高畑山〜白岩山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『生野』を参照していただくようお願いいたします。

2004.11.21.  日曜日  晴れ  気温ふつう
2000年の12月にこの 白岩山〜高畑山 を歩いています。このときは神崎郡の猪篠から白岩へ登り、高畑山まで縦走、 そして宮の谷ダムへ下山するというコースでした。『たじまハイキング』という本でも、この宮の谷ダムからの ルートが紹介されています。ところが三菱マテリアルの管理下にあるこのダムは、どうやら ハイカーの立ち入りが禁止されたらしい??というのもダムの入口に管理小屋があるのですが、 何人かのハイカーが追い返されたというレポートがあるのです。

そうなると前述の猪篠からのピストンしかないのでしょうか?地形図を見てみると面白いコースが 浮かんできました。その名も『滝まみれ、展望まみれ、持ってけどろぼーコース』です。 今日のお相手は、持ってけと言うとなんでも持っていってしまうM氏です。

登り口に設定した生野町白口から林道を少し入った『白綾の滝』入口に駐車。9時30分。 標識に従って5分も歩けば滝見の東屋に着いてしまいます。 残念ながら今日は水量が少なくて迫力には欠けますが、 2001年に見た 白綾の滝 は水量も多く見ごたえがありました。
白綾の滝暑くて半袖になる

滝見の東屋の正面には岩盤にポッカリと岩窟があり、中には不動明王の石仏があります。 今日は水量が少ないのを幸いに飛び石を伝ってそこまで行ってみる。 極々普通の不動様だが、なにやら文字が彫られているようだった。 よじ登るのもなんだし、目を凝らしたが暗くてわからなかった。

さらに上を見上げると弘法大師の石仏もあった。高さも相当だし、足場の悪いところに どうやって置いたのか不思議である。国宝の投げ入れ堂ならぬ、投げ入れ石仏かも・・・。

さて、一つ目の滝見物も終えましたし、いよいよ高畑山へ登ります。9時45分。 地形図を見ると滝の入口付近から点線が尾根沿いに上がっています。 実際もわりとわかりやすい登り口です。「これや、これや」と二人して登り始める。 倒木とかヤブを予想していたのに、まったく問題ないきれいなソマ道だ。 ジグザグだが傾斜が急でみるみる汗が噴き出てくる。「こら、たまらん」と半袖になる二人。

道は迷いようがないほど明確。所々に赤いテープ(けっこう新しい)もある。 前からここを登ろうと計画していたのに誰かに先を越されたのがちょっと癪だ (人間の器が小さいもんで、こういうことが気になる・・・・)。
ソマ道は途中から山腹を沿うようになり、尾根から離れていく様子なので それから離脱する。あとは展望のない尾根をひたすら登っていくだけです。 登りだから分岐で迷う心配もなし。
植林帯だったが一箇所だけ開けてた

登り始めて1時間ほど経った頃、北斜面は深い植林帯だったが、 一箇所だけ切り開きがあった。そこからは真下に宮の谷ダムが望め、 段が峰方向が一望できた。秋が深まってきて空気も澄んできたのがうれしい。

頂上が近づいた頃、今度は南側に展望の良さそうな岩場があった。いくつかの小さな岩塔が あり、おのおの勝手によじ登っては悦に入っている。もちろん展望は最高です。
岩場に寄り道頂上に着きました展望台??

頂上から千が峰方向を見てみる
寄り道したりしましたが、頂上には11時10分着。標高983.8m、三等三角点。 電波反射板がデ〜ンと建っていて、それが展望の邪魔をしています。 もしこれに登ることができるなら(絶対登ってはいけません!!写真は合成ですから) 大展望が期待できますよ。

さて、展望も楽しんだところで昼食にしましょう。登っている途中には冷たい風も吹いていたのですが、 頂上は無風でまさに小春日和です。うどんを食べてコーヒーも飲んで、じっとしていると 眠たくなってきます。すると、どこからか犬の鳴き声が聞こえてきました。 こんなところで犬の散歩なんぞしているわけもなく、あきらかに猟犬が吼えています。

犬嫌いのM氏は落ちつきなくそわそわ。私だって猟犬は好きではありません。 それもだんだんと近づいてきている様子です。 ということで、高畑山を離れて白岩山へ向かいましょう。12時07分。
行く手に白岩山が見えてきました矢印には巻き道がある

