白髪岳〜松尾山〜音羽山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『篠山』を参照いただくようお願いいたします。

2004. 9.12.  日曜日  晴れ  気温暑い
さ〜って、久しぶりのMTBです。今回のコースに設定した白髪岳〜松尾山は 99年の雪の日に経験済みのコースです。その時はメジャーな住山から、あの岩の釣り尾根を経て 白髪岳の頂上へ行き、松尾山、肩越えの辻から住山へ下山というルートを取りました。 あれから5年も経ったんですねえ・・・。今回は登り口も下山路もやまあそ風にアレンジしています。

スタート地点は味間奥にある『茶の里会館』の『イベント広場』に駐車する。向かいにある民家のおじいさんに 許可を得る。「あんたらどこ行くんや・・・」という質問に「自転車で白髪岳へ・・・」と正直に答えるが とても信用はしてもらえず、好人物の私は別にしてもひとりのおじさんのせいで怪しい二人連れに見えているようです。 9時15分スタート。

まずは篠山と山南町の境界になる小峠を目指す。この小峠からちょっと登ったところに 関電の巡視路入口を示す『火の用心』プレートがあるのをここへ来る途中に確認済みだったのです。 地形図にはありませんがそれの延長にある鉄塔から644、689、を経て白髪岳へ 登ろうという計画です。小峠へ走りながら茶畑の向こうに見えるその鉄塔や644、689の位置を頭に たたき込む。

小峠を目前にしていきなり先頭のM氏が立ち止まる。どうやらこんな所に道を見つけたようだ。 山仕事用の道のようで杉の落ち葉で埋まっているが明確に登っている。 最初の予定だった巡視路入口はまだ先の方だが、このソマ道も鉄塔まで行くのでは?という 楽観的予測で登り始めると予想通り篠山と山南の境界に乗っかる。 境界尾根からはジグザグな道になり、ほんとなら楽なのだがMTBを担いでいるので辛い登りが続く。
予定変更でここから登るど〜穴に落ちた?

「こんなええ道があるんやなあ〜」と汗だくだくになりながらも二人つぶやく。 ちょこっと平坦になりその先に送電線が見えてくる頃、道の横手に大きな穴があった。 中を覗いてみると真っ暗ながらも奥が深いようだ。白髪岳の住山コースには 銀が採れたという坑口跡がある。その裏手になるこちらにも鉱脈が延びていれば 坑口があってもおかしくない。周囲の感じからしても自然の穴とは思えませんでした。
播磨中央線114鉄塔

その先で火の用心マークに出会う。本来ならこれで登ってくるはずだったわけです。 (時間的には巡視路のほうが早いと思う) しかし、巡視路にも負けないほどよい道だったのでこちらも正解だったと言えます。 鹿避けネットを抜けるとそこには下界から見た鉄塔です。10時12分。 北方向に大展望。「あっ、ナースバシや」同定音痴のM氏も半年ほど前に登った 真向かいにあるこの珍名の山だけはわかったようだ。黒頭峰と夏栗山の間には奇妙に尖った三尾山。 金山とその横には馬頭もある。ランドマークの三嶽はうっすらとモヤの中だった。

115の鉄塔は東となりの尾根にちょこんとある。巡視路はあちらへ向かっているだろうから この先の道は期待できません。と、その通りにいきなりの小ヤブとなる。 人間だけならたいしたことはありませんがMTBがひっかかって前に進めません。 ようようの思いで644ピーク着。ここは四斗谷妙見山(通称とんがり山)から白髪岳への 縦走路にあるピークです。私が初めてそのコースを歩いた頃は何もありませんでしたが 今では黄色のテープに『←四斗谷』とある。
689ピーク手前白髪山頂手前

644からの下りを少し乗る。鞍部には左右から 山道が登ってきている。この道を利用するのも面白いかもしれません。689に着く頃には 軟弱な私の身体が悲鳴をあげ始める。「白髪の頂上でお昼にしようなあ!!」を合言葉に 気力を振り絞る。白髪岳へはMTBは邪魔なので登り口手前に置いて空身で登り始める。 このMTBを置いたところは左にも踏み跡がある。これってどこに繋がってるの??

