小野豆高原

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『二木』を参照いただくようお願いいたします。

2006.11.12.  日曜日  晴れ  気温寒い

今日もMTBでの山行きです。ほんとは千種の舟木山から鍋ヶ谷山〜駒の尾〜ダルガ峰〜長義山と 縦走をたくらんでいました。丹波のたぬきさん夫婦も同じコースを逆に歩くようなのでどこかで 出会えそうです。ところが、 千種スキー場に近づくにつれて風は強くなるし、雪は降ってくるしで、私とM氏のテンションは どんどんと下降していく。車の車外温度計は0度を指しています。体感温度は さらに低いでしょう。「こら、あかんで。やめよか〜」登山口にはたぬきさんの車はあったが それを横目に素通りして千種スキー場からダルガ峰林道へと・・・。

その途中で舗装路を歩いているたぬきさん夫婦と出会う。彼らはバッチリ冬の服装で我々とは心構えからして違う。 長義山へ登る取り付きを探しているようだ。「こんなに寒いとあきまへん。ばいばーい」あっさりと お別れしてダルガ峰林道にある駒の尾登山口へ寄ってみる。徐々に天気は回復の兆しを見せているが、 こちらも寒い。 「どうせ乗るならベストのコンディションで乗るべし。今日は別の山へ行く!!」 とM氏はキッパリした口調。逆らうと恐ろしいのでそれに従う。

で、やって来たのは上郡の小野豆高原。こちらは青空が広がって車の外に出ても 暖かくて凍死の危険はありません。駐車ポイントはため池の横にある真新しい墓園の 駐車場を利用する。きれいなトイレもあるのでラッキー。11時30分スタート。 普通ならお昼にする時間だ。千種へ寄ったのが痛かったなあ。
墓園から見た小野豆高原突如現れる隠れ里

一車線の細い舗装路を登っていく。時々行き交う車出会う。それが無ければ こんな奥に集落があるとは誰も思わないだろう。千種での寒さが嘘のように 汗がドバドバ出てくる。カーブを回った所で いきなり小野豆集落が姿を現す。12時。

小野豆の集会所の右手には自然歩道の標識があり相生の矢野町へ続く。 そして看板には『ここ、小野豆の集落は寿永4年壇ノ浦の戦いに敗れた平家一族の 重臣平経盛が4人の家来と共に源氏の追っ手を逃れ、この山里の地に落ちのびてきたと 言い伝えられています。・・・後略』

ざっと見た感じでは10軒も残っていないでしょう。舗装路の左手に こんどはイラスト地図で『平家落人伝説の案内板』があり、ジャンジャン穴の事が 書かれています。では、さっそくジャンジャン穴へ行ってみるべ。

細い道の途中には崩れかけた土蔵とか井戸、そして廃屋がある。M氏が廃屋で雑誌を見つけたので それを広げて見ると昭和36年の雑誌だった。最新の冷蔵庫の特集記事がある。 この家には冷蔵庫があったとは思えないし、そもそも当時この集落には電気は来ていたのか それからして疑問のあるところだ。そういえば我が家も36年には冷蔵庫は無かったなあ。
ジャンジャン穴で暮らしてみる?自然歩道分岐

中に向かって声をかければ『ジャンジャン』と反響するという ジャンジャン穴は廃屋のすぐ先にあった。 M氏は古墳じゃなかろうかと言う。 穴の前は小さな広場になっていて、テーブルとベンチもある。 さて、落ち延びた平経盛一行はこのジャンジャン穴で暮らしたという。 ところが川に流れたナスのへたやら鶏の鳴く声から、追っ手に探し出され 経盛は自害し、この上にある平家塚に葬られた。

五輪塔のある平家塚からは家島群島やら平家が惨敗した屋島も見える。 ここから道は未舗装となるが平坦なので楽ちんでスピードも増す。 すると自然歩道の道標のある分岐に出会う。『平家塚ふれあい公園0.7km 鞍居バス停3.7km』とある。 自然歩道をたどるなら、石仏のある分岐を右に下っていくといい。最初は階段だが、昔どおりなら その後は乗車可能のはずです。

小野豆高原へむかうべく正面を行く。ゲートにあった鎖と鍵はなくなっていた。 そのためか、すぐ先にあった広場にはトライアルバイクの集団がいた。 う〜ん、嫌な予感。 「三角点のあるピークはこの辺を左やけどなあ」とM氏。 それは赤土広場の手前を右に登ります。 四輪駆動ならなんとか登れそうな道を行くとすぐに山頂となり一番奥に送電線鉄塔がある。 13時。
鉄塔のある小野山頂上温めるとおいしい

