扇ノ山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『扇ノ山』を参照していただくようお願いいたします。

2006. 4. 9.  日曜日  曇り  気温ふつう
2週間前のことです。青が丸か、扇ノ山に登ろうと単独で鳥取までやってきましたが、登り口に考えていた 八東ふる里の森への道路が積雪のために通行止めになっていてあっさりとあきらめて 帰ってしまいました。「そんなん、3月に行くからやろ。もう4月になってるから 除雪も完了やで。広留のだいこん畑から青が丸に行こうぜ!!」ラッキーボーイ (あるいは脳天気とも言う)のM氏の提案ですからあっさりと受諾します。

「たしか、この先に通行止めの看板があったのを無視して行ったら行き止まりやってん」と私が言う。 すると、な、なんとその看板がそっくりそのままあるではありませんか。不安がつのります。道の両脇にうずたかくあった 雪はあきらかに少なくなっていますがどうなんでしょ?するとその不安が的中してしまいました。 2週間前と同じ場所で通行止めです・・・・。

ここはふる里の森の1.5km手前の地点。右に橋があって広留のだいこん畑に続いているはずだが、 こちらも工事中のために通行止め。私は勘違いしていたのだが、この広留への道は新しく造っている途中の道らしく、 古くからある広留への道はこの下流にあって、今日も積雪のために見過ごしていたのでした。 ってことで、青が丸はこの時点であきらめかい??

とりあえず扇ノ山のケルンのある登山口まで行ってみて、その時点で扇ノ山にするか、青が丸まで 行くかを検討してみることにする。準備をしていると1台の乗用車がやってきて二人の男性が降りてくる。 彼らはスキーで扇ノ山へ登ると言う。「じゃあ、すぐに追いつかれるね。お先に行きます」 と出発する。8時35分。
除雪最終地点から歩くことにする
写真の彼らはスキー登山
ふる里の森を過ぎるとデブリの林道

私もM氏も足元はスノーシュー。ただしM氏はでっかいまな板・・・、じゃなかった スノーボードを担いでいます。右に大きな滝。でも無名です。 兵庫のA渓谷なんか、階段一段ほどの落差しかなくても滝だと称して名前があったりします。 それに比べたらここは無名でも立派な滝です。 「ふる里の森から登山口までもたくさん滝があるんや」とM氏。こりゃ、楽しみやね。

20分ほどでふる里の森に着。もちろんのこと誰もいないし、営業もされていない。 ここから林道はデブリの斜面が続くので注意が必要だ。 幸いにも土曜日かそれ以前に歩いたスノーシューとかスキーやらの跡があるので それでずいぶんと楽に進める。

下を覗くと雪解けの水がゴーゴーと流れていて、小滝だが深そうな淵が見えている。 もし、ここで滑落したらひっかかる箇所もないので、まっすぐにその淵に 落ちていくでしょう。「パチンコ台の外れ穴に入るパチンコ玉の気持ちがようわかるわ・・・」 ゴルフならホールインワンやね。道中には滝があるにはあったが見る余裕なし。

林道の出合いには9時45分頃。ケルンが見えなかったので最初そこだとわからなかった。 M氏も「もうちょっと上にいかんとあかんやろ」なんて、真顔で言うので私もついついそうかと 思いこんでしまう。
ケルンが雪に埋もれている頂上が見える所まできました

登りだしてようやくこれはケルンからの登山道だったことに気が付く。ってことは、我々は扇ノ山へ登っているのであって、 青が丸なんてワープでもしない限り無理やん!!まあ、今日は扇ノ山へ登りなさいという啓示だと思って 扇ノ山を楽しみましょう。地形図を見るとほぼ点線のルートを忠実にたどっているようだった。
ブナに標識??ゆったり稜線歩き

1130−1194−頂上を結ぶ稜線出合いには10時35分着。そこのブナの幹には古い標識が打ち付けられていた。 夏場だと道から外れているし、その位置、高さから見て冬道を示す道標なのかと思った。 その向こうには扇ノ山頂上にある避難小屋も間近に見えている。 「近いようやが、しんどいんやで〜」と、M氏。あたしゃ、まな板持ってないからしんどくないよ。
振り返るとこんな展望だ

