御坊尾根

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『相生』を参照いただくようお願いいたします。

2005.12.30.  金曜日  晴れ  気温ふつう
先週は相生の五六見山から反時計回りに御坊尾根までの縦走をもくろんでいましたが、 最初のピークである五六見から大黒山を経て賀茂神社へ下ってしまうという結果で 終わってしまいました。まあ、それはそれで楽しいダウンヒルでしたが、企画した M氏は心残りがあったようです。そういうわけで今週こそは縦走を完結すべく 同じルートでチャレンジです。

先週とまったく同じ野瀬の同じ所に駐車します。8時55分スタート。先週の登り口から ちょいと東に墓地がある。その墓地に向かって自転車を進め、墓地の正面から左に折れると 細く緩い勾配の山道への入口がありました。 M氏によるとこれが尻見坂(野瀬の年配の人に聞いたら「自分らは昔から室坂と呼んでいる」と言うことです) と呼ばれる室津に抜ける峠道らしい。
尻見坂の入口です道沿いには石仏がある

入口からちょっと入ったところには『野瀬登山口』という手書きの道標があった。 先週出会った道迷いのハイカー達はこの登山口の事を聞いていたのだろうか?? 気の毒なことをしました。m(_ _)m

登り始めてすぐに左に折れる。曲がる所に目印は無いが左上には石仏が見える。 それは間隔を置いてあるのでどこまで続いているのか楽しみにしていたが数体で 終わっていた。一つ一つ覗き込んでみたが、 すべて地蔵菩薩の石仏で光背部分に文字はなく年代などは不明でした。
水場があってびっくり!滑落しそうで怖い道です

M氏はさっさと前方を担いで登っていますが、私はきょろきょろと 視線が定まりません。そのおかげでええもんを発見しました。 長細い石に『息力泉(読み方不明)』とあり、その足元の地面にはボコッと 穴が空いています。ようするに峠の途中にあるお助け水ってやつでしょうか!! えらいもんを見つけてしまいました。

きっと江戸時代以前からあるものなのでしょう・・・・。ん?!穴の中を見てみると なんとなんと、塩ビのパイプがあるではありませんか!どこから水を引いているのかも わかりませんが最近のものなん?

172mピークの南にある鞍部に到着。そこからは枝尾根の東側の山腹のトレールとなる。 古道にふさわしくゆるやかな傾斜で前方にある稜線に向かって登っています。 左手に展望が開けているのですが、道は細いし急激に切れ落ちているのでそれを見ながら MTBを走らせるほどの度胸はありません。

9時45分稜線に着。ここにはたくさんの道標がある。先週見たのと同じ公的機関が作ったと 思われるお金のかっかったものやら、手作りの古〜いものまで百花繚乱状態。 そのうちの一つに『大師堂』と書かれた物があった。それは大浦西登山口方面に下っていくと すぐにあるらしい。せっかくだから寄ってみます。
大師堂

1分もしないうちに大師堂に着く。ようするに峠直下にあるというわけです。 瓦葺きの立派なものだが台風のせいだろうか、屋根にはブルーシートが掛けられていました。 横手には井戸があって『八大龍王大神』と彫られた石が乗っかってます。 広い平坦地をしばらく探索して峠に戻り、いよいよ縦走開始。

予想はしていましたが、それほど乗れる稜線ではありませんでした。 左右の枝の張り出しはあるし、地面には転けたら突き刺さりそうな細く鋭い 切り株がある。転けなくてもタイヤを乗せるとパンクしそうで要注意。 そんなんで気持ちよく乗れないまま押して、担いで雄鷹台山に着。10時40分。 三等三角点、標高310.6m。
雄鷹台山頂上。三角点はダイセル看板の下

山頂にはこれまでにもあったように道標とともに、『ダイセル化学工場株式会社播磨工場』と でかい看板がある(三角点はこの足元にあり)。この後も主要なポイントにはこれがある。 こうまで宣伝をするのも理由があるそうで、この看板より東は工場の敷地になっていて、 有刺鉄線が張り巡らされており一般の進入が堅く禁止されています。

「有刺鉄線の向こうは藪で入る人もないやろうに、えらい厳重やなあ」といぶかしく思っていると、 「この工場は火薬を造っているらしいんや」と、M氏。 万が一の場合(火薬の暴発)を想定して敷地を広く取り一般の人の進入を阻止するような 有刺鉄線が張られているということでした。

こんな横手を気持ちよく走れるわけもなく、恐る恐るで下る他はありません。 倒れるときも右に倒れると大怪我必至なので重心は自然と左よりになってしまいます。 ほとんど乗れないまま鞍部に着。11時03分。これより西に下れば野瀬に復帰。 もちろん東へは下ることは出来ません。
有刺鉄線に沿って下る土塁に囲まれた倉庫