ここの登り道はなんでこんなに荒れ果てているんでしょうか?とにかく急でしかもえぐれて 足場が悪い。登りよりも下りに難儀しそうだ。我々はMTBのシューズなので危険度はさらに 倍増されています。横手にあるロープを掴みながら山頂を目指す。11時23分、二等三角点、 標高721.8m。
白髪岳頂上で〜す住山コースを登ってくるハイカー達

山頂からは三つの道がある。我々が登ってきた松尾山への縦走路となる北へ下る道。 住山から岩の釣り尾根を経て登ってくる南からの道。そして三つ目は東に下っている 謎の道です。頂上はどこも日陰が無く暑いのですがこの東ルートの降り口付近で 食事をしました。するとその道を登ってくる一人のハイカーがいます。 「この道ってどこから来てるんですか?」と聞くと「下で置いているMTBは あんたらのやろ?あそこの分岐からやで・・・」 な、なんと。あんなところと繋がっているんか。それならば帰路はここを下りましょう!!

食事中もぞくぞくとハイカーが登ってきます。やはり人気の山です。 食後、展望もどうかと見てみましたがやはりカスミがひどくて薄ぼんやりとしか見えません。 とにかく先は長いです。ここでまごまごしていては下山もままなりません。 急ぎましょうM氏!!

下りはじめて右手を見ると、なんと松の木が木陰になる具合の良さそうなテラスがあった。 「なんや!ここで食事したらよかったね」後の祭りであるが、そこに行ってみると 住山コースの釣り尾根を、今まさに登ろうとしているハイカーの一団が手に取るように見えます。 あそこをMTB担いでしかも積雪の中を登った我々は何者ぞ!? ここは食事ポイントにお勧めなのでみなさんお見逃し無く・・・。
松尾山へ向かう尾根道ユンボ道現る!!

このルート、岩の覗きもある。そこからは松尾山が真っ正面だ。なかなかええやん、この道。 整備もしっかりされていて難なくMTBの置いてある分岐まで戻れました。12時12分。 さて、次は松尾山です。最初は689を平行に巻くシングルトラック。こいつはまずまず 乗れますが右手が切れ落ちているので転落注意。そして尾根に乗っかってしばらくすると とつぜんだだっ広いユンボ道になってしまいます。

西光寺山にいるTQFさんから「ユンボ道になっているから驚くよ」と無線で聞いてはいたが、 たしかにとんでもないことになっていました。昔ながらの細い尾根道も残っていますが、 その右下に広いユンボ道が併走しています。それは住山の谷から上ってきている。 (ということはこれで下山も可能??)しばらくは昔の尾根道とユンボ道を倒木を避けながら 交互に走ることに・・・。

ユンボ道がなくなって少し登った地点に明確な分岐がある。これは無視してさらに行くと こんどは四叉路の分岐。正面に向かって『松尾山200m』という標識が目印になる。 ほんとは松尾山はパスするつもりだったのに気が付けばヨレヨレになりながらも頂上に立っていた。 13時ジャスト、三角点無し。
松尾山頂上肩越えの辻

松尾山も頂上から三つほどの道が分岐している。住山へ下るルートと、登って来たルート 以外にも肩越えの辻方向へ下っている道があった。こいつを行こう。 ちょっとハード目の感じでガシガシと下っていく。転倒もなく 先ほどの分岐からやってきている道と予想通りに合流する。しかしここからも油断は出来ない。 雨水で掘れまくったスリッピーな下りが待ちかまえている。 叫び声を上げながら肩越えの辻に到着する。13時23分。

ここは五叉路のややこしい分岐である。我々の下ってきた松尾山からの道の他、左は文保寺への道、 右は寺跡を経て住山へ下る前回利用した道。ということは正面にある二本の道のどれかが 次の目的地である音羽山への尾根道ということだ。どちらも巡視路を示す火の用心マークがある。 120鉄塔は行ってこいの行き止まりと見た。残る121鉄塔への矢印が正解だろう。

