鉢伏山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『氷ノ山』を参照いただくようお願いいたします。

2005. 8. 6.  土曜日  曇り  気温暑い
登山の対象として鉢伏山を見てみるといかにも頼りない感じがする。南の 鉢伏高原スキー場からにしても、北にあるハチ北高原スキー場からにしても、 山腹はスキー場ですから情緒もなにもありません。 ピーカンのゲレンデをひたすら登るか、アプローチとして林道を利用するぐらいしか思いつきません。 しかも目の前にあるのは山と言うにはあまりに人工的で、単にリフトの最上部って感じですやん。

そんなこともあって登ることもなく周囲の山々から眺めるだけのランドマーク的存在でしたが、 北西にあるミカタスノーパークの奥から登るとまったく雰囲気が違うらしい。 M氏からの提案で決行を予定しましたが、週末の悪天に振り回されて お盆前の一番暑い頃になってしまいました。最初は歩きで考えましたが 、コース取りをうまくするとMTBも乗れそうです。

ミカタスノーパークを過ぎて舗装路の登りをしばらくすると、なにやら施設のあるエリアに 入る。そこへ入る前に左に折れて八反滝の手前で駐車してここをスタート・ゴールにする。 10時50分。MTBに乗り換えて施設内を奥へと進む。この施設は財政破綻寸前の尼崎市 のものらしい。こんな遠方で尼崎市民が来るんやろか?さすがに役所に無駄金使わせると天下一やね。

全国から集めたしゃくなげが植えられている『全国しゃくなげ公園』から登山道があるらしい。 その季節に訪れればしゃくなげの赤い花が目を楽しませてくれるでしょう。遊歩道の 奥にはブナやトチの林が広がっていて、どこに登山道があるのかと目を凝らせば、 長い階段と手すりが目印になっています。道標を見るとたしかに鉢伏山とありました。
なが〜い階段です明るい枝尾根から主稜線を見る

歩いて登るのさえしんどそう。ましてやMTB担いで登ろうとすると、足元ふらふら、 目はうつろ、汗はだくだく・・・。でも、目線を落とすとヤマジノホトトギス、ギンバイソウ、 ウバユリ、等々が咲いていて気を紛らわせてくれます。階段が一段落してゆるやかな道で息を整えて再度階段を登ると、 そこは明るい枝尾根の上でした。道標があり右が『展望コース』という下山路、左はもちろん 鉢伏山。ちなみに我々の登ってきたのは『シャクナゲコース』で〜す。

この枝尾根からは右に高丸山、左に鉢伏山がすぐ間近です。 東屋を過ぎて主稜線にまっすぐ進んで合流するのかと思ったら左にジグザグを登っていき、 いきなり終点になる。「どうなってるん?これ。道終わってるで〜」とM氏が言う。 あわてることはありません。MTBを担いで2mほどよじ登れば鉢伏から氷ノ山へ向かう 主稜線に乗っかる事ができました。ここは標高点1114mです、12時10分。主稜線にある尾根道はちょっと南寄りにある。 したがって主稜線からこの『展望コース』は見えないし、逆方向から入り込むのはむずかしいと思われます。

鉢伏を見ると思ったより近くに感じられますが、直下はジグザグな急道が見えています。そこからの 登りはまたぞろ汗びしょになりそうですが、とりあえずこのゆるやかな尾根道を MTBで楽しみましょう。
鉢伏へ向かって走るド〜鉢伏山頂は無人でした

遠雷がゴロゴロと鳴り始めています。早く山頂へ行ってごはんにしましょう。 思った通り、直下はガレガレでしかも滑りやすい黒土の急登りです。 ここにMTBを置いて空身で登ろうとM氏に言いますが、無視して登っています。 きっと、良からぬ魂胆があるのでしょう。

「ついだド〜」と歓声を上げますが、鉢伏山はまったくの無人でした・・・。 なんだかいつも人で満杯の山頂をイメージしていたのですが、がらーんと だだっ広い山頂が広がっていました。12時30分。標高1221m、三等三角点。 人間の身体からこれだけの水が出てくるのか?!と思うほど汗でビショビショ・・・。
北には瀞川山西には氷ノ山

ハチ北ゲレンデの最上部にあたるリフト付近が板場になっていてあぐらをかいて座れそう。 お弁当を広げる前にビショビショのTーシャツを脱いで上半身裸になります。 曇っているし風があるので快適です。さすがはオーバー1000m。だれもいないから全裸でもOKやね。 と、思ったとたん、ハチ北ゲレンデをよじ登ってきたハイカーが二人。(^_^;)