地形図を見るまでもなくこれよりは激登りが連続します。それも有刺鉄線に沿って ガレ+滑りやすい赤土+激登りという三重苦です。カメラを取り出す気力も失せて 汗まみれになって、後ろにひっくり返らないようただただ登り続けます。 ふと、振り返るとダイセルの敷地に変な施設が・・・・。 土塁に囲まれたそれは古法華の近くにもあった火薬庫のようです。 う〜ん、あんなところが火事にでもなったら騒動やろなあ。

11時30分ようやく登り終えたと思ったのは間違いでここは野瀬奥山の前ピークでした。 看板には『奥山南展望台』とあり縦走路から左にある岩だらけのピークは雑木が伐採されて いる様子です。 看板につられてそちらへ行ってみましたが言うほどの展望はありません。 ていうか、野瀬奥山まではだいぶんありそうで疲れがどっと出てきます。とりあえず 汗が引くのを待って前進!!

野瀬奥山(標高328m、三角点無し)には11時45分着。M氏の予定ではここで 昼食ということだったので、まさにドンピシャってところ。しかし、ここは雑木に囲まれて 展望もなく昼食には面白くないポイント。「こら、もうちょい先まで行くしかないなあ」 またもや有刺鉄線の縦走路を前進!!
野瀬奥山からの下り途中からの展望
途中には展望が良くきく所があった。北方向を見ることになるので 太陽光も順光でカメラ的にも満足な展望でした。 正面には天下台山がそびえていて その頂上から東屋までくっきりと肉眼で見ることが出来ます。 我々が向かう御坊尾根は左に見える岩盤むき出しの尾根がそうだろう。 そこへ行くには高圧鉄塔を二基ほど越えればよさそうに見える。 鉄塔ならくつろげそうなのでどちらかの鉄塔でお昼にしましょう。

展望ポイントからちょっと下ると巡視路に合流する。そこには ご丁寧にも手書きの道標があって『水子地蔵・御坊尾根』と矢印もあった。 とりあえず巡視路ですからMTBは問題無く乗車可能です。 展望ポイントからは遠く見えていた鉄塔も、平坦な巡視路+MTBなら あっという間に到着です。最初のは『相生線 29』で次が30。 どちらも展望はなかったので30で昼食にします。12時。

食事を済ませて12時40分再スタート。巡視路はすぐ先で右下の谷(馬場坂西・水子地蔵方面)に大きく下っていく。 御坊尾根は巡視路から離れてそのまま稜線を進むのだが、ここから急に細いトレールになる。 人間一人がようやく通れるような道なのでMTBに乗るどころか押していくこともままならない。 所々トリッキーに乗れるが良く乗れて5mと言ったところか。 「いや〜、おもろいなあ」とM氏は言うが面白くもなんともない。
御坊尾根はほとんど乗れません209mピークへ登る

そんなのが延々と続く。二箇所ほど左方向の亀ノ尾川(野瀬集落)にエスケープする下山ルートもあるが それらもこの御坊尾根以上に怪しい踏み跡である。209mへのピークも登り返して 展望岩から野瀬の集落を見下ろすとM氏の車も見えた。ゴールが間近なことを実感する。

209mピークから北西に方向を転じて下っていく。MTBに気持ちよく乗るのは ほとんどあきらめ気分でしたが、奇跡的に道は良くなってくる。道幅はそこそこ広くなり、 平坦でデコボコもあまりない。道の両側はシダもなくなり笹が目立つようになってきた。
御坊山手前は良く乗れました御坊山から相生湾を見る

最後が良ければ前半の苦労はなぜか忘却してしまう。こういうことが続くからいつまでも 馬鹿なこと(MTBでの山行き)をやってしまうのだろう。歓声を上げながら到着したのが 御坊尾根の先端でもある御坊山です。13時50分。予想よりもずいぶんと早い到着でした。 途中で乗れたらもっと早かったでしょう。

相生湾、遠見山を間近に見ながら最後の下りです。県道まで乗れるのかと一瞬勘違いを するほど気持ちよく下っていましたが、いきなり激斜面となり、そこからはMTBを 担いで恐る恐る降りる羽目にあいなります。最後は山の斜面に作られた小さな畑地を 横切ってコンクリートの階段を下りると県道でした。14時05分。

『御坊山登山口』の道標はあまりに小さくて目立ちません。 『カーブbS』の道路標識が目印になるでしょう。 遠見山トンネルをくぐり抜けて駐車ポイントまではわずか数分でした。

今回の御坊尾根の地図は こちら(約180k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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