高竜寺ヶ岳

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『須田』を参照いただくようお願いいたします。

2004. 5.23.  日曜日  晴れ  気温ふつう
久しぶりにM氏との山行きとなりました。ということは、やっぱりMTBを持っていかないとねえ。 当日の朝までどこにするか未定でしたが相談した結果この山になりました。M氏は初めて、私は 無線で登ったことはありますが、その時に次回来るならMTBでと思っていたので順当な決断です。

但東町まで長い道のりでしたが、ようよう登り口に考えていた但東町の坂野に到着。そこから 久美浜町の尉ヶ畑へ抜ける丹但トンネルへ向かう途中左手に林道入口がある。『高竜寺ヶ岳登山口』 と書かれた標識が目印になる。しばらくは未舗装だが簡易舗装になる手前左手の 袋小路に車を駐車してここからMTBをこぎ始める。9時55分。

この簡易舗装が手強い。急斜面で前輪が浮きそうになる。心拍数は一気に跳ね上がりたまらず 降りて押しはじめる。さすがのM氏も前の方で押しています。舗装区間はここだけで、傾斜が 緩くなるとまた地道のダブルトラックに戻っていた。やがて現れた分岐が高竜寺への登山道であるが そのまま直進して尉ヶ畑峠へ寄ってみましょう。10時30分。
いきなり激登りの林道尉ヶ畑峠へ寄り道しました

峠には古い木製の道標があり、それぞれの集落を指さしています。 そして目的の高竜寺ヶ岳も見えています。 ここには石仏があると聞いていたのに どこかへやられているのか姿はありません。置いてあったと思われる所には花差しの残骸があったので どこかへ引越でもしたのでしょうか??

峠から北へ下る道は我々が登ってきた坂野からの林道と違い、よだれが出そうなシングルトラックです。 「もし、高竜寺ヶ岳からピストンで下山するなら、この道で下りたいなあ」と、M氏。 これで下ってしまうと久美浜へ入ってしまいますが、丹但トンネルの入口付近に降りるので それで簡単に但東町へ戻って来れます。

さきほどの林道分岐に戻り西方向にちょっと行くとさらに分岐があります。『山頂入口』の標識にしたがって 右手を行くとようやく山道となります。ちなみに左手の林道をそのまま行くとどこまで行くのでしょうか? 奥からは滝のような水音も聞こえています。時間もあることだし行けば良かったなあ・・・・。
登山道に入りましたブナ林を行く

登山道は道幅も広く快適に登れます。ブナを含む雑木の林に突入します。とたんに空気はしっとりと して、木の香りが身体を包んでくれるよう・・・。ベンチのある展望所から北を見ると久美浜の 小天橋と日本海が・・・。あのへんもよくドライブしたっけなあ・・・。

ブナ林のつづら折れの斜面をMTBを担いで登っていく。突如M氏が「ここMTBで下ろか!!」と言う。 ハイカーなら絶対そんなこと思わないだろうが、MTBに乗っているとせっかく登ってきた斜面さえ 下ってみたくなる瞬間があるのです。まあ、そんなことしているからいつまでたっても頂上には 行き着きません。それでも『山頂入口』から30分。11時15分に頂上着です。標高696.7m、二等三角点。
床尾山方向
大江山方向

頂上には先着の男女4名のハイカーと単独の男性がいます。やはり人気の山ですねえ。 しばらく展望と山名の同定を楽しむ。M氏と登った大江山連峰のひとつひとつのピークが 大きくうねる波のようだ。 写真を撮るがクッキリとした視界が得られないので写りもあまり期待できそうにない。 無線で声を出すとすぐ近くにある西床尾山のOAP、TQFさん達と繋がる。
頂上の東屋は昔どおり仲良く?おべんとう
時計を見るともうすぐお昼になろうとしている。ついでだからここでお昼にしましょう。 山頂一面は芝生に覆われているので写真のカットだけ見ればどこかの公園で食べているようにも見える。 登るときは汗をかいていたが湿度も低く風もあるのでウインドブレーカーを羽織るほどである。

さて、冒頭に言ったピストンで下山なんてことはするわけもありません。 (ピストンなら頂上からほぼ100%乗車出来ます) ここから西にある法沢山に向かって縦走をする予定です。M氏は法沢山まで行く気満々ですが、 冷静な私は途中にある円城寺峠ぐらいで下山するだろうとふんでいます。

