大段山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『神子畑』を参照していただくようお願いいたします。

2006. 7.15.  土曜日  晴れ  気温蒸し暑い
地形図を見ると大段山と立派に山名も書かれており、三角点もある立派なピークなのですが、 千町の集落へやってくると、どうしても千町ヶ峰、段が峰、あるいは笠杉山へと 足は向いてしまいます。これらの山と比べると標高も低いですし、千町の集落から眺めても はっきりしない山容なのがマイナス要因なのか。 登る人が少ないならこの際やまあそが登ちゃいましょう。

3週間前と同じように百千家満(おちやま)から舗装路を上り詰めると 今年の4月にできた 草置城 が出迎えてくれる。前回は新築のお城見学だけで 終わったが、今回はその裏手から始まる255段の階段を上り詰めて 三角点のある頂上に登ってみる。

朝が早かったせいか、まだお城の扉には鍵が掛かったままで、その横をすり抜けて裏手に回る。 そこから木製の階段道となる。今日も湿度が高いのかさっそく汗が・・・。 段数は数えなかったがあっというまに頂上になる。
255段の階段道山頂がほんとの城跡です

山頂には四等三角点と立派なベンチ、『標高601.6メートル』と書かれた白杭、 さらになにやら白いビニールで覆われたもの・・・。どうやら観光地の展望台などにある 双眼鏡のようだった。周囲の展望はまあまあで、藤無山、三久安山などが 確認できるが、わざわざ双眼鏡で見るほどのものでもない。

頂上はさほど広くない。 左右にプラ階段の巡視路があって、左に下った所にも一段フラットに なった所がある。逆に右に下っていけば、距離はそうとうあるが大段山へ 行くことも可能だ。

車に戻り、登り口のある千町へ向かって走り出す。ピストンするつもりはないので この道路のどこかに降りて、そこから帰ることになるのだが、どの辺から降りるのが よさそうか左斜面を見ながらの運転となる。
大段山の登り口

車を止めるのによさそうな場所がない。若一神社の左手に上千町の集会所と 広場があってここがうってつけの駐車場になっている。たまたま神社に参拝の 地元の人がいたので許可をもらう。9時55分。

登山口の標識は掲げられているものの、見過ごしやすい角度です。 ネットをすり抜けて進むと今度は鉄網のバリケードになっている。それを開けて さらに進むとログハウスに出会う。近寄って見ると生活の雰囲気があって 使用しているようだが、薄暗い谷で裏手には数基の墓石があるし、 せっかくの憩いのログをなんでこんな所に?
薄暗い谷に謎のログ郵便道を行く。向こうが峠

ここから正面の激斜面を登れば稜線に出るのはわかっているが、ログ手前の右斜面を見ると 小径が登っているのが見えた。山の方向的には逆方向だが、地形図にある点線ルートの 鞍部に向かっているんじゃないだろうか。その鞍部が見える頃、正規の点線ルートと合流して 鞍部に着。10時10分。

この点線ルートは『郵便道』と呼ばれていて、千町と黒原を結んでいます。名前の通りに ここを郵便局の職員が自転車を押して千町まで郵便物を運んだという由来がある。 昔にMTBがあればずいぶんと楽しめたルートだったのではないでしょうか。 その鞍部には期待した石仏等はなく、向こうはどうなっているのかと覗いてみる。 な、なんと、向こう側は鞍部手前まで林道が来ています。ありゃ〜、情緒ないなあ・・・。
稜線を行く頂上間近、松林になる

稜線からは登っていく一方ですから迷うことはありません。 右手は自然林、左手は植林が続きます。 北方向に開けた所もあり立ち止まります。 暑くて汗びっしょりになりますが、なにより腹が減ってたまりません。 920mの分岐ピークで小憩しておやつを食べます。 ここから急にゆるやかになり、植生も右植林、中央から左は赤松となる。

松林ということは秋には入山するとトラブりそうです。 前方に山のシルエットが見えないということは頂上はすぐでしょう。 左方向には千町が峰がよく見えます。
大段の名にふさわしいフラットな頂上。実際は薄暗い

いきなりフラットで広い所に出ました。その向こうは下っているのでここが頂上か? 地形図を見ると三角点は右手方向のようです。そっちは薄暗い植林帯で 赤テープが続いています。尼崎山の会の白い杭と足元にはきれいな二等三角点があった。 11時ジャスト。標高966.0m。それにしても、どうも違和感が漂うなあ。
聞くと見るでは大違い??(ピンク矢印は三角点)

それは麓にあった看板が原因です。そこにある大段山の頂上には熊笹の中に先ほどの白杭が 立っているという写真ですが、実際は熊笹など下草はまったく無く、真っ暗な植林の中に 白杭というのが現在の状況です。2年や3年でこういう状態に変化するわけもなく、 この写真はいったい何十年前のものなのでしょう?? 白杭も成長してますねえ・・・・。(この写真1994年4月10日のものということです。OAPさん談)
西から北はゆるやか斜面

とりあえず先に進んでいきます。相変わらず松林が続き、右斜面は地形図通りに ゆるやかになっていてMTBで走り回りたい衝動にかられます。 この地形は自然が造ったものか、あるいは砂鉄などを摂ったため なった人工のものでしょうか?

一旦下って登り返した最初のピークが930mほど。ここはちょっと暗いのでその先で 食事にする。11時30分。OAPさんは大山、たぬきさんたちは扇の山。 大山は無理としても扇の山ならひょっとして無線も繋がるかも。予想通りに 食事が終わってゆっくりしていると扇の山からの電波が届く。 向こうはガスっていて展望は良くないらしいが涼しいらしい。こちらも案外と涼しくて 快適です。
食事ポイントから南の枝尾根で下山する

当初の予定では915mピークから800.3mの三角点を経て道路に降りるつもりでしたが、 今日の天気では帰りの舗装路で熱中症になりそう。さらに早く下山しないと 夕立もやってきそうだ。そう考えて現在地から南に下っている枝尾根で 下山することを考える。そうすると舗装路の歩きが半分になる。 食後にアイスコーヒーを2杯飲んで、オカリナもやって12時半下山開始。

問題なく下れます。だれかもここを利用したようで赤テープのマーキングもある。 でも人のマーキングは信用しない性格なので地形図とコンパスを頼りに 下る。実はもうちょっと上でゆっくりしようと思っていたのだが、 周囲で人の話し声がして気味が悪かったのです。それは遠くになるでもなく、 近づいてくる出もなく、しかしハッキリとした声でした。

迷うこともなく順調に下っていきます。足元は古い枝打ちの跡もあるので 仕事道として使われた尾根だったのかもしれません。まもなく地形図にある 点線ルートと交わるはず。
点線ルートの鞍部着こぶしの村に降りました

その交差点には13時ジャスト。左右に踏み跡がある。この道はなんのための道だったのだろう? 昔から川沿いにも道はあったと思うのだが・・・。その踏み跡を下っていくとやがてしっかりとした 石組みの段差が数段ある棚田跡に降り立つ。周囲は植林のため暗い。 その向こうは千町と草木を結ぶ舗装路のはず。そう思って飛び出すと、なんと こぶしの村の真っ正面でした。こんな所に出るんか〜。13時10分。

そこから20分ほど舗装路を歩くと若一神社です。やはり途中は暑くてバテバテに。 ショートコースの周回にして正解でした。きれいな流れがあったので顔を洗ってすっきりします。 神社に帰って時計を見ると13時半。ずいぶんと早い下山になってしまいましたが、 笠杉トンネルを通過する頃には雷を伴った大雨に。これまたショートにして正解でしたね。

今回の大段山の地図は こちら(約100k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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