立石山・南中大岩

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『柏原』を参照していただくようお願いいたします。

2003. 7.20.  日曜日  曇り  気温暑い
世間では海の日を含む三連休だが仕事が忙しくてこの日しか休めなかった。天気も不安定だし 遠くはあきらめて近場で遊ぶべく(いつも近場ですが・・・)、前から見当をつけていたこの山を訪れてみる。 R-175を山南から氷上に入る手前、いつもはあっさりと通過してしまう箇所だが、 右手に『南中大岩 ここより900M先』という看板を見つけて 右折する。さっそく立石山の展望岩とその奥に南中大岩の両方が見える。駐車は 一宮神社の駐車場を利用しました。

婦人会の人達だと思うが神社の境内を掃き清めている。聞くと今日は南中大岩の愛好会のメンバーが 登山道の整備をするそうだ。今が8時20分だが9時に来る予定だという。いろいろと 聞きたいこともあったが、待っているわけにはいかないのでM氏と歩き始める。

神社横から始まる林道を少し歩くとかすかな踏み跡と赤いマーキングが山に向かっている。 立石山に登るなら神社付近からと思っていたのでこのルートがそうだろうと入り込むことにする。 よく見ると道の脇には道標を取り付けるための小さな木柱も準備されていた。 この後やってくる愛好会によって今日中には道標が付けられるのだろう。 (この林道をさらに奥に行くと道標の完備された南中大岩への登山口もある)

赤いマーキングに沿って登っていくと次々と大岩が現れる。そのうちの一つは庇があり、 その前には数畳の平地になっている。本来ならなにか石仏などが祀られていそうな 磐座だがそういったたぐいのものは見られない。そこでふと思い出したのが 多田繁次氏の本に載っていた記述で、この山中にあるという『ばくち岩』のこと。 ここなら確かに人目をはばかってばくちに専念できそうだ。岩になにやら光るものがある 見ると残置ハーケンであった。
庇のある大岩。これがばくち岩??展望岩のテラス部分に立つM氏

さらに登っていくと山腹を横切る小径に標識があった。それには『左 和田方面展望岩 右 南中大岩』とある。 まずは立石山へ行くつもりだったので左を選択する。左方向からちょっと登ると岩場の根元部分に出る 。クライミングの人達はここから展望岩へよじ登るのだろう。ここにもハーケンとか腐ったロープが 残されていた。

その展望岩は二段になっていて下部のテラス部分もフラットで居心地がよさそう。しかも展望も良い。 岩場の最上部はもちろん文句の付けようのない展望が楽しめる。蛇山方面から山南妙見山、石金山、 イタリ山。今日は雲が低く垂れているので遠くの山は確認できないが、黒田庄妙見山と 思われるピークもある。中町の妙見山も方向はわかっているので、ここからだと三つの妙見山が 見えることになる。
展望岩から展望を楽しむ
稜線はすぐそこだったのでそこから西方向へ向かい立石山の三角点を目指す。途中にも面白そうな 大岩群がある。M氏はよじ登りたいそぶりを見せるが滑り落ちるととんでもないことになるので 素通りだ。三角点には9時に着。周囲は木々に囲まれていて展望はまったくない。 標高301m、三等三角点。点名は『比砂門谷(びしゃもんたに)』と言う。 なんだか立石山よりこっちの方がかっこいいね!!
三角点近くの大岩途中から南中大岩が見えた

稜線を引き返してこんどは南中大岩を目指す。稜線にははっきりとした道がある。鞍部まで下って そこから登り返すと大岩山の頂上だ。ゆっくり歩いても立石山から20分ほどしかかからない。 頂上直下には分岐があって林道へ降りられるようになっている。これを利用すると ショートながら周回が楽しめるということだ。

大岩山には三角点はないが登頂記念のノートが置かれていた。そしてここは立石山と違って 大きく展望の広がるピークであった。私は展望の写真を撮り、M氏はノートに記帳する。
大岩山からの展望
ここからロープを伝って林道側に少し降りていくと『南中大岩』へ行くことができる。 ここの写真だけはセルフタイマーでは絶対に撮せない。M氏と交互にお互いを 写しっこする。その南中大岩もスリリングな岩場で高所恐怖症の私などは 立っているだけでふらついてしまう。ここにもハーケンとロープが残置されている。 クライミングをやっている人の約束事は知らないが、これってゴミなんとちゃうの?? 遊ぶだけ遊んでゴミを放置したままなんて、クライミングをする人はみなさんそうなん?
ロープを伝って降りる南中大岩

