虚空蔵山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『藍本』を参照いただくようお願いいたします。

2005. 1. 3.  月曜日  曇り  気温寒い
99年の12月にこの山にMTBを持ち込んで北向けに縦走しました。 まあまあの乗車率を予想していたのですが、まったく期待はずれで ほとんど乗れませんでした。しかも冬季のことですから積雪も当然あり、 水のしみ込むMTB用のシューズのために足は凍傷寸前。 跳ね上がる泥水で身体もドロドロという結末でした。 つまり虚空蔵山塊はMTBでは遊べない山だという結論が出たのです。

しかし、人間とは忘却の動物なり。辛いこと楽しいこともリセットされるからこそ 新しいことにチャレンジできるのです。その典型的な忘却コンビが今度は虚空蔵山から 南に向けて縦走します。前回と違いきっと乗車率も高いでしょう。

虚空蔵の東にある舞鶴自動車道の近くに元旦登山に使用するための臨時駐車場があった。 通常はゲートがあって入れないスペースだと思うのだが、今日はまだ使用できそうなので そこで準備をしてスタートする。9時55分。高速の下をくぐり抜けて虚空蔵堂への 登山口へ来てみると大勢の少年達がたむろしている。 みると少年野球の子供達だった。

新年登山を兼ねたトレーニングなのでしょう。引率のコーチ達はやはりスポーツ経験者なのか 子供達と同じようなスピードで 登っていきますが、お父さんお母さん達は最後尾をのろのろと登っています。 MTBを担いでいるのでいっしょに登ると邪魔になります。 『石舟』という標識のあるところで彼らをやり過ごします。 (虚空蔵にお詣りする人はここの霊水で清めるそうだ。M氏、全身を清めなさいよ)
石舟で少年達が通り過ぎるのを待つ虚空蔵堂への石段

石段を登り詰めるとそこが虚空蔵堂のある境内です。先ほどの野球少年達の保護者はここで グロッキーしてます。「なんやこいつら、こんなとこまで登って来よったがな」という 音にならない声を背に受けて汗をぬぐう二人。虚空蔵堂というぐらいだからお堂の中には 虚空蔵菩薩の像があるに違いない。覗いてみたが祭壇にある逗子の扉は固く閉ざされていて 本尊は見ることができなかった。

案内板に『・・・聖峰岩辻山の山腹に建立されたことに始まる・・・』とある。 ということは現在虚空蔵山という名前だが、昔は岩辻山と呼ばれていたということでしょうか。 へたばってだらしない大人を尻目に少年の心を持った二人の中年は登山道を進んでいく。
乗れるところはたとえ10mでも乗る!!

だいぶん雪が深くなってきた。大勢が通ったのでぐしょぐしょになっている。ちょこっと 平坦なのでとりあえずわずか10mの初乗りを楽しむ。すると上から子供の声が・・・。 どうやら早くも頂上から下山してきたようだ。幾人かをやりすごしながら登っていくと 尾根にたどり着く。ここは頂上と陶の里(虚空蔵山の西にある立ち杭焼きの集落)との分岐でもある。 ほとんどの子供達とここですれちがう。我々もMTBをデポして歩きで頂上へ向かう。
頂上手前にある丹波岩からの展望。逆光と霞で真っ白です
真下には立ち杭の集落がある頂上からちょっと北へ行ってみる

野球少年達が降りてしまったので頂上は無人でした。11時10分。標高592m、三角点なし。 地面はもちろんだが木製のテーブルの上も雪が積もっている。滑らないようにその先にある 岩場から立ち杭の集落を見たり、北の山々を覗き込んだりする。するとやってきた女性の ハイカーが「ちょっと北に展望地があると聞いてますよ」という。

今日は南向け縦走だったのでここから降りるつもりだったのですが、その情報に つられてちょっと見に行ってみる。路面の雪は踏み固められつつあるので、 もうすぐツルツルの氷のようになりそうです。滑らないように進んでいくと 下りになる直前にその展望地はありました。
北の展望地から
こちらもクッキリハッキリという感じではない。しかし遠くは千が峰まで見ることができた。 真っ正面には白髪と松尾の両ピークが美しい。東にはMTBで縦走した、不思議な水路のある 海見山と柏野山とその裏手にあるゴルフ場まで見えています。そうそう四斗谷妙見山(とんがり山)は この角度から見るのが一番それらしいシルエットです。

デポ地まで戻りMTBで下ろうと思ったが、いきなりのプラ階段の激下りとなる。 南斜面なので雪が皆無なのがせめてもの救いです。 降りたった鞍部から右が立ち杭への正規ルートだ。三本峠までの南稜線を辿るには 正面のピークを越えなければいけません。

登り返したピークからの下りもこれまたプラ階段です。 「なんや、まったく乗られへんやんか!!」二人とも頭の奥底では最初からわかっていた のですが、ここに来て爆発するようにその言葉が出てきます。 鞍部にはエスケープできそうな小径が見えます。文句は言いつつも それは無視して次のピークへ登っていくのです。
ピークを何度も登り返す鉄塔は遙か先まで続く

次のピークはさきほどと同じ標高のピーク。乗れないということは この下りと登りはまったく無駄ということか??このピークを挟むように 両側に送電線鉄塔があるので進行方向に迷ってしまうが、『東播線48』方向に 進むのが正解。ここでお昼にするにはいかにも寒いのでちょっと下った プラ階段に腰を下ろして食事をする。12時40分。

13時05分再スタート。次のピークにも分岐がある。右に行けば『東播線48』、 正面は『丹南線7』。どちらに行ってもその先で合流するのだが、MTBの乗れそうな ルートはどちらだろう?M氏の意見で正面の道を選択するが乗れたのは 鉄塔まででした・・・。そこから延長する鉄塔を追っていくと三本峠の位置が確認できる。 ほとんど乗れないまま次の鞍部に着く。地図の『*49』手前。

右に下れば今田町の東庄。二本の送電線が合流する『東播線49』の鉄塔は目と鼻の先。 この辺りからようやく道らしい道となる。登りでもまあまあ乗れるのがうれしい。 『東播線50』のあるピークから見える舞鶴自動車道は高度感が出ていて良い感じだ。
ようやくまともな道になるザレ斜面を下ると三本峠だ

最後のピークから峠までは等高線も密になっているので到底乗れないと踏んでいたのだが、 何事も体験してみなければわかりません。ここが面白い下りでした。 ザレの急斜面が連続しており面白く下っていけます。気が付けば三本峠は真下にあり 車が頻繁に通行しています。右に下っていくと舗装の道に出て三叉路の県道に降り立ちました。 14時20分。

ほんとうはこの先からの稜線も行くつもりでしたがいままでがあまりに 乗れなかったのでやる気は失せています。ここから舗装路で帰りましょう。 福知山線沿いの道路を使用すると15分で帰れました。 う〜ん、今年一年もこんな調子なのかなあ・・・・。不安な年明けツーリングです。

今回の虚空蔵山の地図は こちら(約150k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


ホームにもどる