お昼ご飯の前に三角点を探す。ちょっと変なところにあるので探してみてね。 四等三角点(標高444.5m)の横手にはヤブ山のプロ、大柿さんのプレートがあった。

周辺をうろついたが展望は皆無なので風が避けられる鉄塔下でお昼にする。 食後はコーヒーとたぬきさんから頂いた大判焼きを食べる。 そのたぬきさん達は無事に駒の尾から舟木へ縦走が出来ているようだ。 同じように寒いという黒尾山のOAPさんとも無線が繋がる。
赤土広場を抜ける。バックは小野山

赤土広場にダウンヒルして次なる目的地祇園山へ向かう。この周辺はゴルフ場に開発される 予定だったらしい。確かにゴルフ場になりそうな地形である。 そこからもダブルトラックが続く。それにしても枝道が多い。 初めて来た人ならどこを走れば良いのか迷うのは必至。
ダブルトラックを快走祇園山にある祠

どっちを走ろうかと迷う分岐に出た。昔走ったはずだが記憶は無い。 オフロードバイクのわだちは左に折れているが、正面の登りを選択する。 大きく登って大きく下ると先ほどの道が左に見える。ってことは、左の道を 走れば楽だったのかもしれないが、しんどくても稜線を忠実に辿るのが無難なのだ。

ヌタ場の分岐を抜けるとまもなく頂上だ。バイクの道は380ピークの南にある ため池に向かっていると思う。そちら方向からエンジン音が絶え間なく聞こえています。 下山はそちらに向かおうかとも思ったがバイクとかち合うのも嫌だし、行き止まりなら 引き返すのがしんどい。

とりあえず祇園山の祠に着きました。14時10分。すぐ裏手にTVの受信施設と三等三角点(標高435.6m)がある。 当然の事ながらここにも大柿さんのプレートがある。 ここは地元では『雨の神社』と呼ばれているように雨乞いのための山らしい。 二つの石の祠には木像が収められており、それを水で濡らすと雨がふるという。 祇園の名前があるところから、ひょっとしたら木像は牛頭天王かもしれません。

周囲を詳しく調べる時間が無くそそくさと出発。道があったのでそちらを行くといきなり行き止まり。 引き返して小野山付近から下山しようかと相談する。しかし、 大柿さんは稜線をたどっているので我々も行ける所まで行ってみようということに・・・。 M氏はあまり乗り気では無い。

道らしきものはあるのだが、放置された間伐材で足の踏み場もない。つまり乗れないということ。 「なんやこれ〜!!」と怒るM氏。 すると右下に林道が見えたので稜線歩きをあきらめてそちらへ降りる。 この林道は稜線のすぐ下を離れることなく付いているようだ。 今日はダブルトラック三昧やなあと下っていくと 「ちょっとストップ!!」
送電線鉄塔跡

巡視路にあるプラ階段を発見。地形図にはあるのに頭上には送電線が無いので いぶかしく思いながら巡視路らしき踏み跡をたどると、 切り開きの展望地に出た。そこはどうやら送電線の鉄塔跡で、地形図にある送電線は 撤去されているのだった。

時間があれば展望を楽しみながらお茶などしたいところだが、下山のルートを探さねばならない。 そのルートだが、今日初めて見るきれいなシングルトラックがあった。 きっと巡視路の続きなのだろうと下るも30mほどで道は消滅。 「あかんなあ、林道へひきかえすかぁ」しかし、正面の谷は不思議な雰囲気があった。 MTBを置いてそこへ行ってみると足元に陶器の花筒が転がっていた。やはり 祠か何かの遺跡があったようだ。
ここに何があったのか?林道をやけくそダウンヒル

周辺に道を見つけられなかったので仕方なく林道へ戻る。 もう寄り道はしていられないのでそのままその林道を下りきることにする。 やがて稜線から離れてどんどん下っていく。
林道の途中から見える白旗山塊。日は傾き始めている

シングルトラックと違い、林道の下りは何も考える必要が無いのが魅力? ガンガンと下り、やがてゲートのある終点に。15時25分。 県道を走り上郡の町中を通過する。大柿さんが終点に設定した上郡の出雲神社にも お参りする。

ぐるーっと県道を回り込み、駐車ポイントの墓園には16時だった。 下山に利用した林道もそうだが、とにかく地形図に記載のないダブルトラックが 多い。それらをすべて走るのは到底無理だ。 小野豆高原の謎の解明をするつもりだったが、謎はいっそう深くなってしまったようだ。

今回の小野豆高原の地図は こちら(約155k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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