地形図にあるように、ゆるやかなアップダウンが連続します。道にはマーキングもあり、 広い尾根の部分も迷う危険はありません。981Pを過ぎ、 鹿避けネットのある伐採地に出ると向こうに白岩山が見えてきました。 目の前のピークを登り返す途中に巻き道があったので、それでショートカット。 あっというまに白岩山に到着です。
なぜかハンマーを振り回す眼下にはR312

高畑山からわずか25分。12時35分着。標高973m、三角点はありません。 いくつもの岩が笹原から飛び出していて、その上に立つと笠形山から 段が峰までの山塊がばっちり見えますし、足元の下界が丸見えなので、 その高度感がなんとも言えません。

ここは猟犬の声も聞こえないのでM氏もご機嫌です。 写真を撮りあったり、双眼鏡で山を見たり、無線をしたりで一時を過ごしました。 久々の高畑山、白岩山も満足のいくものでした。 そうそう、M氏はどちらも初めての山だったのですが「ええ山やなあ」と 感心しきりでした。

13時15分、さて、下山しましょう。まずは猪篠の林道へ下る登山道を降りていきます。 するとユンボで造られた作業道に出ます。登山道はそこから薄暗い植林の中を行きますが、 我々はそのまま作業道を東方向に歩いていきます。アップダウンもなく山腹に平行にある 作業道ですが、路面はススキに覆われていてそれをかき分けながら歩いていきます。
さ〜て、やまあそコース突入ソマ道も荒れています

ススキの向こうには禿げた山腹が見えますが、よく見ると墓標のように白いプラ杭が 規則正しく並んでいます。それはコナラの林を造成すべく、幼木を保護しているプラ杭です。 しかし、中は木の葉などのゴミだらけで幼木は育っているふうには見えません。 たぶん始めに造った後、まったく手入れがされていないのでしょう。 さすが県のやる仕事はきっちりしてますわ。

作業道は300度のヘアピンターンで折れています。そこから作業道を離れて 奥に見えている鞍部へ向かって山腹斜面を前進。鹿避けネットが行く手を遮っていましたが 鹿の死骸がひっかかっている部分が通れそうです。鼻をつまんで横をすり抜ける。

鞍部から昔歩いたソマ道を探し出す。それはとっくに獣道以下に不明瞭になっていて、 そこにあるはずと知っている人以外はとても見つけ出せない状況です。 それをたどりながら、こんどは下山の枝尾根を探します。この下には 滝があるのでそこから離れすぎずに降りたい。かといって滝上に降りてしまうとそれもまたたいへん なので慎重にルートを捜します。
左の滝右の滝

2度ほどルート修正をしてジャストポイントで降り立ちました。 『愛林防火 大昭和製紙』の看板が目印です。ここまでの下山路は 文章とか言葉ではとても説明できないルートなので、各自勝手に探し出してください。m(_ _)m

降りたったところは二つの谷が合わさる所です。すなわち二つの川も合流しています。 そして二つの無名滝がそこにはあります。本にもWEBにも、どこにも紹介された形跡のない 滝ですが、水量があればなかなか見事な滝です。右の滝は三段になっていて、左のはほぼ ストレート。右のほうが高さはあるようです。二つとも15m以上の落差は確実だと 思うのですがいかがでしょう?

『滝まみれ、展望まみれ、持ってけどろぼーコース』もそろそろ終わりに近づきました。 無名滝から駐車ポイントまでは超ガレガレの林道歩きです。 車の走行はもちろん無理ですが、歩いていても足首をグギッと捻りそうな危険きわまりない林道で 駐車ポイント(白綾の滝入口)着です。15時ジャスト。
乙女の滝、スペシャルアングルからの撮影

「さあ、帰ろか!!」と、M氏。「なに言うてんの。乙女の滝がまだ残ってまっせ」 白口からちょっと生野へ向かって走らすとすぐに乙女の滝の看板があります。 車を止めて写真を撮ろうとしますが、道路からだとしょぼいアングルでしか撮れません。

「せっかくやから、ええアングルを捜しましょう」と苦労したのが上の写真です。 ここもちょっと危険ですからみなさんにはお勧めできません。あしからず・・・。
追記:この乙女の滝は昔は乙姫の滝と呼ばれていました。滝壺は竜宮城に繋がっているという 伝説があります。

登りルートはヤブを予想していましたがまったくそれもなく(一箇所だけくぐり抜けるようなポイントあり)、 ほぼ楽勝コースと言って良いでしょう。これはお勧めできます。反対に下山ルートはむずかしいので 無名滝をパスするならピストンが無難だと思います。

今回の高畑山〜白岩山の地図は こちら(約180k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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