三国山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『三岳山』を参照していただくようお願いいたします。

2003. 5.25.  日曜日  晴れ  気温暑い
K新聞を見ていると但東町の I 山の山麓で樹齢200年ほどの山桜が見つかったという記事があった。 地形図で確認してみたが該当する山は見つからなかった。地形図には山名はないが地元では I 山という 名前で存在しているようだ。その確認中に目にとまったのがこの三国山です。軽く登れそうな山だったので ちょっと行ってみることにしました。最近MTBでのレポートが少ないので今回はWithMTB登山です。

ルートは福知山市西石(さいし)から但東町大河内(おごうち)へ抜ける大河内峠へまず登る。 そこから境界尾根沿いに三国山へ行く算段です。帰路はそのまま境界尾根を辿って登尾峠へ降ります。 峠からは実線の旧峠道が小野原へ向かって緩やかに下っています。 山中ではさほど乗れなくてもこの旧の峠道では快走が期待できるでしょう。

天気は曇りで風がちょっと強い。上佐々木にある旧峠道入り口と舗装の県道の出合い部分に空き地が あったのでそこに駐車する。9時15分スタート。西石への舗装路は緩やかな傾斜で交通量も少ない。 ゆっくりと登っていったがあっというまに峠に着いた。この峠の南側はハイカーにも有名な 福知山市の三岳山、そして北側が今回のターゲットである三国山です。この峠からも登ろうと思えば 標高差もさほどないので簡単に登れるでしょう。

ここには石仏が二体と『従是東宮津領』という石柱、さらにでかい石碑があった。『助太郎やなぎの跡』と彫られている。 その下部には『その昔小の原の里に助太郎なる者あり雲原との境を定めるに柳を植え廻り五尺もありたるが 道路補修により取り除きたり  昭和四十五年三月』とある。道路補修はもちろん必要だったのでしょうが、 ここでその柳を残しておいて欲しかったと思うのは私だけでしょうか?
峠の手前。この辺りが一番雰囲気が良い大河内側は伐採されていて
左方向には登尾の電波塔が見える

西石まで下って畑仕事をしているおじさんにちょっと話をして峠への道があることを聞き出す。 地形図通りの谷に道の跡がある。草ぼうぼうのあぜ道から植林の中の道になり、それが高度を上げると 見違えるようにすばらしい峠道としてよみがえってくる。荷車でも楽に通過できるような道だった。 なるく広い尾根にある低い切り通しの峠だった。10時05分着。

残念ながら石仏はなかった。大河内側を覗いてみてさらに驚いた。広範囲に伐採がされていて下の 集落が丸見え状態。そしてその伐採木が旧道をすっかり覆い隠してまったくどこにあるのかわからない。 こちら側への下山するのはたいへんな事になりそうだ。視線を西方向に向けると伐採された尾根 (距離は短いが)とその向こうに登尾の電波塔もしっかりと見えた。
荒神谷の向こうは神懸峠、そして江笠山へと続く。

その伐採尾根をMTB担いで歩く。再度林の中に入る手前で振り返ってみたのが上の写真です。 右手方向が登ってきた西石、左手が伐採されて道も不明瞭になってしまっている大河内。 向こうには荒神谷の三角点ピーク、右手遙かには赤石ヶ岳があった。 ここからしばらくは展望がない。 植林と雑木が交互に現れてその緑色のすばらしさに何度も足を止める。
新緑がなんとも言えないねぇ
おもわず乗っちゃう

背の低い笹をかき分けるように歩いていると突然目の前に三角点が現れる。なぜか三国山の 三角点は頂上の手前にあります。角の欠けもなくまったく無傷の四等三角点(標高557.0m)。そこから 5分ほど歩けば三国山の頂上に着きます。標高575m、10時45分。
三国山頂上。ごらんの通り座れるスペースなし

ほぼフラットで広い頂上です。しかし背の低い笹に覆われているため座って落ち着くと言うことは できません。なにか面白いものでもないかと周囲をうろついているとオレンジ色の小さなプレートが目についた。 2週間前に光明山で見た某バカグループのそれだった。ここでも御丁寧に2本のビスで幹に直接打ち付けている。(-_-メ) 今日は自転車の工具を持ってきているのでさっそく取り外す。

現在の行政区分では兵庫県出石郡と京都府福知山市との境界のピークですが、昔風にいうと丹波、丹後、但馬の 三つの境界に位置するので三国山です。お昼にするには早すぎるし、風も強くて座ることも出来ない、しかも 展望はないので下山としましょう。このまま境界尾根を辿って一気に登尾峠まで下るつもりでしたが、 次のピークでまた立ち止まってしまう。
分岐ピークは伐採の展望地だった。萱野の左には法沢山、郷路岳の右には高竜寺ヶ岳が見えるはず。

