはこの急登りの連続は辛そうだ。植林を抜けるとでかいモミ、 自然杉、若いブナの雑木帯になる。タムシバも頭上に。雰囲気は一気によくなり、前回 登ってきた枝尾根との合流点には11時15分。
伐採尾根に出たよ頭隠して・・・・

ここから伐採尾根になる一気に展望は広がる。あいにくかすみがあるので前回ほどのクリアーではない。 それでもこの山域では得難い展望地なので、メンバーには喜んでもらえたかな?? 何度も立ち止まって同定を楽しむ。
不思議な空間、木地師の広場ずーっとブナだよ

細い植林尾根を少し行くとタムシバが咲き誇る谷の源頭部、そこから一登りで大杉と出会う。 ここは909m標高点から登ってくる枝尾根との合流点でもある。 大杉の足元には大きな平坦地が広がっています。 前回来たときに「ここで木地師達が集まっていたりして〜」などと妄想をだいていましたが、 「案外人工的に作ったかもしれないなあ」などと言うメンバーも。

ルートはほぼ真西になりゆるやかに登っていく。山頂に近づくにつれてブナだらけに なってくるが、どれもが老木ばかりでツタに絡まれたり、風に倒されたりしている。 芽吹いて緑で覆われていればそれなりの風景だが、芽吹きはまだ先のようで曇り空を バックにすると、ちょっと荒涼としたものに見えてしまう。
山頂の出っ張り下山だよ

頂上が近づくとそれまで見えなかった氷ノ山も間近に見える。ここから見てもまだまだ雪は多い。 三久安山の北斜面にすら残雪があった。そして頂上には12時45分着。 木地師の広場からこの頂上まではなんの支障もなく登って来れました。 昔は笹だらけだったし、この頂上の周辺も笹で埋め尽くされていました。 それが現在ではまったく丸裸状態です。

三角点の周辺だけこんもりとした土盛りがあります。 案外昔はこれも祠があった跡だったりして・・・、なんて想像をたくましくしますが、 こんな山にも無粋な山頂プレートが いくつか掲げられています。それらはみんな風に飛ばされて地面に落ち そのまま自然に帰ることのないゴミと化しています。いくつかリュックに入れましたが、 これらを付けた人はそこまで考えているのでしょうか? 馬鹿のやることは理解不能です。

山頂は風が強くてちょっと寒いぐらいです。風を避けて斜面に腰を掛け食事をしていると 6〜7人のグループが梯子ルートから登ってきました。彼らはそのまま風の強い山頂で昼食をする様子。 挨拶をしがてらに少し聞いてみると、隧道より下に車を駐車して長い林道を歩いて 梯子ルートで登ってきて、下山はどうも我々の隧道ルートで下るらしい。

13時40分下山開始。梯子ルートへ向かいます。1020m+のピークから 東へ激下りの斜面を行くと鹿避けネットの残骸がある枝尾根となる。
鹿避けネットのある枝尾根

この足元の危うい枝尾根は歩きたくないのが本音だが、 ここでお目当てのイワウチワとシャクナゲがある。それらが現れると 夢中になって写真を撮るが、あわてなくても下に行くほど きれいな状態でたくさん咲いていました。 (シャクナゲはまだまだこれからでしたけど)
イワウチワ(あるいはトクワカソウ?)シャクナゲ

崩れかけている危険な?梯子を下ると林道に出る。14時50分。 林道にはこれから登ろうとしている御仁もいた。 この方も長い林道を歩いてこられたそうだが、これから山頂に登って帰るとすれば 間違いなく日が暮れてしまうだろう。

溝谷の集落付近の道沿いにはイカリソウ、ネコノメソウ、深山カタバミ、一輪草、 チャルメルソウ、などなど。MXF号は帰り時間の関係で帰路に着くが、私とたぬき夫婦だけ写真を撮るために車を停めて 撮影モードに。
ウッフン、おかまの滝

千年水を過ぎて手書きの看板を見つける。なにやろうかと立ち止まって読む。 『川上神社の「権現さま」が、藤無山から神馬に乗って西公文の里に下りたとき、神馬の 蹄の跡が右下に見える岩盤の窪みだと言い伝えられている。それを「おかま」と言っています。 その「おかま」に溜まっている砂をさらえると雨が降るという言い伝えがある。その 左にあるゆるやかな流れを「おかまの滝」と言います』(看板の本文を略しています)

雄滝とか雌滝などはいろんな所でありますが、おかまの滝は全国?でもここだけかもしれません。 ニューハーフが大挙してお詣りに来るかも・・・・。

今回の三久安山の地図は こちら(約100k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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