そして西方向を見ると二方向に道があります。北寄りにある道を下るとすぐに林道に出会うようで、 それは市野々へ向かっているようだ。もう一つの道には『←高竜寺』と書かれているので こいつが正解だ。12時10分再スタート。
頂上からの下り高竜寺コース分岐にて

下り初めてびっくり。乗れるんです。急斜面で、しかもまっすぐ直線で下っているので、しっかりと ブレーキングしながらスピードを抑えないと危険ですけど・・・・。 嬌声を上げながら下って登り返すとそこからいきなり道はなくなる。 ここから南にはさきほど以上の傾斜で高竜寺コースが里まで続いている。 肝心の稜線はびっしりと笹に覆われていて踏み跡すら見えません。

あわてて地形図を手に取ると確かに境界尾根上には点線のルートが描かれている。昔はあった道が いつのまにか笹に覆われて無くなってしまったのだろうか?行く気満々のM氏を先頭に MTBにまたがってみると、下りなら笹をかき分けながらも乗車ができる。 地面になにが潜んでいるのか判らないので、倒木などにタイヤを取られないよう注意しながら駈け下る。

Ca.630mPからいきなり直角に南に折れる。この辺りから円城寺峠まではほとんどまったく 乗れません。乗れないどころか立木ヤブでMTBがすり抜けられません。笹藪なら 担げば問題なく前進できるのですが、真ん前に枝を張った木が連続してあるともう分速数mの世界です。 鹿避けネットの右向こうには林道が見えます。あの林道、どうやらこの点線ルートの延長上にある道らしいが そこへ行く明確なルート無くなっているようです。

二人で悪戦苦闘しながら 鹿避けネットの左側に沿って前進をしていましたが、どうみても右手のほうが良さそうに思え ます。このままではM氏が切れてしまいますのでネットを乗り越えることにする。 やれやれ歩き良くなったと喜ぶのは早計でした。ネットに沿って下っていくといつのまにか 487Pへ向かっていました。あわてて引き返し再度ネットを乗り越えて無事に境界の尾根に復帰です。

円城寺峠は深い切り通しになっているので直進すると峠に転げ落ちそうだ。 M氏はまっすぐ峠にずり落ちるように降り、私は南に回り込みながら峠に降り立つ。14時30分。 今となっては人の通ることもない峠のはずだが、白い標柱が数本地面に埋め込まれている。 それは久美浜にある小学校が毎年この峠を訪れていることが書かれていた。
円城寺峠この先で鹿とぶつかりそうになる

峠の両側には古い石垣が残っていて、過去には交通の要所だったことがうかがわれます。 伊能忠敬もこの峠を越えて久美浜周辺を測量したという記録があるそうです。 そして平成の今日、MTBを担いだ異能コンビがこの峠に訪れたというわけです。

石垣周辺から水がチョロチョロと流れているので足元はじゅくじゅくです。 但東町側はなにもないが、久美浜町側はフラットな敷地跡らしきものもある。 ふと石垣の窪みに目をやると50cmほどの苔の固まりがある。それは人形のような形をしています。 そばによって覗き込んでみるとなんと地蔵菩薩の石仏でした。長い年月で苔にすっかり覆われています。 顔の部分だけに苔が無くようやく見つけてもらえたと喜んでいます。

高竜寺ヶ岳から円城寺峠までは下り基調なこともあって、分岐分岐での方向の見極めが難しい。 反対に峠から高竜寺ヶ岳へ行くのでしたら、単純に登っていくだけでよいので 難易度は低いでしょう。この稜線上にはイワカガミが途絶えることなくあったので春先には 花も楽しめそう。それでは、峠から下山しましょう。

少し下った所から右へ移動します。谷底には道はなく、谷の右上にある道を下っていくことになります。 そして林道の終点に降り立ちます。ここからはMTBが活躍します。長い直線の林道なので スピードはどんどん上がります。すると突然前の走っているM氏の横手から鹿が飛び出してきました。 ほんの2〜3秒の間、M氏と鹿は猛スピードで併走して山の中に飛び込んでいきました。 後ろから見ているとすごい光景!! これでM氏が馬の着ぐるみでも着ていたら・・・・、馬と鹿で・・・・(^_^;)

林道の入口には電流柵があり、危うくMTBごと正面からぶつかるところでした。スピードの出し過ぎに注意です!! くぐり抜けて民家の横手に出る。そこには石の道標もありました。 県道に出てあとは舗装路でデポ地まで走るのみ。15時50分、無事に車まで戻りました。 やはり法沢山までは無理でしたね。

今回の高竜寺ヶ岳の地図は こちら(約130k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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