頂上にある人工物を除けば全方向に展望はあるのですが、あいにくの曇天のために 遠望はききません。「あれが瀞川、あっちが仏の尾に青が丸。悪谷はどこらへんかな〜。あれやろ!! なあ、Mさん」と振り返るとM氏がいません。上の方から声が聞こえます。 だ、だれや!リフトの鉄塔によじ登ってるオヤジは!! ちなみに後で調べたら悪谷はぜんぜん違う方向でした。

さて、鉢伏の三角点がありません。MTBで山頂をぐるぐる走り回って捜しましたが 見つかりませんでした。 その代わりに『鉢伏山霊石点在図』という怪しげな石碑と、単なる岩としか見えない霊石が リフトの横手に整然と?並べられています。ヒマと金のあるおっさんんお仕業のようです。 肝心の三角点はひょっとして山頂の真ん中付近にあるケルンの下敷きに なっているのでは??捜したかったですが、雷が近づきそうなので下山しましょうか。 13時25分。

M氏は鉢伏からハチ北ゲレンデを下ってそこからミカタスノーパークへ下りたかったらしい。 でも下ったスキー場から八反滝までは長い舗装路の登りが待ちかまえています。 この暑さの中であの登りは辛いものがある。で、私の提案は高丸山を越えて小代越えから 八反滝へ戻ろうというものです。これなら小代越えからずーっと下りが楽しめます。

鉢伏からのガレ下りで一回転倒。右内股を痛打する。(>_<)
その先のゆるやかな主稜線はまあまあ乗車ができます。
高丸山を目指します高丸を越えると小代越え

標高点1114m付近の我々の登ってきた遊歩道との分岐はやはりわかりにくかった。 ここから再度ガレ下りがあるので今度は慎重に押して下ります。(^_^)v
高丸山を見るとたくさんの人が見えます。ハイカーかな??それとも・・・。

その人達にアピールするように華麗に下っていくと、なんと小学生の団体でした。 課外学習かなにかでここに来ているのでしょう。MTBにはさしたる関心もなさそうです。 高丸山の三角点は道の右手にある笹藪の中のようでM氏は分け入っていますが すぐにあきらめて出てきました。

丸太階段の下りですがなんとか乗れます。周囲には低木も無くなって広大な草原状の 風景が広がります。階段を下りきった所が小代越えの鞍部。道標はありますが 峠に付き物の石仏などはありませんでした。14時ジャスト。
小代越えを下ると林道に出会う。その林道から鉢伏を見る

小代越えから北に下ります。最初はシングルトラックですが、すぐに林道に降り立ちます。 この林道は最初にあった東屋Aから高丸山の北斜面を巻きながら東屋Bを経て、この 小代越え直下に来ているものでした。地図にも載っていないし、まさにこんな道があったんや!!って感じです。 ここから見ると、その林道、遊歩道、鉢伏、高丸と、見慣れていないアングルで眺めることが出来ます。

さーて、自動車もバイクもいない林道ダウンヒルで気持ちよく下っていきます。 車止めのゲートまで10分ほど。まさにあっという間です。 そこから右折れでさらに林道を下っていきます。途中には子供達が遊ぶために設置された オリエンテーリングのポストがあったりする。里に出てからは普通の舗装道になります。 もちろん下りなので楽ちん。
超巨大なトチ八反の滝(その下の小滝)で水浴び

道沿いに巨大なとちの木を見た。二人とも急ブレーキで立ち止まる。 近寄ってみるとなんともでかい。巨木とはこういうのを言うのでしょう。 深い山の中にあるのではなく道路沿いになにげにあるのですから たいしたもんです。

八反の滝パーキングに帰ってきました。14時30分。 MTBを車に積み込んでスリッパに履き替えて滝見物に出かけます。 正確に言うと滝見物ではなくて滝で水浴びで〜す。 階段を登ると滝はすぐそこでした。細長い滝ですがなかなかのものです。 落差は32mと案内板にありました。でも名前は八反。一反は約11mですから 八反は88m・・・。倍以上のさば読み落差か・・・。

まさしく水浴びをしようとしたその刹那、おおぜいの幼稚園児達が嬌声を上げながら やってきました。彼らも水着に水鉄砲などを持参で水浴びをしようという魂胆です。 まさか園児といっしょに水浴びをするわけにもいかず、すごすごと滝を去ります。 その先に小滝があったので気を取り直してそこで水浴びを・・・(^_^;)
いや〜っ、暑いときはやっぱり滝で水浴びやねえ〜。

今回の鉢伏山の地図は こちら(約200k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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