さて、大岩山ピークに戻って思案する。このまま林道へ下ればショートな周回を達成だが あまりに時間があまりすぎて物足りない。この尾根をさらにたどると石戸山から最終は 高見城山まで続いている。どこまで行けるかわからないがとりあえずそっちへ行ってみよう!! 9時40分。

いきなりシダ道となる。さすがに愛好会の人達もこれ以降はルートの整備には手を付けていないようだ。 7分のパンツをはいているM氏は足元が痛そうだ。次のピークはTVの共同受信施設のある所。 だんだんと道は悪くなってきてこの先どうなるのか思いやられる。338ピークも 過ぎて最低鞍部に着く。10時25分。

悪いなりにも踏み跡のあった尾根道だったのにここからは全く踏み跡はない。ここから右手は 松林の斜面になっていてこれを下れば南中林道の終点付近に降りられるだろう。 しかし二人とも降りる気配はない。腰以上あるシダを避けながら急斜面をよじ登っていく。 あぁ、なんのために・・・・。
超ヤブをよじ登る巡視路から鉄塔へ着く

やまあそ・向井の二人にはヤブがよく似合う・・・。道でもない斜面を難なくよじ登る その後ろ姿には一種オーラのような輝きさえある。そして石戸山からの主稜線ピークに着く。 Ca.410m、まったくのヤブピークで立っているだけで精一杯。おなかが減っていたので パンをかじる。M氏を見るとドロドロの上半身だった。ヤブ斜面を振り返って出た言葉 「登りだったからよかったものの、さっきの鞍部へ下るのは不可能に近いね」

このピークから道は見えなかったが石戸山方面に行くにつれて道は劇的に良くなってくる。 ここで大柿さんの赤布を発見するがどこからどこへ行こうとしたのだろうか? 反対方向でやってくると道がなくなってくるのだから不安になってしまうでしょうね。 439のピークは手前から右に下りながらやり過ごすのが正解。山南町と氷上町の境界に 出会うがそこは巡視路になっていた。 左は観音寺山方面、右は石戸山方面。とりあえず石戸山方向へ行き55鉄塔でお昼にする。 11時15分。

石龕寺はこの鉄塔の右手真下にあるはずだが見ることはできない。 ここからは高見城山、石戸山を望みながらの食事となる。満腹してコーヒーもいただく。 時間的にはまだまだ遊べるが、ヤブでスタミナも消費したし、暑くて水もずいぶんと飲んで 残り少ない。そこで先ほどの分岐から観音寺山方向へ下ることにする。

最初こそ急下りが連続するが、巡視路だけあってその後はMTBでも楽しめるほどの 快適路となる。左方向へ分岐もあったがともかく境界の尾根を歩くことにする。 55鉄塔から25分で観音寺山に着く。四等三角点、標高370m。ピーク手前はシダが 深かったが三角点の周囲は松葉の絨毯で思わず座り込んでしまいそうになる。
観音寺下山途中にある岩場から阿弥陀三尊の種子仏コース

下山方向に注意が必要だ。このまま境界尾根で下っても良いが、岩場のある西コースを 下ってみたい。そっちの方向にも踏み跡があったのでそれにつられて下っていく。 予想通り岩場にはそこそこの展望があった。ゴルフ場でプレイしているゴルファー達も よく見える。しかしその後がいけない。突如ヤブになって(しかもとんでもなく 手強い)下山に手こずる。といいながらも観音寺から35分ほどしかかかっては いないのですが・・・・。

南中一宮神社まではR-175をのんびり歩いて帰る。途中にある公衆電話の横にある階段をちょっと 登るとブロックの祠に阿弥陀三尊の種子仏がお祀りされている。変形の五角形の岩(高さ80cmほど)の 上部に円が描かれており(鏡を表している??)その円内に薄く梵字が線刻されている。 その横手にヤブの道が登っている。それは立石山三角点へのルートらしい。 「今度はここから登りましょうか?」「こんなヤブよう行かんわ!!」とM氏。

今回の立石山・南中大岩の地図は こちら(約130k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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