経ヶ峰

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『椋本』を参照していただくようお願いいたします。

2003. 4.27.  日曜日  晴れ  気温すこし寒い
年に一度あるか無いか、私にとってはめずらしい県外での山歩きの企画。昨日は島田山の探索と その近くにあった枡形山に登りました。車中泊の翌日はどこに行きましょうか?天気は昨日より 良くなっていますが風はさらに強く吹きまくっています。 予定では津市にある経ヶ峰、その補完として北にある錫杖岳を考えていたので それらの地形図コピーは用意をしています。

深夜、知らない地域を車で移動するとどこがどこだかわかりません。適当に車を停めて寝込んで しまいましたが、朝起きたら具合良く経ヶ峰登山口への入り口付近だった。昨日は雲に隠れて その姿はまったく見えなかったが、今は朝日に照らされて金色に輝いている。 その山容は大きくてその勢いが中央のピークに向かって集約しているように見える。

平尾の菅原神社からの細い舗装路を登っていく。ゆるい斜面にある民家と田圃の横を縫うように 道があり、民家が途絶えると林道となってさらに登っていく。終点と思えるところが広場に なっていた。先着の軽自動車が一台あるだけで人の姿はない。ここで朝食をすませて準備をする。 見ると広場の奥はさらに細い林道が続いているようだ。ということはしばらくは林道を歩いて そこから山道になるのだろう。
経ヶ峰の美しい姿尾根コースを行く

準備を整えてあたりをあらためてみてみる。自分の停めた広場は谷川に沿った林道のほぼ 終点付近である。右手には高い尾根があるが左手の尾根はここが起点になっていて、小橋を渡って 道もあるのがわかる。ためしにそれを渡って覗いてみるとそこから更に二手に道は分かれている。 一方は左手の谷に続き、一方は尾根に道がある。杉の幹にマジックで『尾根道』と書かれている。 地形図にはないがこっちの方が面白そうなのでさっそくスタートする。6時25分。

これだけ良い道なのに駐車場からの道標もないし、テープもほとんどない。地形図を見るまでもなく ずんずんと歩いていける。右下には先ほどの林道の続きがちょろっと見える。こっちを 選んで正解だった。ゆるいところもあり、急な登りもありで標高を確実に稼いでいく。

基本的に植林の尾根だったが、やがて青空が見えてくる。そこは笹原の中の切り開かれた 道だった。ちょうど千が峰の三谷コース頂上付近の雰囲気に似ている。道端のスミレを 見ながら登っていると、突如切り開かれた展望の広場に出る。パラグライダーの発進基地の ような切り開きだ。この展望があるからか、あとで聞いたらこのコースは『パノラマコース』 というそうだ。
パノラマコースの展望ポイント

すごい風が吹いているのだが、かすみがひどくて遠くは見えない。 島田山とか枡形山は昨日登ったばかりなのでなんとか確認が出来る。 足元には白いスミレがあり、写真に写そうとするが風で揺れがひどくて ぶれてしまう・・・。里芋科の花(まむしぐさに似ている)がこんな 明るい笹原に咲いていた。
頂上が望めるポイントに出たそしてメインの遊歩道に合流

ピークに出た。このレポートの一枚目の写真はどうやらこのピークを撮していたようだ。 頂上下に写っている伐採地のような所が先ほどの笹原ポイントだ。そしてこのピークから奥に ほんとうの頂上が望める。目を凝らして頂上を見ると展望台が確認できた。 そして下方はすべて植林帯となっていた。そこまでの道途中と思われる所には反射板もある。

少し下るとメインの遊歩道と合流した。驚くことにそれは軽自動車でも走れるような道だった。 標高差はなく(若干下り気味)、すぐに反射板の横を通り過ぎイラスト案内図のある 分岐に出会う。 それによると正面が頂上への登山道。右はログハウス風の休養施設が描かれていた。