下りはじめるとあまりに急下りが連続するので一瞬不安になるが、すぐに尾根道となり快適に走れる。 味間新への分岐を右に取り快適に走れそうな道が続くがそうは問屋が卸さない。 先日の台風のおかげで青々とした葉をつけたままの枝がうずたかく積もっているし、 倒木も多い。それながなければほぼ及第点のシングルトラックです。

プラ階段を上り詰めると三等三角点のある音羽山でした。14時03分。標高530.5m。 ここには展望はありませんがすぐ先に高圧鉄塔の建つ大展望ポイントがあります。 そこで給水休憩。
展望鉄塔に出ました!!天気がよければ・・・・。
さしたる標高ではないのですが麓の集落がすぐ近くに見えているので けっこうな高度感を得ることができ気分がよろしい。高圧線の行き先を追いかけてみると まだまだず〜っと先のほうまであります。「よっしゃ〜!!あの先端まで行くど〜!!」 脳天気なM氏の叫び声は繊細な私の苦手とするところ・・・・。 「飲み水が少ないし疲れたから途中でエスケープするで」と私。

疲れの為の空耳なのか麓からカラオケの歌のような音が聞こえてきます。 「あれは瀬戸の花嫁かなあ・・・」僕だけに聞こえるのかと思ったらM氏にも 聞こえているようだ。「運動会の音楽やがな!!」 えらい気の早い学校もあるもんです。まだ9月半ばなのに・・・。 「M氏、この辺の階段巡視路やのにプラスチックとちゃうなあ。木の階段やで・・・』
火とぼし山から右に下る大沢城趾に着

喉カラカラで登ったピークには立派な標識が立っています。それには我々のやってきた方向には 『白髪岳 松尾山』、右には『大沢城趾』左には『佐幾山城趾』となっています。 音羽山付近から木の階段だったのはこれらのハイキング道の一部ということでしょうか。

地形図と見比べると左を下った方がデポ地に近いです。でも右方向の路面はMTBには楽しそう。 「水半分あげるから右に行こう」その言葉にだまされて右を下っていく。 すぐに乗れない階段になるが無理矢理乗って下る。次の分岐でまたまた悩む。 巡視路は右に、城跡へのハイキング道は左になっている。 「よっしゃ、城跡見学や〜」って左に行ったけど、やっぱ巡視路がよかったかなあ・・・。

『大沢城趾』は 明確な曲輪跡が3〜4段もある細長い山頂だった。雑木の林は気持ちよいが展望はまったくない。 林の中に『大沢城趾登山記念』の古い杭がある。この辺もええかんじでMTBに乗れます。 このまま東に向かって176号線へ下っていくのかと思いきや今度は90度左に道は曲がる。 なんと『禄庄城趾』ってのがまだあるらしい。狭い山域に三つも砦跡があるんです。
大沢城趾から下る禄庄城趾に登る

最後のピークである禄庄城趾に着。15時13分。『地図にも載ってない地名ばっかりでわけがわからん・・・』という 落書きがあった。我々もなっとく。とりあえずここを下れば終点と言うことだけは確かです。 最後の下りを楽しんで八幡神社に着きました。ここで『大沢ロマンの森』という看板を発見。 先ほどまでのハイキング道がそれです。それを見ると禄庄城趾、大沢城趾、火とぼし山、佐幾山城趾と ぐるっと一周できるようになっていました。

早いとこ自販機を探しましょう。ちょうどあの運動会をやっている中学校の前にある自販機で 水分補給。えらい先生による閉会の挨拶を聞きながらがぶ飲みです。のんびりサイクリングで 文保寺近くまでやってくると正面からハイカーの一団がやってきます。 話を聞くと白髪岳から松尾山を経て文保寺で下山してきたらしい。 ということは私が写真を撮した釣り尾根を行く団体だったと思うのですが・・・。 駐車場には15時48分。 暑かったけど充実感で気分良し!!

今回の白髪岳〜松尾山〜音羽山の地図は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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