そこは伐採跡地で北方面に展望が開けていた。本来なら大展望と言いたいところだが、今日もモヤがひどくて遠くはなにも見えない。 床尾の三つのピークもほんとうなら見えるはず。氷ノ山は無理かもしれないが蘇武岳はOKだと思う。 心眼でそれらを楽しみながらここで早い昼食にしてしまう。風が強いのでリュックの中身が何もかも飛んでいきそうになる。 無線もしてみたがおなじみにOAPさん(多可郡のまたに山)とつながるが、フルスケールなのに驚く。

このピークから左に90度ほど方向が変わる。等高線を見ると乗れ乗れの感じだが、実際は笹が腰以上にあって 思惑と全く違う状況だ。たまらず左の植林帯にエスケープする。ここには下草がないのでしばらくは この状態でMTBを押していく。右上を時々見上げるが笹藪は続いているようだが頃合いを見て 担ぎ上げるとそこも伐採地だった。

登尾の電波塔がすぐ目の前にある。伏見山、龍ヶ城の形の良いピークが楽しめる。 このまま峠まではヤブが続くのか?MTBを担いでイバラを避けながら下っていくと いきなり多くの人達に出会って驚く。

この山域のこの場所で人に出会うことは絶対無いはずなのに、この大勢の人達はいったい・・・??? 老いた人から若い人、女性も男性もいる。向こうもこんな所で自転車担いだおっさんが来るとは思ってなかった ようでビックリしている。聞いてみると『日本熊森協会』という団体で熊が住める山を作るのを合い言葉に 今日は広葉樹の植樹をしているということだった。
日本熊森協会に出会う旧登尾峠はきれいに残っている

「すいません。失礼します」を連発しながらあいだをすり抜けて進む。左に赤土の道があった(峠にダイレクトに 降りる道だった!!)が周囲に圧倒されて気が付かずに進んでしまう。そしてロープの張られた激下りの道を下ると そこは登尾トンネルの但東町側だった。旧峠を通り過ぎてトンネルまで来てしまったのだ。 そのトンネルのさらに下には新トンネルが出来たためここは出口を完全にふさがれている。そして 先ほどの団体を連れていた大型のバスも止まっていた。

地形図を見るとすぐ近くから旧峠へ登る道があったのでそれで峠を越すことにする。その旧登尾峠に来てみて 驚いた。広い切り通しの峠両側には整然とした石垣が今でも残っている。ここは京街道と呼ばれて 秀吉が作らせたという。そしてここから但東町に下った所には久畑の関所跡も残っている。 その時の姿をとどめているのかどうかはわからないがとにかくすばらしい峠には違いない。

下にあるトンネルの銘板は文字が読みとれなかったがこの峠に代わって長い間使われていたと思う。 さらにその下にある新トンネルは平成10年に開通したという。それ以前にここを訪れていたら 旧トンネルも通過出来たのに残念だ。そうすれば峠、旧トンネル、新トンネルの三つ制覇出来たことになる。 写真でもわかるとおり自動車で通過してもなんら問題ないほどの路面だが、ここに来る奴はよほどの 峠マニアだろう・・・・。

ちょっと遠回りしてようやくたどり着いたがここからは快走のダウンヒルが楽しめるわけだ・・・・。 但東町側から福知山市側に入る。左手に登っている赤土の道は先ほどの熊森協会の人達が集っている伐採地に 行っている道だ。ところが実線の峠道が見あたらない。それらしい方向は背丈ほどの草がボウボウに生えている。 「えっ!まさかこれが道??」MTBを頭より上に持ち上げてそのヤブに突入するとその先はやはり 道のなれの果ての姿をしていた。
道は無くなっています居母山クラブの人達と

まさしく完全廃道になっています。これじゃあ、峠マニア+廃道マニアに大受けコースやぁ!! 倒木を乗り越え、草をかき分け、ドロ地を駆け抜け、とにかくとんでもない道です。 せっかく快走ダウンヒルを期待していたのに鹿の足跡がそこらじゅういっぱいの獣道やぁ!! こんなところ普通のハイカーは来ないなあと思っていたら足元にマップケースが落ちている。 中には2.5万図のコピーが入っていた。物好きがいるもんです。 なんやかんや言いながら40分も掛かってしまいました。でも出口に車を止めていたので 片づけは楽でした。

帰路は新トンネルで一旦但東町へ入って石仏などを写真に撮りながら小坂峠で夜久野町へ戻ります。 府道を走りながらふと左手にある大迫の公民館グラウンドを見るとなにやらイベントをやっているよう。 そのグラウンドには大きな釜が設置されていて底からはチロチロと炎も見えます。 こりゃおもしろそう!行って写真を撮らせてもらおう!!

行って驚きました。スタッフは私とリンクしている『居母山クラブ』の人達です。 こんな状態で出会うとは思いませんでした。「せっかくやからお風呂に入ったら?」 そう言われていつもの厚かましさでその場で全裸になって釜風呂に入ります。 中にはよもぎが入っていてグリーンの入浴剤を入れたよう。 いや〜っ!汗も落とせて気持ちいいっ〜!!居母山クラブのみなさんありがとう!!

今回の三国山の地図は こちら(約130k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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