ちょっとした登りをクリアーするとそこは頂上だった。休養施設への分岐と簡易トイレ。 東屋と先ほど見えた展望台、そして経ヶ峰頂上。7時40分。標高819.3m。 肝心の二等三角点は地面に埋もれてしまって十字しか見えていない。
西(長野峠)方向を見る
南方向を見る

すごい強風である。風に向かって真っ正面に立つとまだましだが、風を背に受けると メガネが前に飛んでいきそうになる。それどころか油断すると身体が浮きそうになる。 カメラも構えるのが困難なほど。これって台風並の風とちゃうの?? もちろん体感温度は低くウインドブレーカーを持ってきて正解だった。

ほぼ同時にそれぞれ違うコースから二人の男性が到着する。若い方の人は山頂に立って しばらくで下山していく。少し年配の男性としばらく話をする。こんな時間に山頂に来るなんて きっと常連の方なのでしょう。いくつかのルートについて教えてもらう。そして昨日の 島田山についても貴重な情報を得る。(実際に登ったというからすごい!)

山頂で見えているピークの 山名を教えてもらおうとしたが、雲に隠れているのがほとんどで、すぐ北にある錫杖岳と 青山高原にある笠取山が時々姿を現す。言われるままに双眼鏡で覗いてみると風力発電の風車が数基 回転しているのが見えた。この強風で染一、染太郎状態になっている・・・ (いつもよりよけいにまわっている)

とにかく山頂には居られないので直下の東屋で休憩をする。そろそろかと思って無線機を取り出す。 というのは低山徘徊のメンバーが雨乞岳に登っているのだ。これも無事につながった。 先ほどまでのおじさんはいなくなり、いつの間にか別のハイカーが東屋で休憩している。 私もそろそろ下山をします。8時30分。「降りるんやったら、小屋に寄ったら?」と 後ろで声がする。ならばと、分岐を小屋方面に下る。
宿泊も出来るログハウス常連の方に案内されて

きれいな小屋が見えてくる。小屋の反対側は広場になっていて子供達の野外学習にでも使っているのだろうか? 扉には鍵がかかってなくてだれでも入れるようになっている。頂上であまりに風が強くてコーヒーも 飲めなかったのでここでコーヒーとお菓子を食べる。中には大きな囲炉裏?があり、煮炊きも出来るようだ。 天井には明かり取りがあるが照明はもちろんない。

反射板を過ぎて分岐(朝方利用したパノラマコースは右手の小径だが、やはり道標はない)を直進する。 ずーっと車の走れそうな道幅のままだが、傾斜は等高線に忠実に急になる。このまま地形図にある点線で 下ってしまうと谷を一つ隔てた山出の登山口に降りてしまうことになる。 登ってくる家族連れをやり過ごしてすぐに分岐となった。左が山出。正面が平尾と書かれていたので 安堵する。

地図で確認しているとシルバーエイジのハイカーが降りてきた。いっしょに降りながら話しかけると やはりこの山の常連さんだった。「今日で125回目になります」と言う。この下山道も昔は普通の 山道だったが、先ほどの小屋を建設する際に(先代の小屋が火事で焼けたので・・)拡幅して キャタピラー車が登れるようにしたそうだ。「この下で駐車場からの林道と合流しますが、林道は 足に優しくないのでこっちを下りましょう」と道を離れて支尾根に入る。

いろいろとお話を伺う。地形図に載っているルートももちろんだが、今歩いているような載っていない ルートも教えてもらう。この山は民有林が多いのでソマ道も多くいろんなルートがあるという。 ただし、赤テープとか道標をハイカーが 付けると取り除かれてしまうそうだ。それでマーキングが少なかったのか・・・。 駐車場のすぐのところに出てきて、林道はまったくと言っていいほど歩かなかった。9時45分。 駐車場には12台ほどで満杯になっている。コーヒーを頂きお礼を言って山を後にした。

今回の経ヶ峰の地図は こちら(約120k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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