振り返ると鳥取兵庫の県境に沿うようにある山々が見える。写真は下山時のものだが、 登る時は黄砂のために良くなかった。黄色の矢印方向がケルンのある登山口方向。 ここから見ると青が丸はずいぶん遠く感じてしまう。ましてや氷ノ山はというと はるか黄砂の向こうだ。文太郎はその県境尾根を歩いたというから驚くね。

M氏はこのルートは二度目だが、前回はこれほどの積雪ではなかったそうだ。 雪質は悪いが頂上からは傾斜があるのでスノーボードも楽しめそうだと言う。 今日の足跡は無く我々がこのルートでは一番乗りで山頂へ登っている。 それにしてもスキーの二人組はずいぶんと遅いなあ。途中で追い越されると思っていたのだが、 頂上直下まで来ても姿が見えません。ひょっとしてあきらめたとか・・・。
頂上はもうすぐや避難小屋の周囲

11時03分着。頂上は無人でした。無人もさることながら、この雪ったら!! 避難小屋の周囲は雪のバリケードです。氷ノ山の頂上などは風で雪が吹き飛ばされるためか 案外積雪が少ないのですが、ここは超たっぷりです。 小屋でご飯にしますが、M氏は薄暗い一階の部屋で座り込んでいます。 二階のほうが明るくて良いのになぜ??どうやら靴を脱ぐのがめんどくさいらしい。

やはり二階の方が気持ちがよい。外に人がいたとすると、ちょうど二階で視線が合う高さになっています。 食べていると続々とハイカーがやってくる。姫路コースで登ってきた人の話によると我々より1時間余計に かかっているようです。大ズッコの方からやってきた方もいる。しかし、あの人もこの人もどうみても70才ぐらいだ。 こんなに元気なら年金なんていらんのとちゃうん!!

「ちょっと滑ってみるわ」 食後M氏は老人達に負けじとばかりに山頂からスノーボードで斜面を駈け下ると言う。 ブナの谷に向かってみるみる小さくなっていく。滑るのはいいけれど登ってくるのはたいへんやと思う。 10分ほどは帰ってこないでしょうからちょっと無線でもしましょう。ちょうど三の丸で 昼食のOAPさんと繋がる。生憎電池が少なくて長く会話が出来なかった。
かっこええやん私も負けじと・・・

スキーの二人組もようやく登ってきて小屋で食事をするようだ。山頂に着く頃から 気になっていたのは、遠くからエンジン音が聞こえていたことだ。それはだんだんと近づいてきて やがて爆音となって山頂にやってきた。スノーモビルである。 音もそうだが、ガソリン臭がきつい。ブナの山には不釣り合いな連中だった。 さっさと帰ってくれ。

M氏も無事に山頂まで戻ってきたので下山とする。12時40分。 とりあえずM氏は快適に滑ってくだります。私も尻セードで追いかけます。 尻セードは方向の制御がむずかしくて下手するとブナに衝突するか、谷へ滑り落ちそうになったりする。
雪庇もある助けて〜

パノラマ写真を撮った地点でスキーの二人に抜かれました。彼らはあっといまに見えなくなってしまいます。 う〜ん、スキーは早いなあ。バリバリとエンジン音の方向を見ると スーモビルの連中が畑ヶ平の大根畑で爆走していた。そもそも扇ノ山ってスノーモビルOKなんやろか? 扇ノ山の頂上も視界から消えて、登りで苦労した激斜面に差し掛かる。 雪は腐り始めていてスノーシューでは苦しい下りだった。 へっぴり腰でズリズリ下るのはつまらないので、前に障害物がないことを確認して尻セードで一気に下る。

雪に埋もれたケルンの登山口には13時40分。あとは林道を戻るだけ。デブリは腐っていて いよいよ滑りやすくなっている。M氏を先頭に立たせて安全を確認して私も行く。 時々先頭のM氏は片足を滑らせている。両足滑らせば谷底の淵にホールインワンだ。

駐車ポイントには14時40分。空を見上げると朝方の天気が嘘のように青く晴れ上がっている。 スキーの二人はもちろんもういません。我々も着替えをして帰路に着く。 「この調子なら青が丸は今年は無理やな。道路の除雪が終わった頃には山にも雪はないやろし・・・」 「そや、スノーモビル買ってそれで登ろか!!」

今回の扇ノ山の地図は こちら(約140k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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